天然ガスの見通し(つらつら分析2019年11月28日)

図1 天然ガス時間足(出展元 サクソバンク証券

天然ガス相場(図1)は先週の金曜日は値上がりで終了したが、今週に入ると翌週以降、西部や山岳部で気温が平年よりも下がるものの、おおむね平年より上昇する見通しとなり、週の前半から下落基調となった。火曜日には一時2.500ドルを割り込んだ。昨日の天然ガスは26時00分にEIA(アメリカエネルギー省情報局)が発表した天然ガス在庫が-28Bcfの減少となり各社の-26から-89Bcfの予想の範囲に収まったが、発表直後にやや下落した。その後、おそらく天気予報と思われるが、明け方前に大きく下落して2.484ドルで引けた。

Working Gas in Underground Storage Compared with Five-Year Range
図2 天然ガス在庫推移(出展元 EIA)

今週のEIAの天然ガス週間報告は感謝祭のためお休みで需要と供給については発表されていないので、代わりに日々のガスの消費量を示したグラフを乗せておく。

図3A 48州平均気温推移(出展元 EIA)

図3Aは48州の平均気温の2週間分の推移となっている。図3AからCでは左半分の15日から21日が今週のレポートに含まれる期間となる。21日以降は実測値もあるが予報値が図に含まれている点に注意。

図3B 発電用天然ガス需要推移(出展元 EIA)

図3Bは図3Aと同じ時間軸で発電用需要の推移を示している。図3Aに見えるように、15日までは冷え込みが強く発電量需要も高かったが、16日以降の気温の上昇につれて消費は緩やかに減少してほぼ横ばいとなっている。

図3C 住宅用+商業用天然ガス需要推移(出展元EIA)

次の図3Cは住宅用+商業用需要だが、こちらも図3Aと同じ時間軸となっていて発電用と同様に需要減少傾向といって良い。これら需要の減少によって先週に比べて在庫が増加したといえるだろう。

図4 地域別平均気温と平年からのずれ(出展元 EIA)

参考値(10℉=-12.2℃、20℉=-6.7℃、30℉=-1.1℃、40℉=4.4℃、50℉=10℃、60℉=15.6℃、70℉=21.1℃、80℉=26.7℃、90℉=32.2℃、100℉=37.8℃)

図4は地域別の平均気温と平年からのずれを示したものだが、20日までに太平洋岸と山岳部を除けば寒さが早く和らいだ。11月22日までの過去3週間の地域別の在庫の増減は下の表の通りとなっており、他の地域では消費量が減少し、在庫の減り方が小さくなった。11月22日以降は東部や中西部を中心に冷え込みが強まったため、来週の統計では今週に比べて在庫の取り崩しが発生するのではないか。ここで、今日28日の天気を乗せておくと、天気図(図5左)と最高気温(図5右)で示すように今日もアメリカのほとんどの地域で冷え込みが強く、広い範囲で雪やみぞれとなっている。

地域      11/15在庫(Bcf)前週との差 (Bcf)11/15在庫(Bcf)前週との差(Bcf)11/8在庫 (Bcf)
東部894-15909-23932
中西部1052-171069-371106
山岳地帯204-1205-2207
太平洋岸29312922290
南部116621164-331197
 海岸部3034299-14313
 内陸部863-1864-20884
全体3610-283638-943732

翌週以降の気温予報にも触れておこう。図6Aは6日後から10日後までの平均気温の予報をつなげたGIF画像で、西海岸の気温が下がった後、南部から暖かくなり、東部では気温が低下する予報。図6Bは8日後から14日後までの平均気温の予報のGIF画像で、西海岸の気温が週内に下がるが南から暖かくなり、再来週には全国的に気温が上がって穏やかな天候が到来する見込みとなっている。

図6A 6-10日後(11/27-12/7)気温予報(出展元 NOAA)
図6B 8-14日後(11/29-12/11)気温予報(出展元 NOAA)

最後に天然ガス相場の今後の見通しについて書いておく。来週12月初旬の天気予報は従来は西部は冷え込み南部は暖かな気候となる予報であったが、最新の週間予報では全国的に平年より気温が上がり、穏やかな気候が広がる見込みで、暖房用需要の低下が見込まれ、相場は下落すると予想する。一方で、来週の在庫はここ数日間のの寒気で荒れている状況が反映されるため、今週よりは在庫の減少が見込まれる。


※このコラムで紹介している相場の動きの見方や見通しなどは執筆者の主観に基づくものであり、利益の増加や損失の減少を保証するものではありません。