穀物速報:クロッププログレスレポートと天気予報(つらつらコラム8月4日)

ダイジェスト(クロッププログレスレポートと天気予報)
クロッププログレスレポートによるアメリカの作付状況

8月3日にUSDAより発表された最新のクロッププログレスレポートに基づいて、2020/2021年シーズンの大豆とコーンの作付進捗状況について紹介する。8月2日の時点での大豆の開花率と着サヤ率、コーンのシルキング率とドウ率は以下の通り。なお、コーンのシルキング期は受粉、ドウ期は粒の形成が始まったことを意味しており、ドウ期が終了すると粒の成熟が進むデント期へ入る。

今週    前週    前年同時期 平年(5年平均)  
大豆作付率終了
大豆発芽率終了
大豆開花率85%76%68%82%
大豆着サヤ率59%43%32%54%
コーン作付率    終了
コーン発芽率終了
コーンシルキング率92%82%72%87%
コーンドウ率39%22%20%33%
表1 大豆とコーンの作付率と発芽率

今週の大豆の農作業は順調に進展し、開花率は平年(82 %)より進んだ85%、着サヤ率は平年(59%)に比べて54%とやや早い進捗となっている。大豆の開花の8割が終了、着サヤ率は6割弱となっている。

コーンはシルキング(受粉)率が92%に達して、平年(87%)進みほぼ終了している。ドウ率も39%と平年(33%)と比べて進んでいる。
州別のより詳細な農作業の進捗データはこちら

今期の作柄予想

表2は大豆の作柄予想で、豊作以上(Good、Excellent)の割合は73%と前週と比べて1%改善し、前年の54%を大きく上回っている。今週コーンベルトで大豆の生育に適した天候が続いたことで改善したと考えられる。

Very PoorPoorFairGoodExcellent
3週前25255414
2週前25245415
前週15225715
今週15215815
前年31033459
表2 大豆の作柄予想(出展元 USDA)

表3はコーンの作柄予想で、豊作以上(Good、Excellent)割合は72%で前週から据え置かれたが、前年の57%を大きく上回っている。今週のコーンベルトの天候の改善が作柄改善に寄与したと思われる。

Very PoorPoorFairGoodExcellent
3週前26235217
2週前26235217
前週25215517
今週25215517
前年310304710
表3 コーンの作柄予想(出展元 USDA)
コーンベルトの天候予報

図1は直近2週間の気温予報(図1左)と8月から10月の気温予報(図1右)となる。2週間後のコーンベルトは全域気温が平年以上となる予報となっていて、今後3か月の中期予報でも、コーンベルトでは全体的に平年より気温が高くなる見通しが続いている。

降水量予報

図2は降水量予報で、直近2週間の予報(図2左)ではコーンベルトの東側では平年並みから平年以上の降水量、西側では平年以上から平年以下と地域によってまちまちとなっている。3か月予報(8月から10月、図2右)ではコーンベルトのほとんどの地域では平年並みから平年以上の降水量となっている。

土壌水分量
Very Short(欠乏)Short(不足)Adequate(十分)Surplus(過剰)
アイオワ州1433512
イリノイ州196822
ネブラスカ州1225603
ミネソタ州2107513
48州平均1125577
表4 表層土の水分量(出展元 USDA)
Very Short(欠乏)Short(不足)Adequate(十分)Surplus(過剰)
アイオワ州1031572
イリノイ州187912
ネブラスカ州1026622
ミネソタ州278011
48州平均1025596
表5 深層土の水分量(出展元 USDA)

コーンベルトの内、コーンや大豆の生産量の多い代表的な4州の畑の土壌中水分のUSDAによるフィールド調査結果についてまとめた表が表4と表5となる。表4は地表の、表5は土中の水分量を示しているが、コーンベルト東側のイリノイ州とミネソタ州では9割近くの畑に十分な水分が存在している。コーンベルト西側のネブラスカ州やアイオワ州でも今後2週間の天気予報で平年並みの雨が期待されていることから今後も順調に生育が進むと思われる。

まとめ

農作物に適した天気が、コーンベルトでは農作物の生育を促進している。大豆では開花の8割、着サヤの6割が終了。コーンはシルキング期(受粉期)が9割以上終わり、ドウ期(粒形成期)も40%終了した。
今後の天気予報によれば、今後2週間の気温はコーンベルト全域で平年より高くなる、降水量は場所によって平年以下から平年以上とまちまちとなっているが、コーンベルトでは西側の一部を除いて概ね平年以上の雨が降る見込み。来月以降の3か月予報ではコーンベルト各地で平年並みの降水がある予報となっている。このままの天候が続けば大豊作が予想される。
作柄予想は大豆畑の73%、同じくコーン畑の72%で豊作以上(Good、Excellent)の作柄予想となり、大豆は1%改善、コーンは据え置きとなった。今日も先週のレポート発表後と同様、豊作懸念が高まりから下窓が開いた相場となった。大豆については中国からの大量購入期待が買い材料となっている。コーンについても同様となるためUSDAが発表する成約高情報に注意したい。
大豆の開花期とコーンのシルキング期は8割以上終了しており、雨の多く必要な時期は過ぎつつあるが、今後の天気予報(雨)には注意したい。


※このコラムで紹介している相場の動きの見方や見通しなどは執筆者の主観に基づくものであり、利益の増加や損失の減少を保証するものではありません。