天然ガスの見通し(つらつらコラム2019年9月27日)

図1 天然ガス時間足 (出展元 サクソバンク証券
Working Gas in Underground Storage Compared with Five-Year Range
図2 天然ガス在庫 (出展元 EIA)

先週16日以降の天然ガス相場は、気温が上がることにより暖房用ガス需要の現状見通しから値下がりが続いており、木曜日にEIA(アメリカエネルギー情報局)が発表した天然ガスの在庫が108Bcfの増加となり予想の89Bcfを大幅に上回ったこともあり下落が続いている(図1)。天然ガス在庫は生産量の増加を受けて5年平均とほぼ同量となった(図2)。それでは、EIAの週間報告の中身を見ていきたい。

今週  前週  前年同時期
Marketed Production(Bcf/日)105.1104.197.0
天然ガス生産(Bcf/日)93.192.286.8
天然ガス輸入(Bcf/日)4.34.64.8
天然ガス供給(Bcf/日)97.596.991.7

天然ガスの生産は拡大中で、日量93.0Bcfを上回っており、前年同時期に比べて日量6.3Bcfの増加となる。代わりに輸入量が微減しているため供給量は微増にとどまる。次に需要の内訳は、

今週  前週  前年同時期
発電用(Bcf/日)33.235.436.6
工業用(Bcf/日)21.121.221.3
住宅用(Bcf/日)9.38.79.0
パイプライン輸出(Bcf/日)5.35.05.0
パイプラインでの消費やロス(Bcf/日)6.36.36.1
LNG輸出(Bcf/日)6.16.52.9
天然ガス需要(Bcf/日)81.383.181.1

夏の需要期が終わり、需要自体が前週の報告と比較して低減傾向にある。次に平均気温と需要の関係を簡単に見てみよう(20日以降は来週の報告に含まれる)。

次に需要だが、夏の需要期は終わっているが、先週は気温がやや低下した(図3A)ため20日までの消費量は下がっていたが、再び気温が上がっているため直近の発電用需要も高い水準となった(図3B)。一方で、個人向け住宅用のガス消費量はほぼ横ばい状態(図3C)。

図4 平均気温比較 (出展元 EIA)

図4はここ先週1週間の平均気温と2週間前の平均気温の比較で、秋になったことから全般的に気温が下がっているが、中西部・西部の北部では5度以上気温が高かった。ただし、大量消費地ではないため影響は小さかった。

図5 7日後最高気温予報(出展元 NOAA)
図7 7日後最低気温予報(出展元 NOAA)

図5は7日後の最高気温の予報で、アメリカ南部は30度近くあり、東部でも25度に達する気温が続く予報。図6は6-10日先の平均気温の予測で、アメリカ東部・南部・中西部では来週・再来週の気温予想は平均値より高く(赤色)、逆にアメリカ西海岸は平均より低い(青色)予報になっている。8-14日先ではこれまで気温の高かった東部で気温が下降する予報になっている。逆に西部では冷え込みが緩和する見込み。
以上から、天然ガスの需要は先細りが予想される。図7の最低気温のように北部から本格的に秋に入っているため冷房用需要がほぼなくなり、価格の低迷が予想される。一方で例年より気温が高く、東部ではまだ最低気温が20℃はあるため、暖房用需要が高まり価格が上昇するまでしばらく時間が必要だろう。


※このコラムで紹介している相場の動きの見方や見通しなどは執筆者の主観に基づくものであり、利益の増加や損失の減少を保証するものではありません。