原油の見通し(つらつらコラム2019年8月15日)

昨日の原油相場は国債市場の逆イールド発生による景気後退懸念の拡大などを材料に売りが入り下落した(上図上)。早朝に発表されたAPIの統計(前週比で原油在庫370万バレル増、ガソリン在庫370万バレル増、留出油130万バレル減)でも夜のEIAの統計(前週比で原油在庫160万バレル増、ガソリン在庫140万バレル減、留出油190万バレル減)でも原油在庫の2週連続の増加(上図下)。今日はEIAの週間レポートの中身を簡単に見て分析しておきたい。

今週  前週  4週平均前年同時期
原油生産(万バレル/日)1230123012021090
原油輸入(万バレル/日)771714713901
原油輸出(万バレル/日)268186260159

アメリカ国内の原油生産は日量1230万バレル(前週+0バレル)で、4週間の平均と比べても特筆する変化はない。また昨年の同時期に比べると日量で100万バレル増加している。
原油輸入は増加。日量771万バレル(前週+57万バレル)で前年同時期は日量811万バレルだったので12%減少している。寄り道して主な原油の輸入先を書いておくとカナダ43.2%、サウジアラビア11.9%、メキシコ7.6%、以下イラク、コロンビア、ナイジェリア、エクアドル、ブラジル、クェートとなっており陸続きのカナダとメキシコで半分を占めている。
原油輸出も増加。日量268万バレル(前週+82万バレル)で4週間平均の260万バレルと同程度で前週が少なかったと考えられる。前年同時期の輸出は日量185万バレルだったので昨年より60%の増加となっている。順調にアメリカは原油のネット輸出国の道を歩んでいる。

今週  前週  4週平均前年同時期
ガソリン生産(万バレル/日)993961970952
ジェット燃料生産(万バレル/日)201181189179
留出油生産(万バレル/日)385388397422

次に石油製品の生産は、夏の需要期を迎えてガソリンの生産は日量993万バレル(前週+30万バレル)、前年よりも日量41万バレル増となり過去最大量となった。次に灯油に相当するジェット燃料の生産は日量201万バレル(前週+20万バレル)、軽油相当の留出油は日量385万バレル(前週-3万バレル)となっている。

今週  前週  4週平均前年同時期
ガソリン輸出(万バレル/日)45776493
ジェット燃料輸出(万バレル/日)26102016
留出油輸出(万バレル/日)162143138104

石油製品の輸出はガソリンが日量45万バレル(前週+32万バレル)で4週間平均から19万バレル減少している。ジェット燃料の輸出は日量26万バレル(前週+16万バレル)。留出油は日量162万バレル(前週+19万バレル)、4週間平均より24万バレル増加している。

まとめると生産増大と輸出減少で供給が前週より日量60万バレル増えてもガソリン在庫が減っている。ここから原油消費の大部分を占めるガソリン消費は旺盛と判断することができる。他のジェット燃料や留出油の在庫も消費シーズンであることから減少傾向にある。加えて、原油在庫の増加も原油輸入量の増加分でほぼ説明できるため国内消費の減少とはまだ言えない。
現在の原油・石油製品の統計データからは、まだアメリカの経済活動の陰りは見えてこない。引き続き原油在庫だけでなくガソリンや留出油の在庫にも注意したい。


※このコラムで紹介している相場の動きの見方や見通しなどは執筆者の主観に基づくものであり、利益の増加や損失の減少を保証するものではありません。