図1 原油時間足チャート (出展元 サクソバンク証券)

今週の原油在庫統計は25日29時30分発表のAPIの統計(前週比で原油在庫138万バレル増、ガソリン在庫190万バレル増、留出油220万バレル減)が発表され午前中は下落した。25日23時30分にEIAの週間原油統計が発表となり、内容は前週比で原油在庫241万バレル増、ガソリン在庫51万バレル増、留出油297万バレル減とAPIと方向性が一致した。相場自体はダウの上昇に支えられて、立会時間は大きく戻す流れとなった。図2は今年9月までの原油在庫推移と例年との比較となる。原油在庫は特に大きな変動もなくおおむね前年と同水準となっている。今日もEIAの週間レポートの中身を簡単に見て分析しておきたい。
今週 | 前週 | 4週平均 | 前年同時期 | |
原油生産(万バレル/日) | 1250 | 1240 | 1240 | 1110 |
原油輸入(万バレル/日) | 637 | 705 | 676 | 780 |
原油輸出(万バレル/日) | 298 | 315 | 313 | 264 |
アメリカ国内の原油生産は日量1250万バレル(前週+10万バレル、前年比+140万バレル)で、原油輸入は日量637万バレル(前週比-68万バレル、前年比-143万バレル)だった。一方の原油輸出は若干減少して日量298万バレル(前週-17万バレル、前年比+34万バレル)となっている。前週と比べて原油の国内向け供給量は日量で58万バレル減少した。
今週 | 前週 | 4週平均 | 前年同時期 | |
ガソリン生産(万バレル/日) | 934 | 893 | 939 | 898 |
ジェット燃料生産(万バレル/日) | 150 | 190 | 170 | 170 |
留出油生産(万バレル/日) | 389 | 385 | 392 | 429 |
次に石油製品の生産は、ガソリンの生産は増加(+41万バレル)し、一方でジェット燃料と留出油はそれぞれ、40万バレル減少、5万バレル増加だった。
今週 | 前週 | 4週平均 | 前年同時期 | |
ガソリン輸出(万バレル/日) | 80 | 69 | 73 | 96 |
ジェット燃料輸出(万バレル/日) | 13 | 29 | 31 | 26 |
留出油輸出(万バレル/日) | 162 | 133 | 141 | 114 |
一方の石油製品の輸出は、ガソリンが日量80万バレル(前週比+11万バレル、前年比-16万バレル)、ジェット燃料の輸出は日量13万バレル(前週比-16万バレル、前年比-13万バレル)。留出油は日量162万バレル(前週比+29万バレル、前年比+51万バレル)となっていて大きな変化はない。
EIA週間原油統計 | 予想 | 結果 |
原油(万バレル) | -24 | +241 |
ガソリン(万バレル) | +29 | +51 |
留出油(万バレル) | -73 | -297 |
以上をまとめると、原油生産量は過去最大レベルを継続している他、ガソリンの消費は旺盛ということができる。
次に建玉の方からも見てみよう。以下の表はCFTC(アメリカ合衆国先物取引委員会)発表のNY原油のここ5週間の建玉数の明細となる。
総建玉 | 大口投機家 買玉 | 大口投機家 売玉 | 差引 | 大口当業者 買玉 | 大口当業者 売玉 | 差引 | |
8/20 | 2,002,847 | 528,969 | 114,334 | 414,635 | 692,171 | 1,097,984 | -405,813 |
8/27 | 2,003,007 | 513,465 | 121,815 | 391,650 | 713,511 | 1,095,956 | -382,445 |
9/3 | 2,082,415 | 508,940 | 124,783 | 384,157 | 748,832 | 1,130,951 | -382,119 |
9/10 | 2,080,994 | 527,579 | 99,374 | 428,205 | 716,210 | 1,140,398 | -424,188 |
9/17 | 2,073,041 | 530,357 | 103,252 | 427,105 | 726,980 | 1,167,263 | -440,283 |



図3は2019年の原油建玉数の推移、図4は建玉数前週比、図5は買い越し数となる。ファンドの買い越し数は買玉、売玉が同程度増えたためほぼ変わらなかった。
最後に天候ニュースだが、現時点で特に危険なハリケーンや熱帯低気圧はない。

※このコラムで紹介している相場の動きの見方や見通しなどは執筆者の主観に基づくものであり、利益の増加や損失の減少を保証するものではありません。