天然ガスの見通し(つらつら分析2019年12月30日)

図1 天然ガス時間足チャート (出展元 サクソバンク証券
先週の相場の振り返り

先週12月27日金曜日の24時30分にEIA(アメリカエネルギー省情報局)が発表した天然ガス在庫は各社の在庫予想(90から148Bcf減)に対して161Bcf減と予想を上回った。発表された直後には買いが入って上昇したが、日本時間25時頃には売りが入って2.170ドル付近まで下落した(図1矢印)。引けにかけては2.236ドルまで買い戻されて引けている(図1)。

天然ガス在庫報告

それでは、今週のEIAの天然ガス在庫報告の中身を見ていこう。なお、需要や供給の詳細についての週間報告の次回公開は2020年1月9日となっている。

図2 天然ガス在庫推移(出展元 EIA)
*Lower48はアメリカ50州の内アラスカ・ハワイを除く48州のことを指す。

図2はアメリカ48州の天然ガス在庫の2017年後半からの推移を見たもので、在庫水準(青線)は5年間平均の中央値(黒灰線)付近となっている。その内訳として12月20日までの過去3週間の地域別の在庫の増減をまとめた表が以下の通りとなる。今週はすべての地域で在庫が減少した。

地域別在庫増減表    12/20在庫(Bcf)前週との差(Bcf)12/13在庫(Bcf)前週との差(Bcf)12/6在庫(Bcf)
東部796-42838-29867
中西部923-50973-401013
山岳地帯177-9186-7193
太平洋岸260-13273-3276
南部1094-481142-261168
 海岸部309-10319-2321
 内陸部786-37823-24847
全体3250-1613411-1073518
需要と気温との相関について
図3 平均気温と平年からのずれ(出展元 EIA)
*Lower48はアメリカ50州の内アラスカ・ハワイを除く48州のことを指す。

次に気温との関係を見てみる。図3は地域別の平均気温と平年からのずれで、12月17日頃まで平年より暖かい日が続いていたが、18日から23日にかけて冷え込みが見られた。以下の2枚の図はそれぞれ発電需要(図4A)と住宅・商業用需要(図4B)の日ごとの変化を見たもので以下のような傾向がみられる。

図4A 発電用需要(出展元 EIA)
図4B 住宅・商業用需要(出展元 EIA)
輸出需要

図5は輸出用需要の変化を見たもので、2019年の輸出は10Bcf/日に達しており、2018年(約5Bcf/日)や2018年までの5年平均(約-3Bcf/日)を大きく上回っている。

図5 天然ガス輸出需要(出展元 EIA)

まとめると、今週はアメリカの全ての地域で在庫が減少している。統計に集計される12月20日までは発電用需要が高かった他、冷え込みにより住宅・商業用需要が伸びたことにより在庫が減少したと考えられる。また輸出は好調で毎日10Bcf程の輸出となっている。

来週以降の気温予報

次に、来週以降の暖房用需要を考えるため天気予報を見ておこう。下側の図6Aは6から10日後までの今後の平均気温の予報のGIF画像となる。12月の後半から寒さが南部のメキシコ国境や太平洋岸側から強まる予報となっている。図6Bは8-14日後の気温予報でも、寒さがひろがり1月12日頃にはアメリカ全体で平年並みから平年以下の気温となる予報となっている。暖房用需要が高まることが予想できる。

図6A 6-10日後(12/29-2020/1/8)気温予報(出展元 NOAA)
図6B 8-14日後(2019/12/31-2020/1/12)気温予報(出展元 NOAA)
まとめ

最後に今後の見通しについて述べておきたい。最新の6-10日後予報では南部から気温が下がる見通しとなっている。8-14日後予報では太平洋岸やカナダ国境側からも寒さが広がって1月10日前後にはアメリカ全土が平年並みから平年より強い寒さが広がる予報となる。筆者は今週以降の天然ガス相場は暖房用需要の高まりにより上昇すると予想する。今回、東部まで寒さが広がっているため、2.500ドルを超えるような本格的な価格の上昇となると考えている。


※このコラムで紹介している相場の動きの見方や見通しなどは執筆者の主観に基づくものであり、利益の増加や損失の減少を保証するものではありません。