穀物速報:クロッププログレスレポートと天気予報(つらつらコラム8月18日)

ダイジェスト(クロッププログレスレポートと天気予報)
クロッププログレスレポートによるアメリカの作付状況

8月17日にUSDAより発表された最新のクロッププログレスレポートに基づいて、2020/2021年シーズンの大豆とコーンの作付進捗状況について紹介する。8月16日の時点での大豆の開花率と着サヤ率、コーンのシルキング率とドウ率は以下の通り。なお、コーンのシルキング期は受粉、ドウ期は粒の形成が始まったことを意味しており、ドウ期が終了後は粒の成熟が進むデント期へ入る。

今週    前週    前年同時期 平年(5年平均)  
大豆作付率終了
大豆発芽率終了
大豆開花率96%92%88%94%
大豆着サヤ率84%75%64%79%
コーン作付率    終了
コーン発芽率終了
コーンシルキング率終了
コーンドウ率76%59%50%69%
コーンデント率23%11%13%24%
表1 大豆とコーンの作付率と発芽率

大豆の農作業は順調に進展し、開花率は96%となりほぼ終了した。着サヤ率は平年の79%に比べて84%となり、こちらも進展した。

コーンのシルキング率の公開は終了した。ドウ率は平年(69%)に対して76%、デント率は23%と平年(24%)並みとなっている。州別のより詳細な農作業の進捗データはこちら

今期の作柄予想

表2は大豆の作柄予想で、豊作以上(Good、Excellent)の割合は72%と前週から2%悪化した。前年の53%を大きく上回っているが、コーンベルトの西側で乾燥が進んでいることや、アイオワ州で嵐による被害が出たためだと考えられる。

Very PoorPoorFairGoodExcellent
3週前15225715
2週前15215815
前週14215717
今週25215616
前年41033449
表2 大豆の作柄予想(出展元 USDA)

表3はコーンの作柄予想で、豊作以上(Good、Excellent)割合は69%となり、前週から2%悪化した。依然として前年の56%を大きく上回っているが悪化が進んだ。今週のコーンベルトではアイオワ州で嵐による被害があった他、コーンベルトの西側で雨の少なく乾燥が進んだと報じられている。

Very PoorPoorFairGoodExcellent
3週前25215517
2週前25215517
前週26215318
今週37215217
前年311304610
表3 コーンの作柄予想(出展元 USDA)
コーンベルトの天候予報

図1は直近2週間の気温予報(図1左)と8月29日から9月11日の気温予報(図1右)となる。2週間後のコーンベルトではカナダ国境沿いの地域が平年以下の気温となる予報となっている。一方で、3週間後(8月29日から9月11日)の予報では、全国的に平年より気温が高くなる見通しとなっている。

降水量予報

図2は降水量予報で、直近2週間の予報(図2左)ではコーンベルトの北側では平年以上の降水量、西側や南側では平年並みから平年以下となっている。3週間後の予報(8月29日から9月11日、図2右)ではコーンベルトの北側から西側では平年以下、南側で平年並みの降水量となっている。

土壌水分量
Very Short(欠乏)Short(不足)Adequate(十分)Surplus(過剰)
アイオワ州20(22)36(39)42(38)2(1)
イリノイ州3(1)20(21)72(65)5(12)
ネブラスカ州11(15)36(25)51(58)2(2)
ミネソタ州2(3)12(14)73(73)13(10)
48州平均13(13)28(27)54(55)5(5)
表4 表層土の水分量 ()内の数字は先週の値(出展元 USDA)
Very Short(欠乏)Short(不足)Adequate(十分)Surplus(過剰)
アイオワ州17(16)36(37)46(46)1(1)
イリノイ州1(1)14(16)82(73)3(10)
ネブラスカ州12(15)30(25)57(59)1(1)
ミネソタ州2(2)8(10)81(79)9(9)
48州平均11(11)27(26)58(58)4(5)
表5 深層土の水分量 ()内の数字は先週の値(出展元 USDA)

コーンベルトの内、コーンや大豆の生産量の多い代表的な4州の畑の土壌中水分のフィールド調査結果についてまとめた表が表4と表5となる。表4は地表の、表5は土中の水分量を示しているが、コーンベルト東側のイリノイ州とミネソタ州では8割近くの畑に十分な水分が存在していると考えられるが、コーンベルト西側のネブラスカ州やアイオワ州では地表近くに十分な水分がある畑は4割から5割と乾燥が進んでいる。ただし、アイオワ州では嵐の影響か若干の回復も見られる。

まとめ

農作業は順調に進展している。大豆では開花の96%、着サヤの84%が終了した。コーンはシルキング期(受粉期)の終了に伴い情報公開も終了、ドウ期(粒形成期)も76%、デント期(粒固化期)の23%が終了した。
コーンベルトの天気予報は、今後2週間のコーンベルト気温は平年より高くなる見込みで、降水量は場所によってまちまちだが北側を中心に平年以上、南側や西側では平年以下となる見込み。今月下旬以降の予報ではアメリカの全国的に平年より気温が高い。一方のコーンベルトの南側が平年並みとなる他は降水量が平年を下回る予報となっている。既に水分の多く必要な時期は過ぎている畑が多いとはいえ乾燥の影響が作柄へ出始めている。
作柄予想は大豆畑の72%、同じくコーン畑の69%で豊作以上(Good、Excellent)の作柄予想となり、大豆、コーン共に前週比で2%の作柄悪化となっている。特に大豊作(Excellent)の割合が10%を割り込むなど、主要産地の中ではアイオワ州の作柄悪化が目立って来ている。作柄の大幅悪化の可能性は高くないと考えられるが、先週中ごろ以降相場の上昇要因になっているので、干ばつや天気予報など作柄を左右しそうな情報に注意したい。


※このコラムで紹介している相場の動きの見方や見通しなどは執筆者の主観に基づくものであり、利益の増加や損失の減少を保証するものではありません。