穀物について、USDAクロッププログレスレポート(つらつら分析2019年12月10日)

図1 大豆時間足(出展元 サクソバンク証券株式会社
図2 コーン時間足(出展元 サクソバンク証券株式会社

昨日の大豆相場(図1)は中国が米国産大豆を購入しているとの報道から米中間の通商協議への楽観的な見通しが広まったことで上昇した。この日発表のUSDAの大豆の輸出検証高は132.7万トン(中国向け83.0万トン)と前週の154.7万トン(中国向け109.0万トン)を下回り、引けにかけて軟調となった。
コーン相場(図2)はコーンの輸出検証高が48.1万トンと前週の43.8万トンを上回ったことで買われたが、材料としては弱く小幅な値動きとなった。
今年の収穫の遅れのため延長版となっていた今年のクロッププログレスレポートは今週で終了する。次回は2020年4月6日の予定。

それでは、今週のUSDA(アメリカ農務省) クロッププログレスレポートとCFTC(アメリカ商品先物取引委員会)発表の大豆とコーンの建玉数の中身を見ていきたい。なお、大豆のクロッププログレスレポートは終了しているため、大豆は文末でのCTFC発表の最近5週間の建玉数を確認だけとなる。

コーンのプログレスレポートは以下の表の通り。コーンの収穫が進みようやく9割以上の収穫が終了した。

コーン    今週    前週    前年    平年    
収穫率92%89%100%100%

コーンの収穫は92%まで終了。収穫の遅れている北部3州(サウス・ダコタ、ウィスコンシン、ミシガン)で7-8割ほど収穫が進展しているがノース・ダコタでは5割程度となっている。

州名       今週収穫率(%)    前週収穫率(%)    平年収穫率(%)    
コロラド9998100
イリノイ9693100
インディアナ969399
アイオワ9592100
カンザス1009999
ケンタッキー100100100
ミシガン746696
ミネソタ9391100
ミズーリ9895100
ネブラスカ9896(NA)
ノースカロライナ100100100
ノースダコタ4336(NA)
オハイオ939099
ペンシルベニア918688
サウスダコタ8380(NA)
テネシー100100100
テキサス10010099
ウィスコンシン746695
平均9289100

図5は今日のアメリカの天気予報(図5A)と最高気温(図5B)でコーンベルトは東部の広い範囲でみぞれ、北部では雪となっている。気温は低下しておりコーンベルト西部から北部にかけて氷点下まで冷え込んでいる。図6は6-10日後(図6A)と8-14日後(図6B)の気温予報で、今週の後半から来週にかけては気温がは平年並みか平年以上となる見込み。

今年のシーズンはほぼ終了。コーンについてはなお収穫終了まで時間が必要だがプログレスレポートは今週で終了する。今週の大豆相場は15日に期限の迫ったアメリカの対中関税の発動期限関連ニュースに左右されることが予想される。中国が米国産大豆を大量に購入したとの報はあるが、今後も継続しての輸出検証高や輸出成約高の増加として確認されるまでは、継続的な買い材料としては弱いと考えられる。コーン相場はコーンの輸出が低調な状態が続いているに加えて、バイオエタノール向けに関しても特にニュースはないため、自律的な反発材料には乏しく、価格の低迷がしばらく続くと思われる。


次に、USDAの提供する南米の産地の天候の12月3日現在の報告について見ておきたい。まずは図5に示すアルゼンチンでは乾燥していた西部で10-50mmの雨が降り、当地の冬作物とこれから成長する大豆やコーンと言った夏作物に対して有益な雨となっている。ただし南部では雨が少なく乾燥が続いている。アルゼンチン政府の発表によると先月28日の時点でコーンの51%と大豆の46%の作付けが終了。

図5 アルゼンチン降水量分布(出展元 NOAA)

図6はブラジルで、大豆・コーン産地(マトグロッソ、ゴイアス、マトグロッソドスル、パラナ、リオグランデドスル)で25-100mmの雨となった。作付けはやや遅れているものの、コーンの作付けは86%、大豆の作付けは72%終了している。ブラジルの産地では十分な降雨があり気温が上昇している。

図6 ブラジル降水量分布(出展元 NOAA)

最後にCTFC発表の建玉数について確認しよう。図3は先週までの2019年の大豆建玉数、建玉の前週比、買越し数となっている。大口投機家(ファンド)は買玉を約4000枚、売玉を約44000枚増やし大幅に売越したため、全体では買越しから売越しに転じた。

    総建玉   大口投機家
買玉  
大口投機家
売玉  
差引    大口当業者
買玉  
大口当業者
売玉  
差引    
11/5704,165178,31683,38391,933329,221415,848-86,627
11/12743,089166,94898,61468,334366,448427,398-60,950
11/19765,303162,418102,50459,914380,687435,970-55,283
11/26807,569154,434140,56713,867406,306418,523-12,217
12/3850,064158,470184,61326,143438,522410,25928263

CFTC発表のコーンの最近5週間の建玉数は以下の通り。

    総建玉   大口投機家
買玉  
大口投機家
売玉  
差引    大口当業者
買玉  
大口当業者
売玉  
差引    
11/51,609,336300,831326,818-25,987740,234794,251-54,017
11/121,610,507304,283336,269-31,986716,483766,035-49,552
11/191,641,549319,265345,759-26,494731,533786,689-55,156
11/261,505,976273,598311,060-37,462679,475729,995-50,520
12/31,449,806292,989294,925-1,936609,673695,918-86,245

図4は先週までの2019年のコーン建玉数、建玉前週比、買越し数となっている。投機筋(ファンド)は買玉を約19000枚、売玉を約16000枚増やした。全体としては売越しだが、ほぼ売玉数と買玉数が均衡している。


※このコラムで紹介している相場の動きの見方や見通しなどは執筆者の主観に基づくものであり、利益の増加や損失の減少を保証するものではありません。