天然ガスの見通し(つらつらコラム2019年11月1日)

図1 天然ガス時間足 (出展元 サクソバンク証券

今週の天然ガス相場は、前半は寒波が到来して翌週以降の気温が広い範囲で低下するとの見通しでから上昇基調となっていた。逆に昨日木曜日は翌週はこれまでの予想通り、気温が低下するものの翌々週には気温がやや上昇に転じていて、需要が減衰するとの見方や、23時30分にEIA(アメリカ・エネルギー情報局)が発表した天然ガスの在庫が89Bcfの増加となり予想の86Bcfを上回ったことなどで下落し、2.600ドル台まで下落して引けた。筆者は今週は持ち越しも含めて連日エントリーを行ったが、水曜日までは大きく利益を出していたが、木曜日のエントリーが2回とも損切りにかかるという展開になってしまった。

Working Gas in Underground Storage Compared with Five-Year Range
図2 天然ガス在庫推移(出典元 EIA)

今週のEIAの天然ガス週間報告の中身を見ていきたい。

今週    前週    前年同時期    
Marketed Production(Bcf/日)107.5107.598.9
天然ガス生産(Bcf/日)94.894.887.2
天然ガス輸入(Bcf/日)4.34.14.1
天然ガス供給(Bcf/日)99.199.091.3

天然ガスの生産と供給はほぼ横ばいで、カナダからの輸入量が若干の増加だった。次に需要は1.4Bcfの増加となり、内訳は以下の表のとおり。

今週    前週    前年同時期    
発電用(Bcf/日)30.230.626.1
工業用(Bcf/日)21.120.422.9
住宅用(Bcf/日)14.113.317.9
パイプライン輸出(Bcf/日)5.35.34.9
パイプラインでの消費やロス(Bcf/日)6.46.46.1
LNG輸出(Bcf/日)7.16.93.8
天然ガス需要(Bcf/日)84.382.981.8

先週比で住宅用が0.8Bcf、工業用が0.7Bcf、LNG輸出が0.2Bcf増加した。発電用やパイプラインでの輸出は横ばいだった。

次に平均気温と需要の関係を見てみよう(週の報告に含まれるのは10月24日まで)。

48州の平均気温は寒波が去った後、10月21日まで上昇してその後また下落傾向にある(図3A)。天然ガス需要は発電用(図3B)は気温の下落によって需要が伸びている。また、発電用需要自体が昨年度や過去5年平均に対して日量5Bcf以上高い水準にある。一方の住宅/商業用の需要は10月31日以降増加して、平年並みの消費水準へ近づいている(図3C)。

図4はアメリカの今日の天気予報で、寒波が北部・西部に来襲しており寒冷前線が、セントローレンス湾から五大湖を経てミシシッピ川河口まで伸びている。前線の背後では広い地域で最高気温が氷点下(図4B青)になるなど気温が低下して雪が降っている(図4A白)。図5は10月24日と31日の最高気温と最低気温の実測値で、温度差の観点からはアメリカ北部から西部にかけて20℉(~10℃)以上ところにより30℉(~15℃)以上、南部や西海岸でも10℉(~5℃)以上気温が低下している。一方で、東部は寒冷前線の東側にありまだあまり影響を受けていない。

参考値(10℉=-12.2℃、20℉=-6.7℃、30℉=-1.1℃、40℉=4.4℃、50℉=10℃、60℉=15.6℃、70℉=21.1℃、80℉=26.7℃、90℉=32.2℃、100℉=37.8℃)

図7は6から10日後までの平均気温と8から14日後までの平均気温の予報で、気温がまだ低下していない東部も含めて気温が低下する見込み。ただし、再来週には西部や南部でやや寒さが緩む予報になっている。

最後に今後の見通しについて述べておこう。今週から来週にかけては強い寒気が北部に流入することで気温低下が予想されている。これから暖房用ガスの大量消費地である東部の気温も低下する。それに伴った需要増予想が上げの材料となることを予想している(図6、図7)。ただし、10日後以降は寒気が西部や南部では若干緩むが、東部の気温は低下したままであるため、買い材料となりそうだ。。


※このコラムで紹介している相場の動きの見方や見通しなどは執筆者の主観に基づくものであり、利益の増加や損失の減少を保証するものではありません。