天然ガスの見通し(つらつらコラム2019年9月20日)

Working Gas in Underground Storage Compared with Five-Year Range
図2 天然ガス在庫 (出展元 EIA)

先週の天然ガス相場は来週の気温が上昇し需要が高まるとの見込みから、久しぶりに大きな上昇が続いたが、先週金曜日にサウジアラビアの油田施設をフーシ派が攻撃したことで月曜日に原油の連れ高となり大幅に上昇した後は1MMBtu当たり2.700ドルを目の前にして下落に転じている。木曜日にEIA(アメリカエネルギー情報局)が発表した天然ガスの在庫は84Bcfの増加となり予想の78Bcfを上回ったことで、3日連続の下落となった(図1)。天然ガス在庫も去年から今年前半は5年平均より大幅に少なかったが生産量の増加を受けて5年平均に近づいている。EIAの報告の中身を見ていきたい。

今週  前週  前年同時期
Marketed Production(Bcf/日)103.0103.696.0
天然ガス生産(Bcf/日)91.692.086.0
天然ガス輸入(Bcf/日)4.64.54.6
天然ガス供給(Bcf/日)96.296.590.7

天然ガスの生産はいまだ拡大が続いている。今週も日量90.0Bcfを上回って生産されており、前年同時期に比べて日量5.6Bcfの増加となる。表中の輸入はカナダからの輸入のみの数値で前年同時期から横ばいとなっている。

今週  前週  前年同時期
発電用(Bcf/日)35.437.435.4
工業用(Bcf/日)21.221.520.9
住宅用(Bcf/日)8.78.99.0
パイプライン輸出(Bcf/日)5.05.15.0
パイプラインでの消費やロス(Bcf/日)6.36.46.0
LNG輸出(Bcf/日)6.55.83.2
天然ガス需要(Bcf/日)83.285.079.5

次に需要だが、夏の需要期は終わりつつあるが、まだ気温が平年より高いため消費量は多い。前年同時期に比べると新しいLNG輸出用基地が完成し運用を開始しており、輸出量が倍となっている。

図3 7日後予報(出展元 NOAA)

図3は7日後の最高気温の予報で、アメリカ南部は30度近くあり、東部でも25度に達する気温が続く予報。図4は6-10日先あるいは8-14日先の平均気温(最高気温と最低気温)の予測で、アメリカ東部・南部・中西部では来週・再来週の気温予想は平均値より高く(赤色)、逆にアメリカ西海岸は平均より低い(青色)予報になっている。以上から、天然ガスの需要はまだ高いと予想されるが、秋が深まるにつれて気温が下がってくるので、早晩冷房用需要は失われ、暖房用需要がどこから本格化するかが今後の天然ガスの価格を左右すると思われる。


※このコラムで紹介している相場の動きの見方や見通しなどは執筆者の主観に基づくものであり、利益の増加や損失の減少を保証するものではありません。