穀物速報:クロッププログレスレポートと天気予報(つらつらコラム9月15日)

ダイジェスト(クロッププログレスレポートと天気予報)
クロッププログレスレポートによるアメリカの作付状況

9月14日にUSDAが発表した最新のクロッププログレスレポートに基づいて、2020/2021年シーズンの大豆とコーンの作付進捗状況について紹介する。9月13日の時点での大豆の落葉率、コーンのデント率と成熟率、収穫率は以下の通り。なお、大豆は落葉期が終われば収穫期に入る。コーンは粒の成熟が進むデント期、収穫前の成熟期、収穫期の順番に進行する。

今週    前週    前年同時期 平年(5年平均)  
大豆作付率終了
大豆発芽率終了
大豆開花率終了
大豆着サヤ率終了
大豆落葉率37%20%13%31%
コーン作付率    終了
コーン発芽率終了
コーンシルキング率終了
コーンドウ率終了
コーンデント率89%79%64%82%
コーン成熟率41%25%16%32%
コーン収穫率5%NA3%5%
表1 大豆とコーンの作付率と発芽率 *NAはデータなし

大豆の農作業は順調に進展し、落葉率は平年の31%を上回る37%となっている。

コーンのドウ率の公開は終了、デント率は平年(82%)に対して89%、成熟率は平年の32%に対して41%となっている。また、収穫が始まり、収穫率は平年並みの5%となっている。州別のより詳細な農作業の進捗データはこちら

今期の作柄予想

表2は大豆の作柄予想で、平年(Fair)以上が89%と前週から1%悪化だった。豊作(Good)以上の割合は63%と前週より2%悪化している。前年(54%)との比較では、豊作以上の作柄の割合はいまだ9%高い状態となっている。8月上旬に暴風の被害を受けたアイオワ州の作柄は豊作以上の作柄割合が47%と他の州より10%以上悪い状態となっている。

Very PoorPoorFairGoodExcellent
3週前26235514
2週前37245313
前週37255213
今週38265013
前年41032459
表2 大豆の作柄予想(出展元 USDA)

表3はコーンの作柄予想で、全体の85%が平年並み(FairとGood、Excellent)以上と前週より作柄は据え置きとなった。豊作以上(GoodとExcellent)の割合は60%と前週より1%の悪化となった。それでも前年の55%を上回っている。暴雨雨の被害を受けたアイオワ州で豊作以上の割合が前週の42%と他の州より悪くなっている。

Very PoorPoorFairGoodExcellent
3週前48244915
2週前59244814
前週510254615
今週510254614
前年410314411
表3 コーンの作柄予想(出展元 USDA)
コーンベルトの天候予報

図1は直近2週間の気温予報(図1左)と最新の1か月気温予報(図1右)となる。2週間後のコーンベルトでは東部で平年以下、西部で平年以上の気温となる予報となっている。一方で、今後1か月間の予報では、全国的に平年より気温が低くなる見通し。

降水量予報

図2は降水量予報で、直近2週間の予報(図2左)ではコーンベルトのおおむね全域で平年以下の降水量となり、今後1か月間の予報(図2右)でも、ほとんどの地域で降水量は平年以下となる。

土壌水分量
Very Short(欠乏)Short(不足)Adequate(十分)Surplus(過剰)
アイオワ州12(38)21(42)59(20)8(0)
イリノイ州4(13)26(44)63(43)7(0)
ネブラスカ州14(34)31(39)49(26)6(1)
ミネソタ州2(3)8(10)80(77)10(10)
48州平均13(19)32(25)56(45)4(6)
表4 表層土の水分量 ()内の数字は先週の値(出展元 USDA)
Very Short(欠乏)Short(不足)Adequate(十分)Surplus(過剰)
アイオワ州20(38)31(41)46(21)3(0)
イリノイ州5(10)25(37)64(53)6(0)
ネブラスカ州20(30)33(37)43(32)4(1)
ミネソタ州3(3)10(11)78(77)9(9)
48州平均14(17)26(31)55(48)5(4)
表5 深層土の水分量 ()内の数字は先週の値(出展元 USDA)

コーンベルトの内、コーンや大豆の生産量の多い代表的な4州の畑の土壌中水分についてフィールド調査結果をまとめたものが表4(地表)と表5(地中)となる。乾燥していたコーンベルト西側ではネブラスカ州・アイオワ州では4割程度の畑で水分が不足していると考えられるが、状況は先週より改善している。東側(イリノイ州、ミネソタ州)でも状況は良くなり十分な水分が7割以上の畑に存在していると考えられる。

まとめ

大豆とコーンの農作業は収穫に向けて順調に進展している。大豆では落葉期が進み37%の畑で終了した。コーンはドウ期(粒形成期)が終了、デント期(粒固化期)の89%が終了し、成熟期に41%、収穫期に5%の畑が入った。
今後のコーンベルトの天気予報は、2週間先までは気温が東側で平年以下、西側で平年以上となる見込みで、降水量はほぼ全域で平年以下の見込み。1か月予報では、コーンベルトの中心部で平年より気温が低くなる。一方で降水量はコーンベルト全域で平年以下の予報となっている。予報の通りなら長雨はないようだが、コーンベルト外のコロラド州などでは先週寒波が観測されており、気温低下による霜に注意が必要となってきた。
作柄予想は大豆畑の63%(前週比2%悪化)、同じくコーン畑の60%(前週比1%悪化)で豊作以上(Good、Excellent)の作柄予想となっている。大豆、コーン共に作柄予想が悪化している。主要産地の中でアイオワ州では8月の暴風の被害で他州より作柄が悪化、他の州では乾燥が進んだことが要因となっていると報じられている。とはいっても、特にコーンでは過去最大の豊作となる予想が続いている。その中で、穀物相場は順調な輸出成約に支えられて、大豆・コーン共に堅調となっており、大豆は2018年6月以来の1000セント台を回復している。今後も中国からの買い付けが続く限りは上昇が続きそうだ。


※このコラムで紹介している相場の動きの見方や見通しなどは執筆者の主観に基づくものであり、利益の増加や損失の減少を保証するものではありません。