穀物速報:クロッププログレスレポートと天気予報(つらつらコラム9月29日)

ダイジェスト(クロッププログレスレポートと天気予報)
クロッププログレスレポートによる大豆・コーンの農作業進展状況

9月28日にUSDAから発表された最新のクロッププログレスレポートより2020/2021年シーズンの大豆とコーンの農作業の進捗状況について紹介する。9月27日の時点での大豆の落葉率と収穫率、コーンの成熟率、収穫率は以下の通り。大豆・コーン共に収穫が始まっている。

今週    前週    前年同時期 平年(5年平均)  
大豆作付率終了
大豆発芽率終了
大豆開花率終了
大豆着サヤ率終了
大豆落葉率74%59%49%69%
大豆収穫率20%6%6%15%
コーン作付率    終了
コーン発芽率終了
コーンシルキング率終了
コーンドウ率終了
コーンデント率終了
コーン成熟率75%59%39%65%
コーン収穫率15%8%10%16%
表1 大豆とコーンの作付率と発芽率

大豆の農作業は順調に進展しており、落葉率は平年の69%を上回る75%となっている。大豆の収穫が進展し、収穫率は20%と平年の15%を上回った。
コーンのデント率は公開が終了した。成熟率は平年の65%に対して75%となっている。収穫率は15%と平年の16%並みとなっている。州別のより詳細な農作業の進捗データはこちら

今期の作柄予想

表2は大豆の作柄予想で、平年(Fair)以上の割合はが90%と前週から据え置かれた。豊作(Good)以上の割合は1%改善した64%となり、大豊作(Excellent)の割合が13%と1%改善した。前年(54%)との比較では、豊作以上の作柄の割合は今週も引き続き9%高い64%となっている。

Very PoorPoorFairGoodExcellent
3週前37255213
2週前38265013
前週37275112
今週37265113
前年31032469
表2 大豆の作柄予想(出展元 USDA)

表3はコーンの作柄予想で、全体の86%が平年並み(FairとGood、Excellent)以上と前週より据え置き、豊作以上(GoodとExcellent)の割合も61%で、前週より据え置かれた。前年の57%という作柄を上回っている。

Very PoorPoorFairGoodExcellent
3週前510254615
2週前510254614
前週59254714
今週59254714
前年410294611
表3 コーンの作柄予想(出展元 USDA)
コーンベルトの天候予報

図1は直近2週間の気温予報(図1左)と最新の1か月気温予報(図1右)となる。2週間後のコーンベルトでは西側では平年以上の気温、東側では平年並みから平年以下の気温となる予報となった。今後1か月間の予報では、全国的に平年より気温が高くなる見通し。

降水量予報

図2は降水量予報で、直近2週間の予報(図2左)では、コーンベルトの大半の地域で平年以下の降水量となっている。今後1か月間の予報(図2右)でも、北側の一部地域を除き降水量は平年以下となる。雨が少ない見込みで農作業が進展すると考えられる。

土壌水分量
Very Short(欠乏)Short(不足)Adequate(十分)Surplus(過剰)
アイオワ州15(12)31(29)53(56)1(3)
イリノイ州11(9)25(27)62(61)2(3)
ネブラスカ州20(16)40(36)39(47)1(1)
ミネソタ州3(3)12(8)79(83)6(6)
48州平均16(14)29(28)51(54)4(4)
表4 表層土の水分量 ()内の数字は先週の値(出展元 USDA)
Very Short(欠乏)Short(不足)Adequate(十分)Surplus(過剰)
アイオワ州21(21)34(32)44(46)1(1)
イリノイ州9(8)27(27)62(63)2(2)
ネブラスカ州23(21)35(35)41(43)1(1)
ミネソタ州3(4)10(9)80(80)7(7)
48州平均16(15)28(28)52(53)4(4)
表5 深層土の水分量 ()内の数字は先週の値(出展元 USDA)

コーンベルトの内、コーンや大豆の生産量の多い代表的な4州の畑の土壌中水分の調査結果をまとめたものが表4(地表)と表5(地中)となる。前週と比べてコーンベルト全域で雨が少なかったため乾燥がやや進んだ。ただし、コーン・大豆ともに既に成熟期あるいは収穫期に入っており、大きくは作柄には大きく影響しない見込み。

まとめ

大豆とコーンの農作業は順調に進んでいる。大豆では落葉が進み74%と全体の4分の3以上の畑で終了し、20%の畑では収穫が終了した。コーンは成熟期に75%の畑が入り、15%の畑で収穫が終了した。
今後のコーンベルトの天気予報は、2週間先まで気温が平年並みか平年以上に上昇る見込みで、降水量はほぼ全域で平年以下の見込みとなっている。1か月予報でも、コーンベルトでは気温が平年より高くなる見込みで、降水量もコーンベルトのほぼ全域で平年以下の予報となっている。好天に恵まれて農作業の進展が期待される他、気温も平年より上昇することから、収穫の大きな障害となる早霜もないと考えられる。
作柄予想は大豆畑の64%(前週比1%改善)、コーン畑の61%(前週から据え置き)で豊作以上(Good、Excellent)の作柄予想となっている。大豆畑では大豊作(Excellenrt)の割合が1%改善している。
穀物相場は大きな降水被害を受けた中国向けの順調な輸出成約が支援材料となり、大豆・コーン共に堅調となると考えられる。ただし、収穫の進展から、ハーベストプレッシャー(生産者による換金売り)への懸念が高まっている。報道によれば、大豆農家が手放す方向で検討している一方で、コーン農家の方は在庫を抱える方向と見込まれている。今後、大豆については大きな売り注文による値下がりが予想される。加えて、新型コロナウイルスの感染再拡大でリスク回避のドル高が前週は進み、週の後半の穀物相場は売りが先行した。昨日、ドル高は一服し穀物相場の下げは一服したものの、欧州での感染がこれまで以上に広がったり、アメリカ政府の検討している追加経済支援策が政治対立によりとん挫すれば、再度強いドル高で換金売りが出る可能性があるのでヘッドラインには注意したい。


※このコラムで紹介している相場の動きの見方や見通しなどは執筆者の主観に基づくものであり、利益の増加や損失の減少を保証するものではありません。