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レポート
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2021/10/28

レポート:EIA週間原油統計(2021年10月28日)

ダイジェスト

・原油在庫426万バレル増加
 原油生産量は日量1130万バレルで前週から横ばい
 輸出入では輸入量が625万バレル、輸出量が278万バレルで349万バレルの輸入超過
 製油所稼働率は0.4%上昇し、原油処理量は5万バレルの増加
 Adjustmentによる在庫調整は今週は増加側で調整量は73万バレル
・ガソリン在庫は199万バレル減少
(生産量+輸入量)>(出荷量+輸出量)となり、出荷量の減少ガソリンの在庫減少幅が縮小した。
 ガソリン生産量は1万バレル増加、輸入量は11万バレル減少
 ガソリン出荷量は31万バレル減少、輸出量は28万バレル増加
・留出油在庫は43万バレル減少
 (生産量+輸入量)>(出荷量+輸出量)で在庫が増加。生産量の増加と出荷量の減少で在庫の減少幅が縮小した
 留出油の生産量は17万バレル増加、輸入量は12万バレル増加
 留出油の出荷量は41万バレル減少、輸出量は19万バレル増加
・原油と石油製品を合わせた在庫量は18億4750万バレルで前週より440万バレルの増加
・オクラホマ州クッシング在庫は91万バレル減少した2730万バレル、クッシングのタンク容量は約7600万バレルで貯蔵率34.7%と3年ぶりの低水準となった。
・OPECプラスはJMMC(共同閣僚監視委員会)を来月11月4日22時から、閣僚会合を同23時から開催し12月の原油生産量を決定する
・イラン核協議が再開されると報道

EIA週間統計の総評

 日本時間11月3日23時半にEIAから週間在庫統計が発表された。原油在庫は426万バレルの増加、製油所の稼働率は前週比で0.4%上昇した85.1%となり、原油消費量は前週比で5万バレル増加した1504万バレルとなった。前日のWTI原油の先物相場は今週のEIAの週間統計の発表後は大きく動かなかったがイラン核協議が再開されるとの報道や原油在庫の増加を材料に取引終了時間まで売られて約2.40ドルの下落となった。石油製品ではガソリン在庫が199万バレル減少、留出油在庫は43万バレルの減少、WTI指標原油であるオクラホマ州クッシングの原油在庫は299万バレル減少した2730万バレルとなり2018年秋以来の低水準となった。
 原油生産は日量1130万バレルで前週から横ばい、原油輸入量は前週比で43万バレル増加した日量625万バレル、輸出量は日量28万バレル減少した日量278万バレルで輸出入全体としては349万バレルの輸入超過となっている。原油の供給不足に対応するため戦略備蓄(SPR)が15万バレル放出されている。原油と全ての石油製品を合わせた在庫は18億4750万バレルと前週比で440万バレルの増加だった。

原油と石油製品の在庫(表1)

 表1は過去4週間分の結果を示している。原油の在庫は426万バレル増加した4億3080万バレル、ガソリン在庫は199万バレル減少した2億1570万バレル、留出油在庫は43万バレル減少した1億万2500バレル、オクラホマ州クッシングの原油在庫は389万バレル減少した2730万バレルだった。

API統計EIA統計今週EIA統計前週EIA統計2週前EIA統計3週前
原油(万バレル)230増426増43減608増234増
ガソリン(万バレル)50増199減536減195減325増
留出油(万バレル)100増43減391減2減39減
クッシング在庫(万バレル)399減232減196減154増
表1 原油・石油製品在庫 (出展元 EIA)

 図1は原油在庫の過去2年分の推移、図2はガソリン在庫の過去2年分の推移、図3は留出油在庫の過去2年分の推移となる。それぞれの図は今年の在庫推移(青線)と過去5年間の在庫レンジ(灰色)とを比較している。原油在庫とガソリン在庫、留出油在庫全てで過去5年間の在庫レンジの中央値より在庫が少なくなっている。特にガソリン在庫は過去5年の在庫レンジより少ない状況となっている。

図1 原油在庫推移(出展元 EIA)
図2 ガソリン在庫推移(出展元 EIA)
図3 留出油在庫推移(出展元 EIA)
原油生産と輸出入、戦略備蓄(日量)(表2と表3)

