穀物について、USDAクロッププログレスレポート(つらつら分析2019年11月13日)

図1 大豆時間足(出展元 サクソバンク証券株式会社
図2 コーン時間足(出展元 サクソバンク証券株式会社

昨日の大豆相場はUSDAの輸出検証高が133.0万トンと100万トンを超えた他、中国向けが76.3万トン(前週75.2万トン)含まれたものの、前週の148.2万トンを下回ったことや予想の範囲内となったこともあって反応は乏しかった。そのため当日に予定されていたトランプ・アメリカ大統領のニューヨークでの演説待ちの展開となった。当の演説では市場が期待した米中間の協議合意についての新情報はなく、相場の方向性に欠けた展開となった(図1)。一方のコーンは、USDA発表の輸出検証高が56.0万トンと前週の28.3万トンを大きく上回ったことが材料となり、ショートカバーの買いも入って約5セント上昇した(図2)。

今日も今週のUSDA(アメリカ農務省)のクロッププログレスレポートとCFTC(アメリカ商品先物取引委員会)発表の建玉数の中身を見ていきたい。
まず、大豆のプログレスレポートだが、今年の収穫も85%が終了し、前年のペースに並んだが、平年に比べるといまだに1週間程度の遅れとなっている。

大豆    今週    前週    前年    平年    
収穫率85%75%87%92%

次にCTFC発表のここ5週間の大豆の建玉数は以下の通り。

    総建玉   大口投機家
買玉  
大口投機家
売玉  
差引    大口当業者
買玉  
大口当業者
売玉  
差引    
10/8711,318163,729122,30841,421343,691384,297-40,606
10/15752,145180,21498,41681,798337,558425,401-87,843
10/22795,241180,50889,05291,456380,019469,469-89,450
10/29714,564182,74880,065102,683330,438421,365-101,927
11/5704,165178,31683,38391,933329,221415,848-86,627

図3は先週までの2019年の大豆建玉数、建玉の前週比、買い越し数となっている。先週は投機筋は買い玉が若干減少、売り玉が8%以上増加している。結果、91933枚の買い越しと、前週より買い越し数は減少した。

コーンのプログレスレポートは以下の表の通り。コーンの収穫は好天に恵まれて進んだものの、未だ平年と比べて20%近い遅れとなっている。なお作柄の発表は終了している

コーン    今週    前週    前年    平年    
収穫率66%52%83%85%

次にCFTC発表のここ5週間のコーンの建玉数は以下の通り。

    総建玉   大口投機家
買玉  
大口投機家
売玉  
差引    大口当業者
買玉  
大口当業者
売玉  
差引    
10/81,621,187346,062350,324-4,262710,405793,329-82,924
10/151,570,763320,150316,8033,347685,371763,474-78,103
10/221,608,763312,403323,782-11,379723,726790,334-66,608
10/291,591,878303,450311,503-8,053715,620786,018-70,398
11/51,609,336300,831326,818-25,987740,234794,251-54,017

図4は先週までの2019年のコーン建玉数、建玉前週比、買い越し数となっている。投機筋は買い玉は横ばい、売り玉が約5%の増加となった。結果、25987枚の売り越しとなっている。

コーンベルトの今日の天候は寒気が広がり、アメリカに東側で大きく気温が低下して強い冷え込みとなっていて、コーンベルトの北側では雪、南側ではみぞれとなっている。

図6A 6-10日気温予報 (出展元 NOAA)
図6B 6-10日気温予報 (出展元 NOAA)

次に、今週も週ごとの収穫率の詳細を見ておきたい。
まず大豆の収穫率は前年並みとなり、平年比で10%程度(約1週間程度)の遅れとなるまで遅れを回復している。特にこれまで収穫の遅れていたミシガンやノースダコタ、ミズーリなどでも収穫が進んだ。

州名       今週収穫率(%)    前週収穫率(%)    平年収穫率(%)      
アーカンソー888291
イリノイ877795
インディアナ887991
アイオワ918096
カンザス837086
ケンタッキー837776
ルイジアナ1009999
ミシガン745786
ミネソタ918099
ミシシッピー959396
ミズーリ725482
ネブラスカ969497
ノースカロライナ544550
ノースダコタ745698
オハイオ867892
サウスダコタ918298
テネシー807579
ウィスコンシン716292
平均857592

一方のコーンの収穫も進んでいるが、全体として20%程度遅れていて、まだ3分の1の収穫が終わっていない。特に、ノースダコタやサウスダコタ、ミシガン、ウィスコンシンでは収穫率は全体の3割程度から2割程度と非常に遅れている。一方でアイオワ州では今週収穫が進み20%高くなった。

州名       今週収穫率(%)    前週収穫率(%)    平年収穫率(%)    
コロラド836676
イリノイ715893
インディアナ725785
アイオワ644386
カンザス908394
ケンタッキー969595
ミシガン332564
ミネソタ634487
ミズーリ797194
ネブラスカ746083
ノースカロライナ1009999
ノースダコタ151076
オハイオ654979
ペンシルベニア655873
サウスダコタ392782
テネシー1009999
テキサス928893
ウィスコンシン302165
平均665285

まとめると、大豆は2週間程度で収穫が終了するが、コーンは遅れている州があり、収穫終了には4週間以上の時間が必要なのではないだろうか。一方、天気予報では来週にむけて気温が上昇に向かい農作業の進展が期待される。ただし、寒気が生育期に直撃している冬小麦の作柄懸念から小麦相場につれ高となることもありうるので、気温には引き続き注意したい。大豆相場は中国との部分合意が行われるかに焦点が集まっている。ただし、中国向けの輸出は週70万トン前後と好調を維持しており、今週末の発表の成約高で確認が取れれば上げる材料になるだろう。一方のコーン相場は輸出が低調となっているため、国内での消費策としてのバイオ燃料の増産に関する続報がない限りはしばらく低迷を続けるのではないだろうか。


※このコラムで紹介している相場の動きの見方や見通しなどは執筆者の主観に基づくものであり、利益の増加や損失の減少を保証するものではありません。