3月の需給報告と今後の見通し(つらつら分析2020年3月11日)

 

総評

昨日3月10日(日本時間11日25時)にUSDAから3月の穀物需給報告が発表された。今回の報告では大豆とコーンの両方で供給側、需要側とも全ての項目が据え置かれたため、相場には大きな影響はなかった。

アメリカ-大豆-

まず大豆からみていこう。表1が大豆の2019/2020年シーズンの需給見通しとなる。

表1 2019/2020年シーズンの大豆の需給見通し
(出展元 USDA、表中太字は筆者が注目している項目)

2019/2020シーズン           今月     前月     
作付け面積(万エーカー)76107610
収穫面積(万エーカー)75007500
単収(ブッシェル/エーカー)47.447.4
期初在庫(億ブッシェル)9.099.09
生産量(億ブッシェル)35.5835.58
輸入(億ブッシェル)0.150.15
供給合計(億ブッシェル)44.8244.82
消費合計(億ブッシェル)40.5840.58
 内圧砕(油)(億ブッシェル)21.0521.05
 内輸出(億ブッシェル)18.2518.25
期末在庫(億ブッシェル)4.254.25
在庫率(%)10.5%10.5%
平均価格(セント/ブッシェル)870875

今月の報告では供給側、需要側とも全ての項目で据え置かれた。期末在庫は予想の4.26億ブッシェルを下回った。南米の輸出が本格化したため予想平均価格が引き下げられている。

アメリカ-コーン-

次に表2がコーンの2019/2020年シーズンの需給見通しとなる。

表2 2019/2020年シーズンのコーンの需給見通し
(出展元 USDA、表中太字は筆者が注目している項目)

2019/2020シーズン           今月     前月     
作付け面積(万エーカー)89708970
収穫面積(万エーカー)81508150
単収(ブッシェル/エーカー)168.0168.0
期初在庫(億ブッシェル)22.2122.21
生産量(億ブッシェル)136.92136.92
輸入(億ブッシェル)0.050.05
供給合計(億ブッシェル)159.62159.62
消費合計(億ブッシェル)140.70140.70
 内輸出(億ブッシェル)17.2517.25
 内工業・種子・食品用(億ブッシェル)68.2068.20
  内エタノール用(億ブッシェル)54.2554.25
 内飼料用(億ブッシェル)55.2555.25
期末在庫(億ブッシェル)18.9218.92
在庫率(%)13.7%13.7%
平均価格(セント/ブッシェル)380385

こちらも供給側、需要側全ての項目が据え置かれた。期末在庫は予想の18.88億ブッシェルを上回った。大豆と同様に予想平均価格が引き下げられている。

世界需給-大豆-

次に世界各国の需給について見ていこう。大豆の主要産地と消費量、主要需要地についてまとめたものが下表となる。大豆の世界生産量は3億4176万トンとおおよそ230万トン前月から引き上げられた。アルゼンチンとブラジルの生産量がそれぞれ100万トンずつ引き上げられた5300万トン(前月5200万トン)、1億2600万トン(前月1億2500万トン)となったことが要因となっている(表中太字)。 一方で需要側が3億5100万トンから3億5000万トンへ引き下げられている。

表3 2019/2020年シーズンの大豆の世界需給見通し(出展元 USDA)

          期初在庫(100万重量トン)生産量(100万重量トン)輸入量(100万重量トン)国内消費飼料(100万重量トン) 国内消費全体(100万重量トン)輸出量(100万重量トン)期末在庫(100万重量トン)
世界1月110.28337.70147.95303.58350.11149.1596.67
2月111.22339.40150.80304.33351.06151.5098.86
3月111.88341.76150.75303.45350.07151.8877.13
アメリカ1月24.7496.840.4157.2960.7748.3112.92
2月24.7496.840.4157.2960.7749.6711.55
3月24.7496.840.4157.2960.7749.6711.55
アメリカ以外1月85.54240.86147.54246.29289.35100.8483.76
2月86.48242.56150.39247.04290.30101.8487.31
3月87.14244.92150.34246.16289.31102.2190.88
アルゼンチン1月28.8953.003.9044.6051.708.2025.89
2月28.8953.003.9044.6051.708.2025.89
3月28.8954.003.9043.6050.708.2027.89
ブラジル1月30.26123.000.1543.7546.2476.0031.17
2月30.42125.000.1543.7546.4077.0032.17
3月30.48126.000.1543.7546.4077.0033.23
パラグアイ1月0.0910.200.013.903.986.200.11
2月0.509.900.013.903.985.900.53
3月0.509.900.013.903.985.900.53
主要輸入国合計1月21.9121.83118.84113.59139.690.4222.47
2月22.0621.83121.84114.59140.740.4224.57
3月22.5621.83121.84114.59140.740.4225.07
中国1月19.4618.1085.0085.00102.700.1319.73
2月19.4618.1088.0086.00103.700.1321.73
3月19.4618.1088.0086.00103.700.1321.73
世界需給-コーン-

