今週の原油在庫と見通し(つらつらコラム2019年9月6日)

 

今週の原油在庫の統計は月曜日がレイバーデイの休日だったため一日遅れての発表となっている。早朝に発表されたAPIの統計(前週比で原油在庫40万バレル増、ガソリン在庫87万バレル減、留出油120万バレル減)の影響は少なかった。6日の時間外取引は、米中間の貿易協議の日程が決まったことを好感して堅調に推移し、24時00分にEIAの週間原油統計が発表された直後に一時急騰した(図1 )。内容は前週比で原油在庫477万バレル減、ガソリン在庫239万バレル減、留出油253万バレル減となった。その後は、米中の防疫協議の先行き不透明感から売りが入り、ほぼ昨日の上げ分下げて引けた。図2は今年9月までの原油在庫推移と例年との比較となる。原油在庫は特に大きな変動もなくおおむね前年と同水準となっている。今日もEIAの週間レポートの中身を簡単に見て分析しておきたい。

今週  前週  4週平均前年同時期
原油生産(万バレル/日)1240125012371100
原油輸入(万バレル/日)690592694771
原油輸出(万バレル/日)306301289150

アメリカ国内の原油生産は日量1240万バレル(前週-10万バレル、前年比+140万バレル)で、原油輸入は日量690万バレル(前週比+98万バレル、前年比-81万バレル)だった。一方の原油輸出はやや増加しており日量306万バレル(前週+5万バレル、前年比+156万バレル)となっている。よって前週と比べて原油の国内向け供給量は増加していることになるが、在庫は減少しており消費が旺盛なことがわかる。

今週  前週  4週平均前年同時期
ガソリン生産(万バレル/日)947990973973
ジェット燃料生産(万バレル/日)187185191182
留出油生産(万バレル/日)413404395429

次に石油製品の生産は、ガソリンの生産は微減(-43万バレル)、ジェット燃料と留出油はそれぞれ2万バレル、9万バレル増加している。

今週  前週  4週平均前年同時期
ガソリン輸出(万バレル/日)81706247
ジェット燃料輸出(万バレル/日)14192210
留出油輸出(万バレル/日)15015615298

一方の石油製品の輸出は、ガソリンが日量81万バレル(前週比+11万バレル、前年比+34万バレル)、ジェット燃料の輸出は日量14万バレル(前週比-5万バレル、前年比+4万バレル)。留出油は日量150万バレル(前週比-6万バレル、前年比+52万バレル)となっている。

EIA週間原油統計予想結果
原油(万バレル)-248-477
ガソリン(万バレル)-152-239
留出油(万バレル)+48-253

以上をまとめると、原油生産がわずかに増加している他、原油の需要先にあたるガソリン、留出油ともに生産量・輸出量が増加している。夏の需要シーズンは終わったが、ガソリン、留出油共に在庫の減少が予想を上回った。

次に建玉の方からも見てみよう。以下の表はCFTC(アメリカ合衆国先物取引委員会)発表のNY原油のここ5週間の建玉数の明細となる。

総建玉大口投機家
買玉
大口投機家
売玉
差引大口当業者
買玉
大口当業者
売玉
差引
7/302,069,072540,238152,947387,291732,8211,119,888-387,067
8/62,070,210540,924165,283375,641760,7941,134,883-374,089
8/132,059,135547,040164,896382,144715,1571,086,691-371,534
8/202,002,847528,969114,334414,635692,1711,097,984-405,813
8/272,003,007513,465121,815391,650713,5111,095,956-382,445
図3 2019NY原油建玉数(出展元 CFTC)
図4 2019NY原油建玉数買い越し(出展元 CFTC)
図5 2019NY建玉数前週比(出展元 CFTC)

図3は2019年の原油建玉数の推移となる。ファンドの買玉の建玉数は依然として高い水準で推移している。

最後に天候ニュースだが、大西洋上で発生したハリケーンDorianは結局フロリダに上陸せず東海岸を沿うように北上しているため、原油・天然ガスの生産に対する影響はなく、精製・消費には影響があるものの相場への影響は限定的となった。その後、メキシコ湾内で発生した熱帯低気圧もメキシコへ西進したため、同様に影響はなかった。しかし、ハリケーンシーズンに入ったことで、図6上で黄色であらわされるハリケーンの卵が続々と発生しつつある。もう1か月はハリケーンによる突発的な上げがありえるので、天気予報にも注意をはらいたい。

図6 ハリケーン予報(出展元 NOAA)

※このコラムで紹介している相場の動きの見方や見通しなどは執筆者の主観に基づくものであり、利益の増加や損失の減少を保証するものではありません。