天然ガスの見通し(つらつらコラム2019年8月16日)

昨日の天然ガス相場はEIA発表の天然ガス在庫が49Bcf増加(予想58Bcf増加)と予想以下の増加となったことと来週の気温上昇による需要増加の見通しから1MMBtu当たり2.240ドル台に上昇した(上図上段が日足チャート、中段が天然ガス在庫の推移)。今日はEIAの天然ガス週報から情報を簡単に分析してみたい。

今週  前週  前年同時期
Marketed Production(Bcf/日)102.6102.393.6
天然ガス生産(Bcf/日)91.791.484.2
天然ガス輸入(Bcf/日)4.24.45.2
天然ガス供給(Bcf/日)96.095.989.5

天然ガスの生産は8月前半に過去最大となる日量92.1Bcfとなったが、今週もほぼ同量となる日量91.7Bcfが生産されている。前年同時期に比べて日量7.5Bcfの増加(約8.2%増加)となっている。表中の輸入は前年同時期と比べて約20%の減少となっており、輸入元はパイプラインの繋がっているカナダ(大部分)とメキシコ(少量)からの輸入。また前年はトリダード・トバコからのLNG輸入があったが8月に入ってからはなくなっている。

今週  前週  前年同時期
発電用(Bcf/日)41.441.239.8
工業用(Bcf/日)21.021.221.2
住宅用(Bcf/日)8.68.37.5
パイプライン輸出(Bcf/日)5.15.05.0
パイプラインでの消費やロス(Bcf/日)6.56.46.0
LNG輸出(Bcf/日)4.14.73.3
天然ガス需要(Bcf/日)86.686.882.9

次に需要だが、全体として前年度同期と比べると発電用と住宅用が日量1Bcf程度それぞれ増加しているが、天然ガスの需要全体は日量3.7bcf(約0.43%)程度増加している程度である。パイプラインでの輸出先はメキシコ(大部分)とカナダ(少量)で、LNGの主な輸出先はインド、中国、韓国、日本などのアジア諸国、スペイン、オランダ等のヨーロッパ諸国、ブラジル、チリなどの南米諸国とほぼ世界中に輸出されている。

生産量の増加に比べて需要はそれほどは伸びていない。そのため天然ガスの在庫は上図下段に見えるように3月末に在庫の底を打った時点では例年(5年平均)に比べて30%ほど少なかったが、生産の伸びから以後急速に回復しほぼ例年並みの水準に達している。
天然ガスの生産が現在の高水準で維持されれば、需要が伸び始める冬季までに在庫が過去5年平均を超えると考えられ、天然ガス相場の上値の重しとなるのではないだろうか。


※このコラムで紹介している相場の動きの見方や見通しなどは執筆者の主観に基づくものであり、利益の増加や損失の減少を保証するものではありません。