今週の原油在庫と見通し(つらつらコラム2019年10月3日)

 

図1 原油時間足チャート (出展元 サクソバンク証券
図2 EIA週間原油統計 (出展元 EIA)

原油在庫統計は10月1日29時30分にAPIの統計(前週比で原油在庫592万バレル減、ガソリン在庫213万バレル増、留出油174万バレル減)が発表され2日の午前中は上昇した。2日23時30分にEIAの週間原油統計が発表となり、内容は前週比で原油在庫310万バレル増、ガソリン在庫22万バレル減、留出油241万バレル減とAPIと方向性が全く一致せず、さかさまの結果となった。相場は約100pips下がるなど大きく値下がりし9日続落となった。筆者は54.70ドルでの売りエントリーを行い53.00ドルで決済し、利益を上げることに成功している。図2は今年10月までの原油在庫推移と例年との比較となる。原油在庫減少に転じたが前年と同水準となっている。今日もEIAの週間レポートの中身を簡単に見て分析しておきたい。

今週  前週  4週平均前年同時期
原油生産(万バレル/日)1240125012151110
原油輸入(万バレル/日)629637699796
原油輸出(万バレル/日)286298288172

アメリカ国内の原油生産は日量1240万バレル(前週-10万バレル、前年比+130万バレル)と増加が横ばいになっておりに生産にブレーキがかかっているようだ。原油輸入は日量629万バレル(前週比-8万バレル、前年比-167万バレル)と前年より減少している。一方の原油輸出は若干減少して日量286万バレル(前週-13万バレル、前年比+104万バレル)となり、前週と比べて原油の国内向け供給量は日量で5万バレル減少した。

今週  前週  4週平均前年同時期
ガソリン生産(万バレル/日)946913921907
ジェット燃料生産(万バレル/日)177176173158
留出油生産(万バレル/日)403396393462

次に石油製品の生産ではガソリンの生産は33万バレル減少し、ジェット燃料と留出油はそれぞれ、1万バレル増加、7万バレル増加だった。

今週  前週  4週平均前年同時期
ガソリン輸出(万バレル/日)799280102
ジェット燃料輸出(万バレル/日)23212120
留出油輸出(万バレル/日)14512414196

石油製品の輸出は、ガソリンが日量79万バレル(前週比-13万バレル、前年比-23万バレル)、ジェット燃料の輸出は日量23万バレル(前週比+2万バレル、前年比+3万バレル)。留出油は日量145万バレル(前週比+21万バレル、前年比+49万バレル)となっていて先週から特に大きな変化はない。

EIA週間原油統計    予想   結果   
原油(万バレル)+310+156
ガソリン(万バレル)-22+44
留出油(万バレル)-241-179

以上をまとめると、原油生産量は過去最大レベルを継続しているが、増産にブレーキがかかっている、ガソリンの消費はいまだ好調を示している。

次に建玉の方からも見てみよう。以下の表はCFTC(アメリカ合衆国先物取引委員会)発表のNY原油のここ5週間の建玉数の明細となる。

    総建玉    大口投機家
買玉    
大口投機家
売玉    
差引    大口当業者
買玉    
大口当業者
売玉    
差引    
8/272,003,007513,465121,815391,650713,5111,095,956-382,445
9/32,082,415508,940124,783384,157748,8321,130,951-382,119
9/102,080,994527,57999,374428,205716,2101,140,398-424,188
9/172,073,041530,357103,252427,105726,9801,167,263-440,283
9/242,048,088528,493104,331424,162740,0411,180,295-440,254
図3 2019NY原油建玉数(出展元 CFTC)
図4 2019NY建玉数前週比(出展元 CFTC)
図5 2019NY原油建玉数買い越し(出展元 CFTC)

図3は2019年の原油建玉数の推移、図4は建玉数前週比、図5は買い越し数となる。ファンドの買い越し数は買玉を減らし、売玉を若干増やしている。

いくつかのニュースを取り上げよう。10月1日にエクアドルがOPEC離脱を表明。同国は経済再建のため原油輸出を計画しており、これ以上協調減産の続行には耐えられないとのことで2020年1月に離脱する。エクアドルの原油生産量は日量53.7万バレルとなっていて世界シェアは約0.6%。このほか、フランスのマクロン大統領がアメリカとイランとの間を仲介を進めているが、今朝方イランのロウハニ大統領が調停案はおおむね受け入れ可能との発言をしている。ただし大前提としてアメリカの制裁解除が求められている。今後どちらのニュースも原油に対しては懸念材料となる。混乱の続くリビアと、ベネズエラに関してはニュースはない。一方でイラクでは反政府デモが発生、イエメンではフーシ派がの一部戦闘を続けている。これらは今後相場の支援材料となりえる。

図6 大西洋ハリケーン予測(出展元 NOAA)

最後に天候ニュースだが、現時点でキューバ沖に低気圧の卵があり、西あるいは北西方向へ進んでいる模様で、注意した方がよいかもしれない(現時点では何とも言えない)。


※このコラムで紹介している相場の動きの見方や見通しなどは執筆者の主観に基づくものであり、利益の増加や損失の減少を保証するものではありません。