穀物について、USDAクロッププログレスレポート(つらつら分析2019年11月19日)

図1 大豆時間足(出展元 サクソバンク証券株式会社
図2 コーン時間足(出展元 サクソバンク証券株式会社

昨日の大豆相場は米中協議をめぐる報道に左右された。朝方は先週末のアメリカ政府高官の発言を支援材料として小幅な動きだったが、中国政府側はアメリカとの通商合意に悲観的になっているという報道がされたことで、合意の先行き不安から大豆にも強い売りが入った。この日発表のUSDAの輸出検証高は153.2万トン(内、中国向け91.3万トン)、前週の134.7万トンを上回る好調な結果だったが、市場の反応は乏しく下落で引けた(図1)。一方のコーン相場はコーンベルトでの収穫が進むとの観測と、南米のコーン産地に生育に適した降雨があったことを材料に売りが入った。コーンの輸出検証高は63.7万トンと前週の58.0万トンを上回ったものの、予想レンジの範囲内だったこと、前年同時期の84.5万トンに及ばない値だったことから材料とならなかった(図2)。

今日も今週のUSDA(アメリカ農務省)のクロッププログレスレポートとCFTC(アメリカ商品先物取引委員会)発表の建玉数の中身を見ていきたい。
大豆のプログレスレポートでは今年の収穫の91%が終了し、平年に比べると1週間程度の遅れとなっているが、今月内には収穫が終了すると考えられる。

大豆    今週    前週    前年    平年    
収穫率91%85%91%95%

次にCTFC発表のここ5週間の大豆の建玉数は以下の通り。

    総建玉   大口投機家
買玉  
大口投機家
売玉  
差引    大口当業者
買玉  
大口当業者
売玉  
差引    
10/15752,145180,21498,41681,798337,558425,401-87,843
10/22795,241180,50889,05291,456380,019469,469-89,450
10/29714,564182,74880,065102,683330,438421,365-101,927
11/5704,165178,31683,38391,933329,221415,848-86,627
11/12743,089166,94898,61463,334366,448427,398-60,950

図3は先週までの2019年の大豆建玉数、建玉の前週比、買い越し数となっている。投機筋の買い玉は今週11000枚ほど減少し、売り玉が12000枚以上増加している。結果、68334枚の買い越しと、前週より買い越し数は20%以上減少した。

コーンのプログレスレポートは以下の表の通り。コーンの収穫は好天に恵まれて進んだものの、未だ平年と比べて20%近い遅れとなっている。なお作柄の発表は終了している。

コーン    今週    前週    前年    平年    
収穫率76%66%89%92%

次にCFTC発表のここ5週間のコーンの建玉数は以下の通り。

    総建玉   大口投機家
買玉  
大口投機家
売玉  
差引    大口当業者
買玉  
大口当業者
売玉  
差引    
10/151,570,763320,150316,8033,347685,371763,474-78,103
10/221,608,763312,403323,782-11,379723,726790,334-66,608
10/291,591,878303,450311,503-8,053715,620786,018-70,398
11/51,609,336300,831326,818-25,987740,234794,251-54,017
11/121,610,507304,283336,269-31,986716,483766,035-49,552

図4は先週までの2019年のコーン建玉数、建玉前週比、買い越し数となっている。投機筋の買い玉は横ばいだが、売り玉が約3%の増加となった。結果先週より6000枚余り売り玉が増加し、31986枚の売り越しとなった。

今日のコーンベルトは寒気が去ったものの、新しい寒冷前線に近い中央ではみぞれ、西側では雨となっている(図5)。週の後半らから来週にかけては気温が一旦下がるものの、その後は平年並みまで上昇すると予想されている(図6)。

図6A 6-10日気温予報 (出展元 NOAA)
図6B 8-14日気温予報 (出展元 NOAA)

次に、今週も週ごとの収穫率の詳細を見ておきたい。
まず大豆の収穫は多くの州ではほぼ終わった。収穫の遅れているミシガンやノースダコタ、ミズーリ、ウィスコンシンなどがまだ収穫率8割程度となっている。

州名       今週収穫率(%)    前週収穫率(%)    平年収穫率(%)      
アーカンソー938895
イリノイ928798
インディアナ918895
アイオワ959198
カンザス928392
ケンタッキー888383
ルイジアナ10010099
ミシガン767491
ミネソタ979199
ミシシッピー979598
ミズーリ837289
ネブラスカ999699
ノースカロライナ615459
ノースダコタ847498
オハイオ908695
サウスダコタ959199
テネシー858085
ウィスコンシン777195
平均918595

一方のコーンの収穫も進んでおり75%が終了した。ただ、植え付け前の長雨と寒気の影響を受けたノースダコタやサウスダコタ、ミシガン、ウィスコンシンでは収穫率は全体の4割程度から3割程度となっている。

州名       今週収穫率(%)   前週収穫率(%)    平年収穫率(%)    
コロラド928387
イリノイ807197
インディアナ807291
アイオワ776493
カンザス959096
ケンタッキー989696
ミシガン393375
ミネソタ776394
ミズーリ857996
ネブラスカ857491
ノースカロライナ100100100
ノースダコタ231585
オハイオ756587
ペンシルベニア726581
サウスダコタ533991
テネシー10010099
テキサス959296
ウィスコンシン443077
平均766692

まとめると、大豆の収穫終了はが月内が予想される。先週の筆者の予想では来週の始めの収穫終了を予想していたが、収穫の遅れているコーンベルト西部で今週末などに雨が多い予報となり収穫作業の遅れが予想されることから1週間予想を繰り下げて、約2週間後に予想を据え置いた。コーンも同様に作業の遅れから予想を据え置いて、収穫終了までには4週間程度の時間が必要と予想する。大豆相場は対中関税発動期限が12月15日に迫る中、米中協議関連のニュースで高下する状態がつづいている。中国向けの輸出自体は今週も好調だったが大きな買い材料にはならなかった。逆に中国向けが今後の検証高報告で減少するようなことがあれば、値段を大きく下げるのではないだろうか。一方のコーン相場は飼料用などの輸出が低調となっており、輸出検証高の増加もまだ買い材料となる量ではない状態である。また、南半球の産地での好天と生育が進んでいることから、しばらく上げる材料には乏しく低迷を続けるのではないだろうか。


※このコラムで紹介している相場の動きの見方や見通しなどは執筆者の主観に基づくものであり、利益の増加や損失の減少を保証するものではありません。