来週の29、30日にFOMC(連邦公開市場委員会)が予定されている。注目されるポイントは、6月、9月に続いて3回目の利下げが行われるかどうかに絞られているといって良いのではないだろうか。利下げの際の値動きを振り返ってみると、7月の利下げの際には市場の予想通り0.25%の利下げが行われたが、FRB議長声明が追加利下げの牽制と解釈されて、ダウ先物は一時400ドル以上下落した(図1)。9月の利下げの際には、市場予想通りの0.25%の利下げだったことで失望売りが入って150ドル以上値下がりした。発表の直後の議長声明で必要な措置をとるという内容が追加利下げもありうると解釈されて一転して200ドル以上値上がりした(図2)。筆者は7月の際の利下げにもかかわらず値下がりする振る舞いを見ていたので、9月のFOMCの時は直前にすべて手放して、様子見の姿勢をとった。結果的に下げた上に戻す動きをしたことは読めなかったため、正解といえただろう。
ここではFOMC前の状況を振り返ってみたい。以下がFOMC前の主なアメリカの経済指標の状況。
7月 | 9月 | 10月 | |
株価 | 27200ドル付近 | 27100ドル付近 | ? |
小売売上高 | +0.4% (予想0.1%) | +0.4% (予想0.2%) | -0.3% 予想(0.3%) |
ISM製造業購買担当者景況指数 | 51.7 (予想51.0) | 49.1 (予想51.1) | 47.8 (予想50.4) |
ISM非製造業購買担当者景況指数 | 55.1 (予想56.1) | 56.4 (予想54.0) | 52.6 (予想55.0) |
非農業部門雇用者数 | 22.4万人 (予想16.0万人) | 13.0万人 (予想16.4万人) | 13.6万人 (予想14.0万人) |
失業率 | 3.7% (予想3.6%) | 3.7% (予想3.7%) | 3.5% (予想3.5%) |
主な情報をピックアップしてみたがアメリカの景気の状況は失業率を除けば、悪化しており、特に小売売上高が予想外の減少をしているところが注目される。また、製造業景況指数が2009年6月以来の低水準となり、非製造業景況指数も2009年6月以来の低い水準となっている。エコノミスト予想で今回のFOMCでの利下げ確率は90%以上と予想されているほか、最新のCME FeDdウォッチでも10月の利下げ確率は92.5%(据え置き7.5%)となっている。
来週のダウの値動きの筆者の見通しだが、既に0.25%の利下げは織り込まれていると考えてよいと考えられる。0.50%と市場の予想外の利下げがない限り大きな上げはないだろうが、9月の利下げでは7月よりFOMC内部での反対票が増加していることや、現在発表が続いている第3四半期のアメリカ企業決算が今のところ利益が増加した企業の方が多く好調さを維持しているように見えることで、大幅な利下げは考えにくいと思う。よって、これまで2回と同様に市場織り込み済みによるFOMC直後のダウの下げが予想されるが、いかがだろうか。
※このコラムで紹介している相場の動きの見方や見通しなどは執筆者の主観に基づくものであり、利益の増加や損失の減少を保証するものではありません。