ISMの衝撃(つらつらコラム2019年10月2日)

昨日の23時に発表されたアメリカISM製造業購買担当者景気指数の弱気な数値にレートは大きく動くことになった。今回の数値は47.8と予想の50.4、先月の49.1を下回った。ISM製造業景況指数とも呼ばれるこの指標は1931年から始まる長い歴史を持ち、月の主要指標の中でも最も早く第1営業日に発表されることから、景気の先行指標として注目されている。発表直後、ダウは200pips以上下落し(図1右)、金は120pips以上の上昇となった(図2右)。筆者はダウを買いポジションで持っていたため、下落が始まると同時にストップロスにかかってしまった。200pips下がってから慌ててダウに売りで金に買いで入りなおしたが、もっと早く入れば良かったと思う部分はあるにしても、十分な収益が上がるほど大きな値動きとなった。
ISMの数字の弱気さは2009年6月以来とのことで、数値を調べて見ると42.8という値であった。当時アメリカは前年のリーマンショック以来の不景気にあえいでおり、それでも2009年1月にISMの数字が32.4で底を打って上昇し始めた時期に相当している。36など40以下の数字が続いていた中での42.8は今回と違って相当に良い数字であったことからダウは上昇している(図1左)。ちなみに、株価のほうはISMに遅れること2か月となる2009年3月に6464ドルで底を打って上昇に転じている。また、当時の金の価格は1000ドルほどであった。ここから類推すると既に製造業側は不況にあえいでおり、このままなら今後2か月で不況が表面化するということになるのかもしれない。
景気の先行き見通しは、明日3日に発表されるサービス業側のISM非製造業景況指数や4日の雇用統計の結果が、先行きの見通しを左右しそうだ。最後に、先週報じられたアメリカが対中投資の制限を検討しているというニュースがフェイクニュースであったことに触れておきたい。このことは一昨日月曜日の市場の大きな反応と合わせて大きな驚きだった。中国側の反応が特にないことは国慶節の祝日中のため想定内だが、ついに警官による発砲にまで発展した香港のデモがより激しさを増しており、今週一週間は株はわからないが、金は上昇という動きが続くのではないかと考えている。


※このコラムで紹介している相場の動きの見方や見通しなどは執筆者の主観に基づくものであり、利益の増加や損失の減少を保証するものではありません。