 表2は原油の生産量と輸出入についてまとめている。原油生産量は日量1130万バレルで前週から横ばい。原油輸入量は前週比で43万バレル増加した日量625万バレル、輸出量は前週比で28万バレル減少した278万バレルで349万バレルの輸入超過となった。Adjustmentは需要と供給それぞれの不確実性(計算のずれなど)のつじつまを合わせて相殺するために需給の計算に加えられる。今週の統計のAdjustmentは先週から11万バレル増加した73万バレルが在庫を増加させる形で加わっている。

原油生産と輸出入今週前週2週前3週前4週平均前年
同時期
原油生産(万バレル/日)113011301140113010981110
戦略備蓄増加(万バレル/日)-15-24-11-13-8-9
原油輸入(万バレル/日)625582599655610566
原油輸出(万バレル/日)278306251302288346
Adjustment(万バレル/日)7362931315560
表2 原油生産と戦略備蓄、輸出入 (出展元 EIA)
*Adjustmentの-はマイナス補正を意味している

 アメリカの原油輸入国上位10か国の国別内訳と前週からの輸入量の増減は表3の通り。今週はカナダやメキシコ、エクアドル、ロシアからの原油輸入が増加した一方で、ナイジェリア、イラク、コロンビア、トリニダード・トバゴからの輸入が減少した。

輸入国輸入量(万バレル/日)前週輸入量(万バレル/日)増減(万バレル)
カナダ347325+22
メキシコ6346+17
サウジアラビア3331+2
コロンビア1421-7
イラク1523-8
エクアドル220+22
ブラジル2820+8
ロシア200+20
ナイジェリア013-13
トリニダード・トバゴ07-7
表3 輸入量国別内訳(出展元 EIA)
石油製品生産量(日量)と製油所稼働率(表4)

 表4は主要石油製品の生産と輸入(供給)についてまとめたものとなる。製油所稼働率は前週から0.4%上昇した85.1%となり、製油所への原油投入量は前週比で5万バレル増加した日量1504万バレルとなった。石油製品の生産ではガソリン生産は前週から1万バレル増加した日量1007万バレル、ジェット燃料生産は前週から横ばいの日量132万バレル、留出油生産は前週から17万バレル増加した日量458万バレルだった。

製油所稼働率等今週前週2週前3週前4週平均前年度
同時期
原油投入量(万バレル/日)150414991506157415021388
製油所稼働率(%)85.184.786.789.686.574.6
ガソリン生産(万バレル/日)  10071006960936977909
ガソリン輸入(万バレル/日) 4960541086846
ジェット燃料生産(万バレル/日)13213213113413284
ジェット燃料輸入(万バレル/日)25171727254
留出油生産(万バレル/日)   458441470477462412
留出油輸入(万バレル/日)  322019292534
表4 石油製品生産量(供給) (出展元 EIA)
石油製品供給(日量、需要)(表5)

 表5は主要石油製品の出荷量(需要)と輸出量の内訳一覧となる。ガソリン出荷量は前週から31万バレル減少した日量932万バレル、ジェット燃料の出荷量は前週から4万バレル増加した日量145万バレル、留出油の出荷量は前週から41万バレル減少した日量386万バレルだった。

石油製品
出荷量(日量)
今週前週2週前3週前4週
平均
前年
同時期
ガソリン出荷(万バレル/日)932963918947939854
ガソリン輸出(万バレル/日)815369406153
ジェット燃料出荷(万バレル/日)145141133169147101
ジェット燃料輸出(万バレル/日)7141311115
留出油出荷(万バレル/日)386427393436411424
留出油輸出(万バレル/日)1099096769387
表5 石油製品出荷量(需要) (出展元 EIA)
石油製品需給(日量)

 原油の需要側では製油所稼働率が前週から0.4%上昇した85.1%となり、原油消費量は前週より5万バレル増加した日量1504万バレルとなった。
 主要な石油製品ではガソリン生産量が前週比で1万バレル増加した日量1007万バレル、輸入量は11万バレル減少した日量49万バレルだった。ガソリンの出荷量は前週から31万バレル減少した日量932万バレル、輸出量は前週か11万バレル減少した日量49万バレルだった。ガソリンのAdjustmentが在庫を減少させる方向に働いたが、出荷量の減少で在庫減少幅が縮小し199万バレルの在庫減だった。
 次に留出油は生産量が前週から17万バレル増加した日量458万バレル、輸入量は前週から12万バレル増加した日量32万バレルだった。留出油の出荷量は前週から41万バレル減少した日量386万バレル、輸出量は19万バレル増加した日量109万バレルとなった。生産量の増加と出荷量の減少で在庫の減少幅が縮小して43万バレルの在庫減となった。
 ジェット燃料生産量は132万バレルで前週から横ばい、出荷量は145万バレルと前週から4万バレルの増加となった。
 石油製品全体の出荷量(需要)は前週比で200万バレル減少した日量1932万バレルとなったが、好調さの基準の一つであるとなる日量2000万バレルを超えられなかった。今週は原油在庫が426万バレル増加、ガソリン在庫が199万バレル減少、留出油在庫が43万バレルの減少となり、全ての石油製品在庫に原油在庫を加えた全石油在庫は前週比で440万バレル増加した18億4750万バレルとなった。

