図1上段 天然ガス日足 (出展元 サクソバンク証券) 図1下段 天然ガス在庫 (出展元 EIA)
先週の天然ガス相場は来週の気温が上昇し需要が高まるとの見込みから、久しぶりに大きな上昇が続いた。木曜日にEIA(アメリカエネルギー情報局)が発表した天然ガスの在庫は84Bcfの増加となり予想の78Bcfを上回ったことで、この日だけは陰線で引けたものの、先週より約0.2ドル高い1MMBtu当たり2.500ドルの水準まで上昇し、5月以来の高値を付けた。
今週 | 前週 | 前年同時期 | |
Marketed Production(Bcf/日) | 103.9 | 103.6 | 95.0 |
天然ガス生産(Bcf/日) | 92.5 | 92.3 | 85.2 |
天然ガス輸入(Bcf/日) | 4.2 | 3.9 | 5.0 |
天然ガス供給(Bcf/日) | 96.7 | 96.2 | 90.3 |
天然ガスの生産は拡大が続いている。今週、過去最大となる日量92.5Bcfが生産されており、前年同時期に比べて日量6.4Bcfの増加となる。表中の輸入は前年同時期と比べて引き続き約2割減となっている。
今週 | 前週 | 前年同時期 | |
発電用(Bcf/日) | 36.3 | 37.2 | 36.9 |
工業用(Bcf/日) | 21.4 | 21.7 | 21.8 |
住宅用(Bcf/日) | 9.0 | 8.6 | 7.6 |
パイプライン輸出(Bcf/日) | 5.2 | 5.1 | 5.0 |
パイプラインでの消費やロス(Bcf/日) | 6.4 | 6.4 | 6.0 |
LNG輸出(Bcf/日) | 6.3 | 6.4 | 3.3 |
天然ガス需要(Bcf/日) | 84.5 | 85.4 | 80.7 |
次に需要だが、住宅用冷房のための消費が約4%伸びいるが、発電用の需要は約3%落ち込みを見せている。輸出は約2%の増加とほぼ横ばいで前週から大きな変化はなかった。

図4-1土曜日最高気温予測(出展元 NOAA) 図4-2日曜日最高気温予測(出展元 NOAA) 図4-3 8-14日気温予測(出展元 NOAA)
図4は先週1週間の平均気温(最高気温と最低気温)で、これだけではわかりにくいが、先週の気温は平年より高かった。図4は今週末から来週にかけての気温の予報(8日後から14日後)を示している。来週の気温予想は平均値より高く(赤色)、来週の天然ガス需要は今週より多くなることが予想される。自律反発がみられるほか、レートが節目の2.500ドルを上抜けしたこともあり、今週の天然ガスは更に伸びるのではないだろうか。
※このコラムで紹介している相場の動きの見方や見通しなどは執筆者の主観に基づくものであり、利益の増加や損失の減少を保証するものではありません。