金相場の見通し(つらつらコラム2019年8月19日)

先週の金相場は、12日に香港のデモで空港が閉鎖されたことやイタリアとアルゼンチンの政局不安から上昇。13日にはアメリカ・トランプ政権が対中関税の一部を延期を発表したことで下落。14日にアメリカとイギリスの債券市場で長短金利に逆イールドが発生したことで上昇。15日にアメリカの小売売上高が好調だったことで上昇するも、中国が関税に対して報復を示唆したこと、長期金利が下がったため下落。16日は長期金利の上昇から下落した後、FRBの追加利下げ期待から上昇。と乱高下した(上図)。今日は建玉の方向から、今後の金相場の見通しについて考えてみたい。下表はCFTCが発表した、ここ1か月の大口投機家と大口当業者の建玉の一覧となる(小口投機家は総額が小さいので省略)。

総建玉大口投機家
買玉
大口投機家
売玉
差引大口当業者
買玉
大口当業者
売玉
差引
7/16601,900309,53564,034245,501175,785453,193-277,408
7/23616,859311,88160,631251,250175,785463,624-287,839
7/30563,298312,21457,826254,388141,164429,131-287,967
8/6600,317350,55858,013292,545137,010461,335-324,325
8/13593,962346,22356,133290,090136,823460,550-323,727
CFTC金建玉数推移

当業者の建玉数には大きな変動はないが、注目したいのは7月30日から8月6日にかけて大口投機家=ファンドの買玉が10%以上増加していることである。この週には、FOMCで利下げが決定したことに加えて、アメリカ・トランプ政権が9月1日に中国に対して関税第4弾を発動したため大きく金が買われた週だったため、金が大幅に買い越されたと考えられる。今週の建玉に話を戻すと、依然として、大口投機家の金の買玉が高い水準で残っている。これは、長期化する米中間の貿易摩擦や世界経済の先行き懸念、政治的リスクなど、リスク回避の動きが続いている他、FRBの追加利下げへの期待が燻っていると考えられる。以上から、今週も基本的な流れとして、金は上昇すると考えることができるだろう。


※このコラムで紹介している相場の動きの見方や見通しなどは執筆者の主観に基づくものであり、利益の増加や損失の減少を保証するものではありません。