FRB利下げ(つらつらコラム2019年8月1日)

7月30日から31日かけて開かれていた7月のFOMCが終了し、その中で0.25ポイントの政策金利の引下げが行われた。これは大方の予想通りで一部で期待されていた0.50ポイントの利下げでなかったことや、パウエルFRB議長が声明の中で今回の利下げは「予防的」な利下げで長期的な金融緩和サイクルの始まりではないと言及したことで、近日中の再利下げの観測が後退、失望売りからアメリカの主な株式指数はいずれも1%以上急落した(上図)。早速、トランプ・アメリカ大統領は「期待を裏切る」という形でFRBにツイッターで不満を表明した。
しかし、アメリカ経済の状況は、例えば、昨日急落した平均株価指数は過去最高値の更新を含め月足では2か月連続となる上昇を維持しており、そのほかの経済指標に弱い指標はあるものの、労働市場は通して力強く、決して景気が後退している状況といえない。一方で長引く米中間の貿易摩擦、世界経済の後退など景気後退の下振れリスクがあり、FRBの言うようにそれらの不確実性を考慮した利下げと考えられる。また、FRBが2017年10月より続けていたテーパリングによる量的引き締めが今回前倒しで終了したことで、利下げと組み合わされた整合のとれた金融緩和策という評価もある(量的引き締め終了はトランプ大統領のツイート中でも評価されている)。
ただ、今回の議長声明では「一度きりの利下げだとは言っていない」とも発言しており、再度の利下げの可能性は否定されていない。過去のデータによれば直近の「予防的」利下げはロシア危機のあった1998年に行われているが、この時は3回に分けて計0.75%の利下げが行われたことは覚えておきたい。


※このコラムで紹介している相場の動きの見方や見通しなどは執筆者の主観に基づくものであり、利益の増加や損失の減少を保証するものではありません。