イラン情勢の混迷と原油(つらつらコラム2019年7月22日)

図1 原油日足チャート 出展元 Investing.com)

原油は再び上がるのだろうか。先々週末に熱帯性暴風雨バリーの上陸に伴うメキシコ湾岸の石油関連施設への被害懸念で上昇していたが、先週はIEAが前回6月のレポートの日量120万バレルから更に原油需要を引き下げ、日量110万バレルとする方針(前々回のレポートでは日量150万バレル)であることなど世界経済の先行き懸念から続落し、週で約4.5ドル下落していた(図1)。その中でも、UAEのタンカーが消息を絶つ(13日)⇒故障で曳航とイランが主張(16日)、米艦がイランの無人偵察機を撃墜(18日)⇒イランが事実を否定(19日)など、一時的に原油を上昇させるニュースはあったものの、アメリカ側の対話の準備が伝えられるなど緊張状態の激化に一定のブレーキが掛かっていた。

しかし、先週19日にイランがイギリス船籍のタンカー「ステナ・インペロ」を拿捕したと伝えられたことで、これまでのアメリカ・イラン間の緊張に加えて、イギリス・イラン間に緊張状態が高まる状況が生まれている。4日にジブラルタルでイギリス海軍がイランのタンカーを拿捕したことへの報復だと考えられ、10日にイギリスタンカーの拿捕未遂事件(イランは否定)があり、今回実際にタンカーが拿捕されたもの。BBCなどイギリスメディアによれば、 拿捕された海域はオマーン領海側であり国際法違反を主張、対イラン制裁を検討しており22日中に閣議で決定される見込みと伝えている。イラン側から見ると2015年の核合意継続が危ぶまれる中、瀬戸際外交の標的をアメリカからイギリスに移し、希望する原油輸出に関してより良い条件を引き出したいのだと考えられるが、藪をつついて蛇を出す結果になるのではないかと個人的には考える。いずれにせよ、原油相場が動くことが考えられるので、今日にも決定されるイギリス政府の対応に注目したい。

※このコラムで紹介している相場の動きの見方や見通しなどは執筆者の主観に基づくものであり、利益の増加や損失の減少を保証するものではありません。