8月の穀物需給報告(つらつらコラム2019年8月13日)

昨日の穀物相場は、USDAが8月の需給報告を発表した後、大豆、コーン共に弱気な内容だったため急落した。大豆は事前予想に反しイールドが据え置かれたが、作付け面積が予想以上に減ったため生産量も減少した。コーンは予想に反してイールドが引き上がったほか、予想に反して転作が進んでいないため、生産量や在庫が予想より大幅に増加した。事前に強気な予想となっていただけにその反動からコーンはストップ安となった(上図右)。内容について今朝発表の作柄報告と合わせて見ていきたい。

2019/20年度の大豆の生産は7月の報告に比べて作付け面積は7670万エーカーと7月8000万エーカーに比べ微減となった。一方でイールドは48.5ブッシェルと7月から据え置かれた。この数字は昨年の51.6ブッシェルに比べて微減かつ事前予想(予想は引き下げ)外の値となった。よって生産量は36.8億ブッシェルと7月の38.4億ブッシェルから作付け面積減少分となる1.6億ブッシェル減った。一方で需要予想は40.1億ブッシェルと7月の41.2億ブッシェルから下方修正された。特に輸出が1億ブッシェル減少している。この結果期末の在庫予想は7.5億ブッシェル、在庫率は18.8%となり、7月の在庫予想7.9億ブッシェル、在庫率予想19.3%より改善している。この数字は事前予想よりイールドは上回ったが作付け面積が減少したため0.6億ブッシェル少ない値。今週の作柄報告は開花率82%(前週72%、前年95%、平年93%)、着さや率54%(前週37%、前年83%、平年76%)、作柄は良以上54%(前年66%)、劣以下13%(前年13%)とも前週より据え置きとなった。

2019/20年度のコーンの生産は作付け面積が9000万エーカーと7月の9170万エーカーから若干の下方修正となった。事前予想では春の長雨で作付けが遅れ大豆に切り替わったと考えられていたが、7月の作付け再調査の結果、転作が進まなかったことが示された。イールドは169.5ブッシェルと7月の166.0ブッシェルより引き上げられた(事前予想はほぼ据え置き)ため、生産量も139.0億ブッシェルと7月の138.7億ブッシェルから引き上げられた。一方の需要は141.3億ブッシェルと7月の142.5億ブッシェルから下方修正された。輸出が1億ブッシェル、エタノール生産用が0.2億ブッシェル減少している。よって期末の在庫予想は21.8億ブッシェル、在庫率は15.4%と7月の在庫予想20.1億ブッシェル、在庫率14.1%より増加した。生産量の増加修正により事前予想を約5億ブッシェル上回った。作柄報告はシルキング率90%(前週78%、前年96%、平年97%)、ドウ率39%(前週23%、前年71%、平年61%)、デント率7%(前年24%、平年16%)、作柄は良以上57%(前年70%)、劣以下13%(前年10%)と前週より据え置きとなった。

コーンベルトの天候は8月末からの熱波予想が出ているが、今週末まで気温は低下し、広い範囲で雨や雷雨が発生し雨がちの天候となる予想となっている。前回の土壌水分報告で乾燥に見舞われていた主要産地のイリノイ、インディアナ、オハイオの各州はいずれも降雨が見込まれており、土壌水分の回復に伴い作柄の回復も期待される状況となっている。今後の供給についてはこれまでの熱波予測が外れていることもあり、農作物の生育に適した気候が続いており作柄回復が見込まれるのではないか。一方の需要については米中の貿易摩擦の緩和が必要な状況には変化がない。


※このコラムで紹介している相場の動きの見方や見通しなどは執筆者の主観に基づくものであり、利益の増加や損失の減少を保証するものではありません。