2月の需給報告と今後の見通し(つらつら分析2020年2月12日)

 

図1 大豆時間足チャート (出展元 サクソバンク証券
図2 コーン時間足チャート (出展元 サクソバンク証券
総評

昨日2月11日(日本時間12日26時)にUSDAから2月の穀物の需給報告が発表された。大豆とコーンともに供給側は据え置かれた。需要側では2019/2020年シーズンの大豆の期末在庫は減少見通しとなったがコーンは前月の報告から据え置きとなった。昨日の相場は新型コロナウイルスの感染拡大による需要減見通しが上値を重くする展開だったが、需給報告の発表直後には大豆は在庫の減少から上昇する展開となったものの高値での利益確定売りが出たことで下落した(図1)。一方のコーンは輸出見通しの引き下げを材料に下落した(図2)。その後、双方とも下落から買い戻される展開となって取引を終えている。

アメリカ-大豆-

表1は大豆の2019/2020年シーズンの需給見通しとなる。

表1 2019/2020年シーズンの大豆の需給見通し

2019/2020シーズン           今月     前月     市場事前予想
作付け面積(万エーカー)76107610
収穫面積(万エーカー)75007500
単収(ブッシェル/エーカー)47.447.4
期初在庫(億ブッシェル)9.099.09
生産量(億ブッシェル)35.5835.58
輸入(億ブッシェル)0.150.15
供給合計(億ブッシェル)44.8244.82
消費合計(億ブッシェル)40.5840.58
 内輸出(億ブッシェル)18.2517.75
期末在庫(億ブッシェル)4.254.754.43
在庫率10.5%11.9%
平均価格(セント/ブッシェル)875900

今月の報告では供給側の項目は全て据え置かれた。輸出量が0.5億ブッシェル引き上げられたことから、期末在庫4.25億ブッシェルと市場予想の4.43億ブッシェルを下回った。

アメリカ-コーン-

表2はコーンの2019/2020年シーズンの需給見通しとなる。

表2 2019/2020年シーズンのコーンの需給見通し

2019/2020シーズン           今月     前月     市場事前予想
作付け面積(万エーカー)89708970
収穫面積(万エーカー)81508150
単収(ブッシェル/エーカー)168.0168.0
期初在庫(億ブッシェル)22.2122.21
生産量(億ブッシェル)136.92136.92
輸入(億ブッシェル)0.050.05
供給合計(億ブッシェル)159.62159.62
消費合計(億ブッシェル)140.70140.20
 内輸出(億ブッシェル)17.2517.75
 内エタノール用(億ブッシェル)54.2553.75
 内飼料用55.2555.25
期末在庫(億ブッシェル)18.9218.9218.64
在庫率13.7%13.7%
平均価格(セント/ブッシェル)385385
世界需給-大豆-

次に世界各国の需給について見ていこう。大豆の主要産地と消費量、主要需要地についてまとめたものが下表となる。1月に比べて世界の生産量見込みは約170万トン増加し、輸出量が約230万トン(内アメリカ130万トン)増加する。一方で世界需要は約200万トンほど伸びるため期末在庫が約100万トン減少する見込み。南半球ではブラジルが収穫に入っているが、ブラジルの生産量は約200万トン引き上げられ、アルゼンチンは据え置かれた。また、中国の需要が1月から約300万トン引き上げられた。

表3 2019/2020年シーズンの大豆の世界需給見通し

          期初在庫(100万重量トン)生産量(100万重量トン)輸入量(100万重量トン)国内消費飼料(100万重量トン) 国内消費全体(100万重量トン)輸出量(100万重量トン)期末在庫(100万重量トン)
世界1月110.28337.70147.95303.58350.11149.1596.67
2月111.22339.40150.80304.33351.06151.5098.86
アメリカ1月24.7496.840.4157.2960.7748.3112.92
2月24.7496.840.4157.2960.7749.6711.55
アメリカ以外1月85.54240.86147.54246.29289.35100.8483.76
2月86.48242.56150.39247.04290.30101.8487.31
アルゼンチン1月28.8953.003.9044.6051.708.2025.89
2月28.8953.003.9044.6051.708.2025.89
ブラジル1月30.26123.000.1543.7546.2476.0031.17
2月30.42125.000.1543.7546.4077.0032.17
パラグアイ1月0.0910.200.013.903.986.200.11
2月0.509.900.013.903.985.900.53
主要輸入国合計1月21.9121.83118.84113.59139.690.4222.47
2月22.0621.83121.84114.59140.740.4224.57
中国1月19.4618.1085.0085.00102.700.1319.73
2月19.4618.1088.0086.00103.700.1321.73

このほか、ブラジルの国家食糧供給公社による2019/2020年シーズンの大豆生産量予測が公表され、前月の1.222億トンから1.233億トンへ引き上げられている。

世界需給-コーン-

次にコーンに対して同様の情報をまとめたものが下表となる。コーンの世界生産量は約70万トン増加。南アフリカやウクライナで生産量が増加した。南米産地の生産量はブラジル、アルゼンチン共に先月の予想から据え置かれている。アメリカの輸出量見通しが約120万トン引き下げられた。需要側では中国の輸入量や国内消費量なども据え置きとなった。

表4 2019/2020年シーズンのコーンの世界需給見通し

          期初在庫(100万重量トン)生産量(100万重量トン)輸入量(100万重量トン)国内消費飼料(100万重量トン) 国内消費全体(100万重量トン)輸出量(100万重量トン)期末在庫(100万重量トン)
世界1月320.391110.84167.42703.921133.41165.64297.81
2月320.471111.59167.99704.891135.22165.77296.84
アメリカ1月56.41347.781.27140.34312.3145.0948.07
2月56.41347.781.27140.34313.5843.8248.07
アメリカ以外1月263.98763.05166.15563.58821.11120.55249.74
2月264.06763.80166.72564.55821.64121.96248.77
アルゼンチン1月3.6150.000.0110.3015.0033.505.12
2月3.6150.000.0110.3015.0033.505.12
ブラジル1月4.58101.001.0056.0066.0036.004.58
2月4.58101.001.2056.5066.5036.004.28
ロシア1月0.3814.500.047.808.755.700.47
2月0.3814.500.047.808.755.700.47
南アフリカ1月1.7714.000.106.6012.301.502.07
2月1.7714.500.106.6012.302.002.07
ウクライナ1月0.9435.500.023.905.1030.500.86
2月0.9435.800.023.805.0031.000.76
主要輸入国合計1月21.29127.4797.40168.00223.053.8419.27
2月21.52127.1297.40168.00223.054.2418.75
中国1月210.32260.777.00190.00279.000.02199.07
2月210.32260.777.00190.00279.000.02199.07

このほか、ブラジルの国家食糧供給公社による2019/2020年シーズンのコーン生産量予測が公表され、前月の0.987億トンから1.004億トンへ引き上げられている。

今後の見通し

まとめると、今月の需給報告には大きなサプライズはなかった、2019/2020年シーズンのアメリカ産大豆の輸出量は約130万トン増加する予想だが、コーンの輸出量見通しは約120万トン引き下げられた。南米産地では大豆についてはブラジルの生産量が約200万トン引き上げられたが、アルゼンチンは据え置かれている。コーンについては両国とも据え置かれている。大豆の需要見通しが中国を中心に約300万トン引き上げられたため、需要面からはアメリカの大豆相場は堅調に、コーン相場は軟調になると筆者は予想している。


※このコラムで紹介している相場の動きの見方や見通しなどは執筆者の主観に基づくものであり、利益の増加や損失の減少を保証するものではありません。