英国保守党新首相決定(つらつらコラム2019年7月25日)

図1 ポンドドル・時間足 出展元 Investing.com)

英国の新首相が決定し、政局不安が去ったことでポンドが買い戻されている。ただ、ボリス・ジョンソン新首相は「再交渉か合意なき離脱か」と党首選で述べており、合意なき離脱のリスクが高まったことで上値は重いようだ。テリーザ・メイ前首相は3年前の国民投票でEU離脱を決定したものの、その後の議会の説得に手間取り、期限である3月29日までに2度の採決に失敗、EU側に離脱作業の延期を申し入れる事態になっていた。10月31日までの延期自体は認められたものの、依然議会の協力が得られず、5月24日に辞職を表明していた。後継を選ぶ保守党の党首選挙が昨日終了し、ジョンソン前外相に決定、首相に就任した。ジョンソン首相はECであったころからEC懐疑派として知られ、現在EU懐疑派の急先鋒であった。英国の国民投票もEU離脱を主導、その後、離脱方針を巡る対立から外相を辞任していた。今回の党首選はいずれも離脱賛成派の候補が立候補していたため、離脱方針自体は変わらないが、最終的に合意なき離脱であっても期限通りの離脱を主張する最強硬派のジョンソン首相が当選するかどうかが注目されていた。
今後、イギリス議会がどう判断を下すのかが注目のポイントとなる。メイ前首相の場合に比べれば、離脱案に反対していた離脱強硬派の説得を行う必要がなくなり上手く党内がまとまるかもしれない(保守党党員での合意なき離脱支持派は66%いる)。また、離脱支持を党是とするブレグジット党(欧州議会選挙で躍進)から上手く協力を引き出せれば、有権者の支持を取り戻せるかもしれない。一方で、離脱案で問題だったバックドア条項が消滅したわけではなく、交渉相手のEUは欧州議会選挙が終わったばかりで体制が整うのは10月になるため、交渉期間はほとんどないと言える状況で合意なき離脱が現実味を帯びてきたと思われる。


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