天然ガス急落(つらつらコラム2019年7月17日)

図1 天然ガス日足チャート出展元 Investing.com)

昨日の天然ガス相場は図1にように4%ほど急落した。週末にメキシコ湾岸で発生した熱帯性暴風雨バリーが上陸したが、大きな被害をもたらすことなく衰退し熱帯低気圧に変わったことで生産が回復するという見通しが下落圧力となった。事実、火曜日のメキシコ湾岸での天然ガス生産は週末の1.2bcfから日量1.3bcfと回復しているが、7月の初めの生産量は3.1bcfだったので、ゆっくりとしたペースとなっている。また、アメリカ全土の需要がリフィニティブ社の予想では、来週の需要は910bcfと今週の913bcfに減少する見込み。これは7月下旬の気温が従来予想されていたよりも上がらず、今週末をピークの低下に転じるとの天気予報に基づいている。同様に、冷房用電力需要の減少から発電所用需要も減ると予測されているが、なお日量40bcf以上を維持する見込み。これは、2018年の7月に記録した発電用天然ガスの最大値である39.9bcfを超えることになり、アメリカのエネルギー消費の天然ガスへのシフトが裏付けられた形となる。また、LNGとしての輸出量が新しい輸出ターミナルが完成し、稼働を開始したことで過去最大量となる日量6.1bcfに達している。ガスの消費量が増加する傾向にある一方で、アメリカの天然ガス生産量も今月初めにこれまでの最大量となる日量91.1bcfを記録している。このように、天然ガス在庫の増加要因と減少要因がともに記録的な量に達する中、2017年9月以来5年平均を下回り続け30%少なくなっている現在の天然ガスの貯蔵量がどこまで回復するのかあるいは減少し続けるのかが年後半の注目ポイントになると考えられる。


※このコラムで紹介している相場の動きの見方や見通しなどは執筆者の主観に基づくものであり、利益の増加や損失の減少を保証するものではありません。