石油製品価格(表6と表7)

 表6はニューヨーク港渡しの石油製品のスポット卸売価格となる。今週の燃料の卸価格はガソリンが前週から横ばい、ディーゼル燃料は約3セントの下落となった。原油価格は前週比で約1.2ドルの下落だった。

スポット卸売価格
(ニューヨーク港渡し)
10/2210/1510/810/19/24前年同時期 
レギュラーガソリン価格
(ドル/ガロン)
2.5712.5742.4402.3462.2631.168
ディーゼル燃料
(ドル/ガロン)
2.5582.5882.4832.3812.2701.152
原油
(ドル/バレル)
84.5382.3979.5576.0174.1839.73
表6 石油製品受渡価格 (出展元 EIA)

 表7は全米の石油製品の小売価格の全国平均を週ごとに集計した結果となる。今週のガソリン小売価格が約6から7セントの上昇、ディーゼル燃料の小売価格は約4セントの上昇だった。燃料小売価格の上昇は今週も続いている。

小売価格10/25 10/18 10/11 10/4 9/27 前年同時期 
レギュラーガソリン価格
(ドル/ガロン)
3.3833.3223.2673.1903.1752.143
中間グレードガソリン価格
(ドル/ガロン)
3.8093.7513.6973.6353.6252.559
プレミアムガソリン価格
(ドル/ガロン)
4.0714.0073.9523.8863.8762.810
ディーゼル燃料価格
(ドル/ガロン)
3.7133.6713.5863.4773.4062.385
表7 石油製品全国価格 (出展元 EIA)

今後の見通し

 アメリカの原油生産量は前週から横ばいの日量1130万バレルだった。需要面では製油所稼働率が前週から0.4%上昇した85.1%となり、原油消費量は5万バレル増加した日量1504万バレルだった。原油輸入量は前週比で日量43万バレル増加した日量625万バレル、輸出量が28万バレル減少した日量278万バレルで、日量349万バレルの輸入超過となっている。輸入量の増加と輸出量の減少により原油在庫は426万バレルの増加となった。
 ガソリンは生産量が1万バレルの増加、ガソリン輸入量は11万バレルの減少、ガソリン出荷量は31万バレルの減少、ガソリン輸出量は28万バレルの増加となった。ガソリンのAdjustmentが在庫を減少させる方向に働いたが、出荷量の減少で在庫減少幅が縮小し199万バレルの在庫減だった。留出油は生産量が17万バレルの増加、輸入量が12万バレルの増加、出荷量が41万バレルの減少、輸出量は19万バレルの増加となった。留出油の生産量の増加と出荷量の減少で在庫の減少幅が縮小して43万バレルの在庫減となった。燃料価格はガソリン卸売価格が横ばい、ディーゼル燃料卸売価格が約3セントの下落だった。一方で小売価格はガソリンが約6から7セント、ディーゼル燃料は約4セントの上昇となり、今週も引き続き上昇が続いている。
 全ての石油製品の出荷量は日量200万バレル減少した1932万バレル、全ての石油製品と原油を合わせた在庫は440万バレル増加した18億4750万バレルとなった。
 前日のWTI原油の先物相場は今週のEIAの週間統計の発表後は大きく動かなかったがイラン核協議が再開されるとの報道や原油在庫の増加を材料に取引終了時間まで売られて約2.40ドルの下落となった。OPECプラスは来月、11月4日23時から閣僚会合を開き12月の生産量を協議する。それまでは大きな値動きはないのではと考えている。


※このコラムで紹介している相場の動きの見方や見通しなどは執筆者の主観に基づくものであり、利益の増加や損失の減少を保証するものではありません。

 

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