穀物速報:クロップツアー終了(つらつらコラム8月24日)

ダイジェスト

クロップツアー終了

先週月曜日から行われていたプロファーマー社のクロップツアーが木曜日に終了し、金曜日に全体の結果が発表されたので、今日はその結果について見ていきたい。クロップツアーの概要について先週のコラムを参照されたい。

総評

今回のクロップツアーによる実地調査後、発表されたコーンと大豆の収穫量予想と収量予想は次の通りとなった。

収穫量 
単位:億ブッシェル
収量(エーカー当たり収穫量) 
単位:ブッシェル
コーン
クロップツアー148.20177.5
USDA推計(8月)152.78181.8
大豆
クロップツアー43.6252.5
USDA推計(8月)44.2553.3
表1 収穫量と収量予測、クロップツアー結果とUSDAの8月推計の比較(出展元 プロファーマー社)

今回のクロップツアーによる現地調査の結果は、コーン、大豆ともに記録的な数字を出しているが、8月のUSDA需給報告での予測には届かなった。主な要因は8月上旬にアイオワ州を襲った暴風と雹によって同州のコーン畑がダメージを受けたこと、全体として乾燥が進んだため収量が予測ほど伸び切らなかったことが要因となっている。州ごとの収量比較は次の通りとなる。

コーン
図1 クロップツアー結果と収量(出展元 プロファーマー社)
クロップツアー結果:コーン収量(エーカー当たり収穫量) 単位:ブッシェルUSDA推定(8月) 単位:ブッシェル3年平均 単位:ブッシェル
平均179.3
アイオワ180.0202.0183.61
イリノイ205.0207.0181.51
ネブラスカ188.0191.0172.38
ミネソタ199.0197.0180.19
インディアナ186.0188.0171.67
オハイオ176.0175.0166.18
サウスダコタ164.0167.0158.59
表2 州別のコーン収量予測、クロップツアー結果とUSDAの8月推計、3年平均の比較(出展元 プロファーマー社)

図1はクロップツアーにおける収量の値をグラデーションで示しており、色が濃いほど収量が高くなっている(ただし、元々州の間に収量格差がある点に注意)。表2はクロップツアーの州ごとの結果と、8月のUSDAの予想、過去3年間の平均収量を比べたものとなる。アイオワ州以外はどの州も過去3年の平均収量を上回っており、今シーズンは豊作である。特にミネソタ、オハイオ両州はUSDAの予想を上回る収量となっている。一方で、アイオワ州は現地のレポートによると、図2のように暴風雨の風と雹でコーンがなぎ倒されており、一部では駄目になったコーンの腐敗が始まるなど、これ以上回復する可能性はほとんどないと伝えられている。アイオワ州では収量で20ブッシェルほどの損失となっており、この損失がなければアイオワ州もクロップツアーの結果とUSDAの予測結果はほぼ一致したと思われる。

図2 風と雹の被害を受けたコーン(出展元 アイオワ州農務局)

多くの州ではコーンの成熟(乾燥)が進んでおり、降雨はあまりないとレポートは述べている。インディアナ州やオハイオ州では生育速度の差から、作物にはなお成長の余地があり、後の十分な雨があれば収量に伸びしろがあることが示唆されている。

大豆
図3 クロップツアー結果と収量(出展元 プロファーマー社)
クロップツアー結果:コーン収量(エーカー当たり収穫量) 単位:ブッシェルUSDA推計(8月) 単位:ブッシェル
平均53.6
アイオワ55.059.0
イリノイ62.061.0
ネブラスカ59.062.0
ミネソタ51.051.0
インディアナ61.064.0
オハイオ57.058.0
サウスダコタ51.050.0
表2 州別の大豆収量予測、クロップツアー結果とUSDAの8月推計、3年平均の比較(出展元 プロファーマー社)

図3はクロップツアーで得られて大豆のサヤ数をグラデーションで示しており、色が濃いほどサヤ数が多くなっている(ただし、元々州の間に収量格差がある点に注意)。表3はクロップツアーの州ごとの大豆収量の結果と、8月のUSDAの推計を比べたものとなる。全体的に収量が高くなっており、特にイリノイ州とサウスダコタ州はUSDAの推計を上回っている。また、アイオワ州の大豆はコーン程には暴風雨の被害を受けなかったようだ。大豆が成熟に入るにはまだ時間が必要な畑が多く、今後1週間ぐらいの間に十分な降雨があれば、収量が増加する可能性がクロップツアーのレポート内で指摘されている。

今後の見通し

プロファーマー社の実地調査により、今シーズンのコーンと大豆は、最高値ではないものの、記録的な収穫量になることは間違いないと考えられている。ただし収穫量、収量共に8月のUSDAの推計には及ばなかった。これは推計時に比べて乾燥が進んだことと、アイオワ州への暴風雨の直撃によっている。更にレポートでは今後についての予測が述べられており、コーンについてはこれ以上収量が伸びる可能性は非常に小さいが、大豆についてはここ1週間で十分な降雨がある場合に更に収量が伸びる可能性があると指摘している。大豆相場に関してはさらに大きな下落要因となる可能性がある。現在、メキシコ湾岸にハリケーンが2つ向かっているが、その内の1つLauraは北上することが予想されている(図4)。ハリケーン(図4中のHの点)は衰退して金曜日には低気圧(図4中のDの点)となり、アメリカ中西部に雨をもたらす予報と伝えられているため、今後、1週間の天候情報には注意しておきたい。

図4 熱帯暴風Laura(出展元 NOAA)
移動予想図中にSとあるのはその日の時点で熱帯暴風雨、
Hとあるのはハリケーン、
Dとあるのは低気圧であることを示している。

※このコラムで紹介している相場の動きの見方や見通しなどは執筆者の主観に基づくものであり、利益の増加や損失の減少を保証するものではありません。