穀物速報:クロッププログレスレポートと天気予報、サバクトビバッタ速報(つらつらコラム7月7日)

ダイジェスト(クロッププログレスレポートと天気予報)
クロッププログレスレポートによるアメリカの作付状況

7月6日にUSDA発表の最新のクロッププログレスレポートに基づき、2020/2021年シーズンの大豆とコーンの作付進捗状況について紹介する。7月5日の時点での大豆の開花率と着サヤ率、コーンのシルキング率は以下の通り。

今週    前週    前年同時期 平年(5年平均)  
大豆作付率終了
大豆発芽率終了
大豆開花率64%48%35%57%
大豆着サヤ率25%11%6%21%
コーン作付率    終了
コーン発芽率終了
コーンシルキング率59%29%30%54%
コーンドウ率4%3%9%7%
表1 大豆とコーンの作付率と発芽率

大豆の農作業は順調に進展し、作付に続いて発芽も終了した。開花率は平年(24%)よりやや進んだ31%となった。今週より大豆の着サヤ率が公表されているが、まだ1%とほとんど進んでいない。

コーンはコーンはシルキング(受粉)期が続いており、今週はやや進展して、シルキング率は10%となったが、平年(16%)よりやや遅れている状況に変化はない。コーンベルトの高温乾燥によるシルキング遅れが懸念されている。
州別のより詳細な農作業の進捗データはこちら

今期の作柄予想

表2は大豆の作柄予想となる。平年以上の作柄(FairとGood、Excellent)は95%と据え置きだが、豊作以上(GoodとExcellent)以上の割合は71%と据え置きだが、1%大豊作(Excellent)の割合が増えており、作柄が良くなっている。また、豊作以上の割合は前年の53%を大きく上回っている。

Very PoorPoorFairGoodExcellent
3週前13246012
2週前14255812
前週14245813
今週14245714
前年3935467
表3 大豆の作柄予想(出展元 USDA)

表3はコーンの作柄予想で、全体の94%が平年並み(FairとGood、Excellent)以上の作柄となり、前週より1%悪化した。豊作以上(GoodとExcellent)の割合も71%と前週より2%悪化しているが、依然として前年の57%を大きく上回っている。シルキング率の遅れと作柄悪化の原因はコーンベルトの高温と乾燥だと考えられる。一部の畑では作柄が改善しており、大豊作(Excellent)の割合が1%高まった。

Very PoorPoorFairGoodExcellent
3週前14245615
2週前14235715
前週14225716
今週15235417
前年39314710
表3 コーンの作柄予想(出展元 USDA)
コーンベルトの天候予報

図1は直近2週間の気温予報(図1左)と7月から9月の気温予報(図1右)となる。どちらでも、コーンベルトでは全体的に平年より気温が高くなる見通し。

降水量予報と土壌の乾燥度

図2は降水量予報で、直近2週間の予報(図2左)では高温少雨となっており、コーンのシルキングなど農作業の進展・作柄への影響懸念が生じている。一方3か月予報(7月から9月、図2右)では、これからコーンベルトの多くの地域で例年以上の降水量となる予報となっている。

Very Short(欠乏)Short(不足)Adequate(十分)Surplus(過剰)
3週前724618
2週前826597
前週925597
今週1026577
前年3127015
表4 表層土の水分量(出展元 USDA)
Very Short(欠乏)Short(不足)Adequate(十分)Surplus(過剰)
3週前519688
2週前622657
前週721657
今週824626
前年3107017
表5 深層土の水分量(出展元 USDA)

表4と表5は土壌の水分量を示している。引き続き、アメリカ西部の一部の州(ニューメキシコ州やカルフォルニア州、コロラド州、ワイオミング州)でひどい乾燥状態となっているが、コーンベルトでは多くの州で土壌に生育に十分な水分が存在している。

まとめ

コーンベルトでは高温乾燥への懸念が高まっているが、農作業はほぼ順調に進展した。今シーズンの大豆は開花と並行して着サヤが始まっている。コーンはシルキング期(受粉期)に入っているが、高温乾燥のため現時点では平年よりやや遅れている。今後の天気予報によれば、月には高温乾燥の可能性があるが、来月以降は高温湿潤となる予報となっている。作柄予想は大豆畑の71%、コーン畑の71%で豊作以上(Good、Excellent)の作柄が期待されている。コーンの豊作以上の割合は高温乾燥のため今週2%低下したと考えられるが、大豊作(Excellent)の割合も増加しており、今のところ大幅悪化の兆候は見えていない。


7月3日付のサバクトビバッタの最新情報を掲載する。図3は現在のバッタの群れの位置と大きな移動の方向を矢印で示している。
アフリカのエチオピア東部と北部では春のバッタの繁殖が始まっている。ケニア北部の群れのほとんどは北へ移動しつつあり、今後エチオピアを通って、スーダンへ向かう見込み。ケニア南部の群れ一部はウガンダ北部を通過し、西へ移動する見込み。ソマリア北部の群れは風に乗って今後インドへ移動する可能性がある。南アジアではモンスーンの雨季に入って春のバッタが繁殖に入り、8月中旬には新しい夏のバッタの群れが誕生する見込み。

図3 サバクトビバッタの群れの状況(出展元 FAO)
*色の違いは群れの規模による

図4は今後のバッタの群れの移動予測で、ソマリア北部の群れは風に乗ってインドへ移動する可能性がある。ケニア北部の春のバッタの群れはスーダンへ向かっているが、移動がこれ以上遅れた場合にはスーダンで繁殖に入ることになり、これらの群れがそれ以上移動しないことで、西アフリカの被害リスクが低下する可能性がある。

http://www.fao.org/ag/locusts/common/ecg/75/en/200616forecast.jpg
図4 サバクトビバッタの群れの移動予測(出展元 FAO)
*赤線で囲まれた地域が繁殖地

※このコラムで紹介している相場の動きの見方や見通しなどは執筆者の主観に基づくものであり、利益の増加や損失の減少を保証するものではありません。