昨日のダウを振り返って(つらつらコラム2019年10月09日)

 

図1 ダウ30分足 (出展元 サクソバンク証券株式会社

昨日のダウはアジア時間の寄りでは、約100ドル上昇したものの欧州時間から総崩れ状態で下落し400ドル以上下落した。わずかにFRBのパウエル議長が月末の利下げについて含みを持たせる発言を行った時間だけが買い戻されるという状況だった。実は筆者はテクニカル的な下落を予想したものの、一昨日の展開を元に25600ドルとというにエントリーポイントを置いたのだが、これがわずか10ドルほどの差で外れてしまい、結果を考えると非常に残念な展開となってしまった。途中でエントリするのもなかなか難しく、結局売りでエントリーできなかった。それでも、午前0時頃の最初の底を見て、その日唯一と言って良い上げの部分を買いで捕まえることが出来たのが、せめてもの言い訳となりうるだろうか。
以下は言い訳である。直近で同程度に下げた10月1日、2日にしてもこれほど長時間にわたって下げたことは直近ではなかった。下図は1日と2日のチャートだが、1日は23時頃、2日は22時30分ごろと立会時間に下げていたが、昨日8日は16時と欧州時間の開始時間から下げ続けたという点が異なっていた。そのため、下げ止まりを考えて立会時間開始直後にはエントリーができなかった。もっとも、調べれば同様な動きを示している日もあるので、単純に欧州時間に下げる材料があったと言われればそれまでであるが。ちなみに8月14日はアメリカで逆イールドが発生した他、発表された中国、ドイツの経済指標が悪化というイベントが重なり結果、900ドル近く下げた日だった(図3)。

図2 10月1日と10月2日を中心としたダウ30分足 (出展元 サクソバンク証券株式会社
図3 8月14日のダウ30分足 (出展元 サクソバンク証券株式会社

最後に、ダウの先行きについて私見を述べて締めとしたい。明日10月10日から米中貿易協議はこれまでの次官級から閣僚級の協議が始まる予定だった。閣僚級協議としても、総体的な合意を望むアメリカ側と小出しの結果を望む中国側といった協議の困難さを伝える情報が流れていたが、昨日のアメリカ側の対応の結果、合意形成は極めて難しい状況に陥ったのではないかと考える。詳細や是非をここでは述べないが、新疆ウイグルの問題は昨日今日の問題ではないが、直近では2018年8月に国連人種差別撤廃委員会で指摘されて以来、アメリカ国内では問題への関心が高まりを見せていたようだ。ただし、今年7月に欧州諸国と日本などが署名する公式に中国の人権侵害を非難する書簡が国連人権委員会に送られた時点ではアメリカは署名しておらず、この時点では今回の措置を考えていたとは考えにくい。そして、昨日、アメリカ国務省・商務省が中国側に圧力をかける方向に踏み切ったことで、繰り返しになるが、明日からの貿易協議での合意は全く可能性がないものになったと考えても良いと考えられる。その一方で、欧米諸国の国民が敏感な人権問題を理由にするのであれば、米中貿易協議の合意が成立しないことで多少の経済的損失があっても(例えば、株価が下がったとしても)アメリカ国民は支持をする可能性が高いということが政権側の計算に入っているのではないかというのは考え過ぎだろうか。


※このコラムで紹介している相場の動きの見方や見通しなどは執筆者の主観に基づくものであり、利益の増加や損失の減少を保証するものではありません。