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レポート
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2021/11/12

レポート:今週の天然ガス在庫統計と今後の見通し(2021年11月12日)

ダイジェスト

・11月10日に発表された天然ガス在庫は各社予想10Bcf増に対して7Bcf増と在庫増加が予想を下回る強気な内容となったが大きな影響はなかった
・11月5日時点の天然ガス在庫量は3618Bcf(有効容量の84.9%)となっている。在庫量は平年(5年間の平均3737Bcf)に比べて119Bcf少なく、前年(3926Bcf)と比べると308Bcf少ない状態
・祝日のため需給の詳細レポートは休み
・11月のエネルギー短観によると天然ガスの生産量の増加が、設備増加に伴う輸出需要の増加を上回るため天然ガス価格は来年かけて下落する見通し

週間天然ガス在庫総評

 退役軍人の日の祝日のため前倒しで11月10日にEIAが発表した11月5日時点の週間天然ガス在庫量は前週比で7Bcf増加した3618Bcfとなった。11月5日の天然ガス相場は1MMBtu当たり4.9ドルを割り込む場面もあったが、需要増の見方や安値拾いの買いが入って上昇して引けている。今週の天然ガス需給の詳細レポートは祝日のため休みとなった。今日は11月7日に公開されたEIAのエネルギー短観から天然ガスについての見通しを紹介する。

図1 天然ガス在庫量(青線)と5年平均(黒線)、変動幅(灰色)との比較(出展元 EIA)

 図1は天然ガス在庫量を過去5年の平均・変動幅と比較している。現在の全米の在庫量は3618Bcfで平年(5年間の平均3737Bcf、図1黒線)に比べて119Bcf少なく、前年(3926Bcf)に比べて308Bcf少なくなっている。表1はアメリカの地域別の在庫内訳となる。アメリカ東部と南部の内陸部を除くすべての地域で在庫が増加している。現時点の在庫は天然ガス貯蔵施設の設計容量(4693Bcf)の77.1%、有効容量(4261Bcf)の84.9%となっている。

表1 アメリカの天然ガス在庫量(出展 EIA)

採掘用リグ稼働数

10月5日時点10月12日時点 10月19日時点10月26日時点11月2日時点
原油用433基445基443基444基450基
天然ガス用99基98基99基100基100基
表2 ベーカー・ヒューズ社発表の原油・天然ガス採掘用リグ数の前週からの変化

 表2はベーカー・ヒューズ社が毎週金曜日に発表している原油・天然ガス採掘用リグ数となる。11月5日発表のレポート(11月2日時点)によると稼働リグ数は、原油採掘用リグ稼働数が前週から6基増加した450基、天然ガス採掘用リグ稼働数は横ばいの100基でリグの総数は前週比で6基増加した550基となっている。

今後の見通し

LNG輸出

 図2はNGI社が提供している天然ガスパイプライン流量でLNG輸出量の推定値となる。天然ガスの流量は11月2日以降10Bcf台が続いている。特に11月9日には12.0Bcfを超えるなど、輸出は順調に推移している。なお、Calcasieu PassのLNG輸出基地は今週からの輸出は確認できていない。

図2 LNG基地向けパイプライン流量(出展元 NGI)
国内需要

  図3はNOAAが今日発表した8日後から14日後(11月19日から11月25日)の気温予報となる。人口の多い中西部や東部では平年並みの気温となる見込み。それ以外の地域は平年以上の気温となると予想されている。図4は10月31日NOAA発表の最新の1か月予報でメキシコ国境を中心とした地域とアメリカ東部で平年以上の気温となる。それ以外の地域はおおむね平年並みの気温となる見込み。

天然ガス短観
 
図5 天然ガス価格の推移(出展元 EIA)
*実線:実測値、点線:予測値

 図5は天然ガスのヘンリーハブにおけるスポット価格(赤)と住宅用天然ガス価格(青)、黒線はそれぞれの平均価格を示している。10月の米国の天然ガススポット価格は1MMBtu当たり平均5.51ドルで、9月の平均の5.16ドル、2021年上半期の平均3.25ドルから上昇している。これは夏の暑さによる発電需要の高まりや輸出の増加により在庫水準が過去5年平均を3%程度下回ったことが要因となっている。
 今後の価格は天然ガスの生産量が増加することで2022年にかけて下落し、2022年の平均価格は3.93ドル程度になるとEIAは予測している。天然ガス生産量は2021年前半の平均91.9Bcfに対して、今後6か月の平均で95.2Bcf、2022年には96.7Bcfまで増加するとみられており、原油価格の上昇がシェール採掘に追い風となっている。LNG輸出は2021年の前半が平均9.8Bcf、今後6か月の平均は11.5Bcfまで増加する見込み。これは、既存のSabine Pass LNG輸出基地で6系列目の液化設備が完成すること、新設されたCalcasieu Pass LNG輸出基地の1系列目の液化設備が稼働することによっている。
 

まとめ

 退役軍人の日の祝日のため11月10日水曜日に前倒しで天然ガスの週間在庫が発表された。10月29日時点の天然ガス在庫の増加幅は7Bcf増となり各社の事前予想10Bcfを下回る強気な結果となったが相場には大きな影響はなかった。前日の天然ガス相場は一時4.900ドルを割り込む状況も見られたが、NY時間後半から天気予報が気温低下となり暖房用需要が増加するとの見方による買いや安値拾いの買いが入って上昇で引けている。なお11月4日から11月10日までの天然ガス需給の発表は祝日のため行われなかった。EIAが7日に発表したエネルギー短観によると天然ガスの輸出は2022年も好調に続き価格を下支えすると予測している。一方でアメリカの天然ガスの生産も原油高でシェールの開発が促進されていることから今後増加する見通しとなっている。価格面では新しいLNG輸出設備が稼働を始めるものの、設備容量の増加は生産量の増加を下回るために生産量が増加に伴って価格は下落すると予測している。

※このコラムで紹介している相場の動きの見方や見通しなどは執筆者の主観に基づくものであり、利益の増加や損失の減少を保証するものではありません。

 

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