穀物速報:クロッププログレスレポートと天気予報(つらつらコラム8月25日)

ダイジェスト(クロッププログレスレポートと天気予報)
クロッププログレスレポートによるアメリカの作付状況

8月24日にUSDAが発表した最新のクロッププログレスレポートに基づいて、2020/2021年シーズンの大豆とコーンの作付進捗状況について紹介する。8月23日の時点での大豆の着サヤ率と落葉率、コーンのシルキング率とドウ率、成熟率は以下の通り。なお、大豆は落葉期が終われば収穫期に入る。コーンでは粒の形成が始まるドウ期、粒の成熟が進むデント期、収穫前の成熟期の順番に進行する。

今週    前週    前年同時期 平年(5年平均)  
大豆作付率終了
大豆発芽率終了
大豆開花率終了
大豆着サヤ率92%84%76%87%
大豆落葉率4%NA2%4%
コーン作付率    終了
コーン発芽率終了
コーンシルキング率終了
コーンドウ率88%76%66%82%
コーンデント率44%23%24%39%
コーン成熟率5%NA2%5%
表1 大豆とコーンの作付率と発芽率 *NAはデータなし

大豆の農作業は順調に進展し、開花率の公開は終了、着サヤ率は平年の87%に比べて92%、今週より公開の落葉率は平年並みの4%となっている。

コーンのドウ率は平年(82%)に対して88%、デント率は平年(39%)に対して44%、今週より公開の成熟率は平年並みの5%となっている。州別のより詳細な農作業の進捗データはこちら

今期の作柄予想

表2は大豆の作柄予想で、平年(Fair)以上が92%と前週から1%悪化だった。一方で、豊作(Good)以上は69%と前週より3%悪化した。前年(55%)との比較では、豊作以上の作柄の割合は14%高い状態となっている。特にアイオワ州で嵐による被害で作柄悪化が著しく、豊作以上の作柄割合が62%だったものが、今週は56%まで悪化している。

Very PoorPoorFairGoodExcellent
3週前15215815
2週前14215717
前週25215616
今週26235514
前年31032469
表2 大豆の作柄予想(出展元 USDA)

表3はコーンの作柄予想で、全体の88%が平年並み(FairとGood、Excellent)以上と前週より作柄が2%悪化した。豊作以上(GoodとExcellent)の割合は64%と前週より5%の悪化となったが、前年の57%を依然として上回っている。特にアイオワ州で豊作以上の割合が前週の59%から50%へ悪化し、暴風雨の影響が大きかったことを示している。その他、コーンベルトの西側で雨が少なく乾燥が進んだと報じられている。

Very PoorPoorFairGoodExcellent
3週前25215517
2週前26215318
前週37215217
今週48244915
前年310304710
表3 コーンの作柄予想(出展元 USDA)
コーンベルトの天候予報

図1は直近2週間の気温予報(図1左)と最新尾の9月から11月の3か月気温予報(図1右)となる。2週間後のコーンベルトではカナダ国境沿いを中心に広い範囲で平年以下の気温となる予報となっている。一方で、今後3か月間の予報では、全国的に平年より気温が高くなる見通しが続いている。

降水量予報

図2は降水量予報で、直近2週間の予報(図2左)ではコーンベルトのおおむね全域で平年以上の降水量となるが、最も西側では平年並みとなっている。3か月間の予報(図2右)ではコーンベルトの降水量は平年並みとなる。

ハリケーン予報
図3 ハリケーンLauraの進路予報(出展元 NOAA)

図3はハリケーンLauraの進路予想で、メキシコ湾で発生した熱帯暴風雨Lauraは間もなくハリケーンとなり、木曜日にはテキサス州とルイジアナ州の境界付近に上陸する。ハリケーンそのものはコーンベルトには大きな影響はないが、ハリケーンが衰退した後の低気圧(図中白抜きのD)が北上することよりコーンベルトに雨が降ると予想されている。

土壌水分量
Very Short(欠乏)Short(不足)Adequate(十分)Surplus(過剰)
アイオワ州31(20)45(36)24(42)0(2)
イリノイ州6(3)29(20)64(72)1(5)
ネブラスカ州24(11)40(36)36(50)0(2)
ミネソタ州3(2)13(12)74(73)10(13)
48州平均18(13)33(28)46(54)3(5)
表4 表層土の水分量 ()内の数字は先週の値(出展元 USDA)
Very Short(欠乏)Short(不足)Adequate(十分)Surplus(過剰)
アイオワ州28(17)43(36)29(46)0(1)
イリノイ州3(1)21(14)75(82)1(3)
ネブラスカ州9(12)52(30)37(57)2(1)
ミネソタ州3(2)10(8)79(81)8(9)
48州平均16(11)30(27)51(58)3(4)
表5 深層土の水分量 ()内の数字は先週の値(出展元 USDA)

コーンベルトの内、コーンや大豆の生産量の多い代表的な4州の畑の土壌中水分のフィールド調査結果についてまとめた表が表4(地表)と表5(地中)となる。コーンベルト東側のイリノイ州とミネソタ州では未だ8割近くの畑に十分な水分が存在していると考えられるが、コーンベルト西側のネブラスカ州やアイオワ州では乾燥が進んでおり、十分な水分がある畑は3割から4割と先週より乾燥が進んだ。

まとめ

農作業自体は収穫に向けて順調に進展している。大豆では着サヤが92%とほぼ終了し、次の段階の4%は落葉期に入った。コーンはドウ期(粒形成期)が88%、デント期(粒固化期)の44%が終了し、成熟期に5%が入った。
コーンベルトの天気予報は、今後2週間のコーンベルトの気温は平年より低くなる見込みで、降水量は最も西側で平年並みとなる以外は平年より多い見込み。来月からの3か月予報では依然として全国的に平年より気温が高い。一方で降水量はコーンベルト全域で平年並みの予報となっている。予報の通りなら秋の長雨のような作柄に影響のある大雨はない見込み。
作柄予想は大豆畑の69%(前週比3%悪化)、同じくコーン畑の64%(前週比5%悪化)で豊作以上(Good、Excellent)の作柄予想となり、大豆、コーン共にこここへ来て作柄予想が後退している。主要産地の中でアイオワ州が暴雨風の直撃により大幅に作柄が悪化したことが要因となっている。今日の穀物相場は上窓が開いて上昇で始まっているが作柄悪化が材料となっていると思われる。
この他、メキシコ湾に2つハリケーンが接近しており、片方のLauraは上陸後し衰退した後、低気圧として週末にかけて北上し、コーンベルトに雨を降らせる予報となっている。土壌の乾燥が改善することで大豆の作柄は今週より改善すると思われるが、農作業の進展具合の差からコーンには影響はほとんどないと考えられる。


※このコラムで紹介している相場の動きの見方や見通しなどは執筆者の主観に基づくものであり、利益の増加や損失の減少を保証するものではありません。