原油相場とハリケーン(つらつらコラム2019年9月3日)

昨日台風13号が、今日14号が日本の南で相次いで発生したニュースを聞いた。折から、アメリカ東海岸ではハリケーン「Dorian(ドリアン)」がバハマに上陸し、島を機能不全に陥れたというニュースが流れている。さて、原油・天然ガス相場からハリケーンについて考えてみたい。これらのハリケーンがメキシコ湾岸の油田・ガス田・製油所などの石油・ガス関連施設あるいはメキシコ湾上の海上油田・ガス田に影響を与える懸念で上昇するのはほぼ間違いない。上図は8月末の原油の日足と天然ガスの日足になるが、接近の報が流れた8月28日には、原油・天然ガス両方の相場が上昇したことがわかる。その後、ドリアンは当初想定されていたフロリダ半島横断コースでからのメキシコ湾西進ではなく北進して東海岸をかすめることがわかり、原油は1ドル以上、天然ガスは0.1ドル上昇はしたが相場への影響は限定されたものとなった。

それでは上陸した場合はどうだったか、過去の代表的なハリケーンとして2005年のカトリーナ2017年のハービーの時の相場を見てみたい。

ハリケーン・カトリーナが上陸した際(図2上段 2005年8月29日)には、原油生産・原油精製ともに大きな影響と損害を受けたため当日だけでも、約3ドル原油相場が上昇しているし、天然ガス相場も上窓を開けた。一方で、ハリケーン・ハービーの上陸の際(図2下段 2017年8月25日)には、石油産業には同様な影響があったが、上陸後にむしろ値上がりするという対照的な反応を見せた。 2017年の記事には原油精製が止まることで原油在庫が積みあがる見通しから下落したとあり、通過後にハリケーンで原油生産の20%が止まったことを要因として上昇したようだ。

なぜ、こんなことをドリアンが逸れた今書くのかというと下の図を見てほしい。左側が今日の天気図となるが、メキシコ湾上にいわゆる台風の卵2(赤色)があり、48時間以内に熱帯低気圧への発達(Cyclone formation)の確率が60%とある。そして右側が上で触れたハリケーン・ハービーの進路となる。いずれもユカタン半島の北西側といった似通った場所でハリケーンになる兆候(ハービーは黄色線が熱帯低気圧状態を示す)を示しており、もし、この台風の卵が予報通りにハリケーンとなり、同じ進路をとるならば、海上油田・ガス田に影響を与えながら来週の中頃に上陸という可能性があると考える。来週の相場が、上陸時に上がるのか、上陸後に上がるのか、はたまたハリケーンがメキシコへ逸れるのかは分からないが、最低でも原油1ドル、天然ガス0.1ドル上昇する可能性を考えて天気予報を確認しておきたい。


※このコラムで紹介している相場の動きの見方や見通しなどは執筆者の主観に基づくものであり、利益の増加や損失の減少を保証するものではありません。