天然ガスの見通し(つらつらコラム2019年10月18日)

図1 天然ガス時間足 (出展元 サクソバンク証券

今週の天然ガス相場は、翌週以降の気温が下落するのと見込みから前半は上昇したが、16日に翌週以降の予報で寒波が緩むとの予報で大きく下落した。昨日17日は再度寒波が到来するとの予報となったことで天然ガスは上昇した。ただし、23時30分にEIA(アメリカエネルギー情報局)が発表した天然ガスの在庫は104Bcfの増加となり予想の106Bcfを下回ったものの、今週の在庫が3519Bcf(3415Bcf)となり、5年平均の3505Bcf(前週3424Bcf)を上回った。5年平均を上回るのは2年ぶりとなったことを受けて下落した(図1)。

筆者は16日の夜に売りポジションを立てていたものの、下げの見積もりが甘かったため、半分ぐらいしか取れなかったことはとても残念な結果となった。

図2 天然ガス在庫推移(出典元 EIA)

それでは、EIAの週間報告の中身を見ていきたい。

今週    前週    前年同時期    
Marketed Production(Bcf/日)106.3105.698.0
天然ガス生産(Bcf/日)94.093.586.3
天然ガス輸入(Bcf/日)4.24.54.7
天然ガス供給(Bcf/日)98.398.191.0

天然ガスの生産は前年同時期に比べて日量8.7Bcfの増加となってたが、前週と比べるとほぼ横ばいとなっている。輸入についても横ばいだったため、供給量もほぼ横ばいとなった。次に需要は前週比で横ばいで内訳は、

今週    前週    前年同時期    
発電用(Bcf/日)30.032.329.2
工業用(Bcf/日)20.621.020.4
住宅用(Bcf/日)12.610.315.7
パイプライン輸出(Bcf/日)5.35.54.8
パイプラインでの消費やロス(Bcf/日)6.46.36.0
LNG輸出(Bcf/日)6.66.12.8
天然ガス需要(Bcf/日)81.581.579.0

住宅用が2.0Bcfと大きく増加したほか、発電需要が減少した。この要因は寒波の到来のためだと考えられる。ただし、全体の需要は横ばいだった。

次に平均気温と需要の関係を簡単に見てみよう(報告に含まれるのは10月10日まで)。

まず需要だが、48州の平均気温は12日を底に上昇、10月16日以降再び、下落する予報(図3A)となっていた。ガスの需要は発電用(図3B)は今後増加予想、住宅用・商業用(図3C)は横ばいとなっている。10月10日は北部や西部で雪やみぞれの舞う大荒れの天気だったが、思ったほど下段の住宅用は伸びているように見えない。

次に図4は10月13日と17日の最高気温と最低気温の実測値で、寒波で下がっていた気温が寒波が去るとともに再度上昇していることが分かる。図6は10日後までの平均気温と14日後までの平均気温の予報で、再度来週には寒波が到来する見込み。

参考値(10℉=-12.2℃、20℉=-6.7℃、30℉=-1.1℃、40℉=4.4℃、50℉=10℃、60℉=15.6℃、70℉=21.1℃、80℉=26.7℃、90℉=32.2℃、100℉=37.8℃)

最後に今後の見通しについて私見を述べておくと、今週から来週にかけては気温低下による需要増予想から上げ相場となることが予想される。来週以降どこで寒波が緩むのか、それともこのまま例年通り冬相場に突入するのか天気予報を気にする日々が続きそうだ。

この他、アメリカの新しいLNG輸出基地の情報が載っていたので紹介しておきたい。東海岸のエルバ島に2016年以降では6番目となるLNG液化輸出施設が完成した(図5)。この施設のLNG輸出量は一日当たり最大3Bcfでこのうち10%が今回稼働した(20%は間もなく始動、30%は試運転中、残りの40%は建設中)。元々エルバ島にはLNGの受け入れ施設(再ガス化施設と天然ガス・LNG貯蔵タンク)とそこまでのガスパイプラインがあった場所で、シェール革命以降アメリカが輸出国に転じたため、輸出用設備(液化施設)を併設する作業が行われていた。今後、エルバ島からの最初のLNG輸出は数か月以内に行われる予定。この他メキシコ湾岸では輸出用施設の増設が続いており、今後LNG輸出量がさらに増大することが見込まれている。

図5 アメリカメキシコ湾岸のLNG輸出基地(出展元 EIA)
青色:稼働中、緑色:試運転中、赤色:建設中、灰色:計画中

※このコラムで紹介している相場の動きの見方や見通しなどは執筆者の主観に基づくものであり、利益の増加や損失の減少を保証するものではありません。