次にコーンに対して主要産地と消費量、主要需要地についてまとめたものが下表となる。コーンの世界生産量は約50万トン増加した11億1200万トンとなる。内訳は天候に恵まれた南アフリカで生産量が150万トン増加(表中太字)したものの、インド、ペルー、ロシアの生産量が減少し相殺した。南米産地の生産量はブラジル、アルゼンチン共に先月の予想から据え置かれている。一方で、世界需要の予測は前月より約20万トン引き上げられた11億3547万トンとなった。

表4 2019/2020年シーズンのコーンの世界需給見通し (出展元 USDA)

          期初在庫(100万重量トン)生産量(100万重量トン)輸入量(100万重量トン)国内消費飼料(100万重量トン) 国内消費全体(100万重量トン)輸出量(100万重量トン)期末在庫(100万重量トン)
世界1月320.391110.84167.42703.921133.41165.64297.81
2月320.471111.59167.99704.891135.22165.77296.84
3月320.811112.01168.62705.801135.47165.83297.34
アメリカ1月56.41347.781.27140.34312.3145.0948.07
2月56.41347.781.27140.34313.5843.8248.07
3月56.41348.781.27140.34313.5843.8248.07
アメリカ以外1月263.98763.05166.15563.58821.11120.55249.74
2月264.06763.80166.72564.55821.64121.96248.77
3月264.40764.22167.35565.46821.89122.01249.27
アルゼンチン1月3.6150.000.0110.3015.0033.505.12
2月3.6150.000.0110.3015.0033.505.12
3月2.6150.000.0110.3015.0033.504.12
ブラジル1月4.58101.001.0056.0066.0036.004.58
2月4.58101.001.2056.5066.5036.004.28
3月5.19101.001.2057.0067.0036.004.39
ロシア1月0.3814.500.047.808.755.700.47
2月0.3814.500.047.808.755.700.47
3月0.3814.280.048.309.304.700.69
南アフリカ1月1.7714.000.106.6012.301.502.07
2月1.7714.500.106.6012.302.002.07
3月1.8316.000.006.8012.602.502.73
ウクライナ1月0.9435.500.023.905.1030.500.86
2月0.9435.800.023.805.0031.000.76
3月1.2935.800.023.804.4532.000.66
主要輸入国合計1月21.29127.4797.40168.00223.053.8419.27
2月21.52127.1297.40168.00223.054.2418.75
3月21.69127.1297.20167.90222.854.2918.87
中国1月210.32260.777.00190.00279.000.02199.07
2月210.32260.777.00190.00279.000.02199.07
3月210.32260.777.00190.00279.000.02199.07
今後の見通し

まとめると、今月の需給報告には大きなサプライズはなく、アメリカ国内の需給では大豆とコーンの双方で全ての項目が据え置きとなった。世界需給については豊作に伴う大豆とコーンの生産量の増加が見られている反面、需要は横ばいとなっている。今回の需給報告には新型コロナウイルスの影響がまだ出てきていないため、報告よりも需要は大きく下がって、今後は相場の低迷が続くのではないかと予想している。

その他

アルゼンチンでは大豆の輸出税の30%から33%への引き上げに抗議して月曜日から4日間のストライキが行われているが、現在のところは港の在庫で対応が出来ているため輸出には影響がないと報道されている。


※このコラムで紹介している相場の動きの見方や見通しなどは執筆者の主観に基づくものであり、利益の増加や損失の減少を保証するものではありません。