今週の原油の見通し(つらつらコラム2019年7月1日)

図1 2018年7月以降の原油価格(出展元 Investing.com)

今日7月1日から2日までオーストリアのウィーンでOPECの定例総会が開催される。会議の焦点は協調減産を延長するかどうか、特に減産量と減産継続期間にあることは間違いない。というのも、協調減産の継続自体は会議前にサウジアラビアが動いている。すでにG20期間内にOPEC非加盟国のロシア・プーチン大統領とサウジアラビアのサルマン王太子が行った会談で減産継続で合意、その後複数の加盟国から同意をえるなど、地固めが進んでいる。減産量についてはOPEC加盟国と非加盟国の合計で日量120万バレルの減産が維持される見込みで、期間については通常のOPECの方針決定通りなら6か月、サウジアラビアは9カ月の継続を推しているが、会議で9か月という提案に全会一致の賛同が得られるかは不透明のようだ。
もし120万バレルの減産を6か月継続という結論になった場合、市場にとってサプライズがなく、価格下落はないにしても原油相場自体に大きな影響を与えるとは考えにくい。4月以降、イランがアメリカの制裁によって日量120バレルとされる輸出が不可能になり、合計240万バレルの供給が市場から失われても、貿易摩擦などに端を発した世界経済の減速懸念の方がインパクトが強く、6月上旬には原油価格は1バレル50ドル割れをうかがう水準まで下落しているからである。
現状で、注目すべきはイラン情勢だと考える。6月中旬のタンカー攻撃など直接的な懸念のほかに、イランと英独仏露中との核合意の維持(アメリカは既に離脱し制裁を開始)が暗礁に乗り上げている。具体的にはイラン側が核開発の放棄の見返りに十分な量の原油輸出を求めているが、各国もアメリカの制裁を避けるため有効な手を打ち出せておらず、このまま推移すれば、7月7日にはイランが高濃度ウラン濃縮を再開するとしているためである。今週も事態打開のための努力が続けられると考えられるが、もし、濃縮作業再開となれば、イランの更なる孤立は避けられず、原油相場も1バレル60ドルの水準を超えて上昇することが考えられる。イラン関係の情報に注意しておくべきだと考える。


※このコラムで紹介している相場の動きの見方や見通しなどは執筆者の主観に基づくものであり、利益の増加や損失の減少を保証するものではありません。