天然ガスの見通し(つらつらコラム2019年10月4日)

図1 天然ガス時間足 (出展元 サクソバンク証券

昨日の天然ガス相場は、9月16日以来続いていた下落傾向が途切れ、6営業日ぶりに陽線で引けた。筆者は昨日も下落傾向が続くと思っていたし、天然ガス在庫も増加すると考えていたため、売りでエントリーを在庫発表直後も含めて複数回行ったが、肩透かしとなってしまった。反省を兼ねて背景を振り返っておこう。

9月16日までは気温の上昇傾向が冷房用需要を喚起するとの見通しから上がっていたが、16日を境にして、穏やかな気温が広がることで暖房用、冷房用双方の需要が低下する見通しにかわり値下がりしていた。それが昨日は翌週以降に気温が下がる予想で値上がりした。23時にEIA(アメリカエネルギー情報局)が発表した天然ガスの在庫は115Bcfの増加となり予想の106Bcfを上回ったが、需要が増える方がより重視され一時的な下げに留まり更に上昇した(図1)。
それでは、EIAの週間報告の中身を見ていきたい。

今週  前週  前年同時期
Marketed Production(Bcf/日)106.3105.096.9
天然ガス生産(Bcf/日)94.093.086.7
天然ガス輸入(Bcf/日)4.64.35.0
天然ガス供給(Bcf/日)98.697.491.8

天然ガスの生産は拡大を続け、日量94.0Bcfを上回った。これは前年同時期に比べて日量7.3Bcfの増加となる。今週はカナダからの輸入量がやや増加したため、供給量は1Bcfほどだった。次に需要の内訳は、

今週  前週  前年同時期
発電用(Bcf/日)33.233.231.4
工業用(Bcf/日)21.321.221.7
住宅用(Bcf/日)11.09.610.0
パイプライン輸出(Bcf/日)5.45.45.0
パイプラインでの消費やロス(Bcf/日)6.46.36.0
LNG輸出(Bcf/日)6.36.12.9
天然ガス需要(Bcf/日)83.881.777.0
Working Gas in Underground Storage Compared with Five-Year Range
図2 天然ガス在庫 (出展元 EIA)

需要自体が前週の報告と比較して増加傾向にある。特に住宅用の需要が1.4Bcf増加したことが注目される。天然ガス在庫は生産量の増加を受けて5年平均とほぼ同量となった(図2)。

次に平均気温と需要の関係を簡単に見てみよう(報告に含まれるのは9月26日以降)。

次に需要だが、発電用は横ばいだが昨年より需要が増えている(図3B)。今週以降の需要が増えていることが注目される(図3C)。

次に図4は10日後までの平均気温と14日後までの平均気温の比較で、全般的に気温が下がり、特にこれまで高温だった中西部や東部で気温の低下が顕著となる予報。

参考値(10℉=-12℃、20℉=-6℃、30℉=-1℃、40℉=4℃、50℉=10℃、60℉=15℃、70℉=21℃、80℉=26℃、90℉=32℃、100℉=37℃)

図5は10月3日の最高気温と最低気温の実測値で、アメリカ南部は30度以上あり、東部でも30度に達する気温だった。図6は6-10日先の平均気温の予測で、アメリカ東部で4℃から20℃、中西部で氷点下から15℃、南部でも15℃から30℃、西海岸でも氷点下から20℃の予報となり、この1週間で10℉(5℃)以上気温が下がる見込み。
以上から、この先は平年より気温が下がる予報のため天然ガスの急速な増加が予想される。


※このコラムで紹介している相場の動きの見方や見通しなどは執筆者の主観に基づくものであり、利益の増加や損失の減少を保証するものではありません。