ダウと貨物輸送(つらつらコラム2019年7月18日)

図1 ダウ輸送株平均 出展元 Investing.com)

アメリカ企業の第2四半期の決算が今週から本格化している。月曜日にはシティグループ、火曜日にはゴールドマン・サックス、ウェルズ・ファーゴ、JPモルガン・チュース、水曜日にはバンクオブアメリカ、IBMなどの決算が発表された。これらの企業はアナリストの事前予想より、一株当たりの純利益が多くなっており、好調な個人消費を背景に企業業績もまずは好調といえる滑り出しを見せている。大手銀行はいずれも増収増益の結果となったが、低金利を背景に銀行の純金利収入には先行き不安が生じており、利下げが行われた場合、銀行の収益をさらに圧迫する可能性があると考えられる。そんな中で、輸送株であるCSXの決算を今日は話題としてあげたい。CSXは貨物鉄道をアメリカ東部で経営している輸送会社であるが、昨日発表された第2四半期の決算は利益が事前予想を下回り、鉄道・トラック貨物輸送量も減少した。この結果を受けてCSXの株価は10.3%下落し、同業のユニオン・パシフィックやBNSF鉄道を傘下に持つバークシャー・ハザウェイなどもつれ安となり、ダウ輸送株平均が大幅安(図1)、ダウも安値となった。フィラデルフィアの製油所が爆発し閉鎖されたことで輸送を担当していたCSXの貨物が減少したという要因もあるようだが、米中間で続く貿易摩擦の影響が大きいといわれている。アメリカはその地理上の要件から西海岸と東海岸の間の貨物輸送は専ら鉄道輸送に頼っている。その輸送量が減少しているということは、西海岸に上がった中国からの輸出品の人口密集地帯である東部への輸送、あるいは、東部から西海岸を経由した輸出品の輸送が減っていることを意味している可能性がある。ダウ輸送株は景気の先行きのバロメーターといわれているので、ユニオン・パシフィック(18日)、ノーフォーク・サザン(24日)、バークシャー・ハザウェイ(8月3日)など同業の貨物鉄道会社の決算に注目してみるのはいかがだろうか。


※このコラムで紹介している相場の動きの見方や見通しなどは執筆者の主観に基づくものであり、利益の増加や損失の減少を保証するものではありません。