エネルギー速報:OPECの7月の生産量(つらつらコラム8月5日)

ダイジェスト

OPECプラスによる協調減産

OPECプラスはOPECを構成する13国の内ベネズエラ、イラン、リビアを除く10か国(サウジアラビア、アラブ首長国連邦、クウェート、イラク、ナイジェリア、アルジェリア、アンゴラ、ガボン、赤道ギニア、コンゴ共和国)とロシアを始めとする非OPEC産油国の枠組みで協調減産を行っている。3月にそれまでの協調減産の枠組みは一度崩壊したが、新型コロナウイルスの感染拡大による需要減への対応の必要性から枠組みが作り直されて4月からはノルウェー、カナダ、米国などOPECプラスの枠組みにも入らない産油国も加えて、原油価格維持のために協調して減産を行っている。

7月のOPECの産油量実績

7月のOPECプラスの協調減産量は1日当たり960万バレルで、内OPEC担当分は608.4万バレルとなっている。7月のOPEC全体の産油量は日量2332万バレルで過去最低の産油量だった6月と比較して97万バレル(内サウジアラビアが85万バレル)増加した。減産量は574.3万バレルで達成率は94%となった。産油量の増加は6月まで行われていた、サウジアラビア、クウェート、アラブ首長国連邦による118万バレルの自主減産が終了したことが主な要因となっている。

減産違反

協調減産を行っている国の内、いくつかの国が減産目標を遵守していないことは知られており、7月以降数か月に渡って減産割当を増やす約束がされており、減産の努力が行われている。実際7月のイラクとナイジェリアの輸出量は激減しているものの、OPEC全体の生産量を考えると、割当以上には減産していないと考えられる。

リビア、イラン、ベネズエラ

リビアは現在内戦が続いており、輸出量は1日13万バレルと最盛期の10分1以下の輸出量となっている。イランとベネズエラはアメリカの制裁下にあり、輸出量はイランが5万バレル、ベネズエラが30万バレルと低い水準にとどまっており、無視して構わない量となっている。

今後の見通し

7月の減産はほぼ合意通りの量減が行われた。8月からは970万バレルから770万バレルへ200万バレル減産幅が縮小し、原油の生産量が増加する見通しだが、実際には6月までは100万バレル以上の自主減産が加えて行われていたたため、実は6月に比べれば300万バレル以上の原油が8月から追加で出荷されることになる。また、アメリカでは原油価格の高止まりからシェールオイルの増産が行われている。一方で需要に関するIEAによる最新(先月)の推計では今年の原油需要は1日当たり790万バレルと予想されており、8月の減産量から単純に考えるとIEAの予想通りなら需給は釣り合う。ただし、現在新型コロナウイルスの感染拡大が再度広がる中で、再度のロックダウンが行われる国も出てきており、今後の原油需要の下押し圧力になることは間違いない。これ以上需要が減少すれば、現状の減産量では1バレル当たり40ドルという現在の価格は維持できないのではないだろうか。


※このコラムで紹介している相場の動きの見方や見通しなどは執筆者の主観に基づくものであり、利益の増加や損失の減少を保証するものではありません。