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コラム
column

2020/09/21

穀物速報:9月のバッタ被害の現状(つらつらコラム9月21日)

ダイジェスト
  • サバクトビバッタは次の世代の孵化まで10月までの時間が必要
    • 東アフリカでは収束の兆しも
    • 紅海沿岸での繁殖が懸念されている
  • 中国南部では大洪水に加えて、バッタによる食害が深刻
    • 駆除は進められているが、断続的な侵入があり更に被害が拡大する可能性
  • 南米のバッタについては続報は今のところなし

最新のバッタの情報と各地の見通し

世界各地でバッタの群れによる被害が出ている。今日は最新の各地の状況と今後の簡単な見通しについて確認しておきたい。

南アジア・東アフリカのサバクトビバッタ
The gregarious desert locust is the world's most devastating migratory pest (Credit: Getty Images)
図1 サバクトビバッタ (出展元 BBC)

現在、春に孵化したサバクトビバッタ(図1)はほぼ産卵を終了して、図2が示す通り東アフリカやイエメン、エチオピアに残る一部の群れ以外は消滅している。夏前に産卵された卵の孵化が始まり10月には次の繁殖に移ると予測されているが、東アフリカ南部にあるケニアの天気予報では繁殖に適さない短い雨となる予報が出ており、状況の収束の兆しとなるかどうかが注目されている。エチオピアでは未成熟な成虫の群れが形成されつつある一方で、ソマリアの北側では防除作戦が順調に進んでいるが、南側では成虫の数が増えていると報告されている。
イエメンやエリトリア、サウジアラビアなどの紅海沿岸部や、先月から大雨が降ったスーダンでは秋の繁殖が始まりつつあり、今後バッタの数が大幅に増殖する可能性が高まっている。
一方、南アジアでは状況が改善しているが、広範囲で卵の孵化と群れの形成が始まっており、次の繁殖の兆候を捉えるために調査が行われている。
スーダンより西側のサヘル地帯では穏やかな状況が続いており、群生相のイナゴの発生は未だ予測されていない。

http://www.fao.org/ag/locusts/common/ecg/75/en/200918DLupdate.jpg
図2 サバクトビバッタの状況 (出展元 FAO)

現在までに被害を受けたアラビア半島から東アフリカにかけては、85億ドルと推計される農地の被害により2500万に及ぶ人々が飢餓に陥る可能性が指摘されている。今後被害が拡大するかどうかは天候に掛かっている。

中国のバッタとイナゴ
China is battling one of the worst locust infestations in decades, raising fears of further damage to food production. Photo: Weibo
図3 バッタ(キイロカクタケバッタ)被害を受ける農作物(出展元 Weibo)

公式には中国南部でのバッタの被害(図3)は既に現地政府のコントロール下にあるとされているが、統計によると8月17日の時点で、中国南西部のバッタの被害を受けた地域は、7月の倍の106平方キロメートルに達するなど被害発生している。現地では駆除は進み8月28日の時点で雲南省の現地政府の公式発表ではバッタは姿を消したと報告されている。一方で県レベルでは8月30日にも被害が報告されており、駆除作業が行われている。断続的に侵入するバッタを防ぐのは困難なようだ。現地ではバッタ以外にも大雨による洪水が大きな被害を与えており、バッタによる被害によりコーンや米が食べつくされているとも言われ、農作物の被害は甚大なようだ。


※このコラムで紹介している相場の動きの見方や見通しなどは執筆者の主観に基づくものであり、利益の増加や損失の減少を保証するものではありません。

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