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レポート
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2021/11/04

レポート:EIA週間原油統計(2021年11月4日)

ダイジェスト

・原油在庫329万バレル増加
 原油生産量は日量1150万バレルで前週から20万バレル増加
 輸出入では輸入量が617万バレル、輸出量が292万バレルで325万バレルの輸入超過
 製油所稼働率は1.2%上昇し、原油処理量は2万バレルの減少
 Adjustmentによる在庫調整は今週は増加側で調整量は51万バレル
・ガソリン在庫は148万バレル減少
(生産量+輸入量)>(出荷量+輸出量)となり、ガソリンの在庫減少幅が縮小した。
 ガソリン生産量は10万バレル増加、輸入量は17万バレル増加
 ガソリン出荷量は22万バレル減少、輸出量は5万バレル減少
・留出油在庫は216万バレル増加
 (生産量+輸入量)>(出荷量+輸出量)で在庫が増加。生産量の増加、出荷量と輸入量の減少で在庫が増加に転じた
 留出油の生産量は25万バレル増加、輸入量は13万バレル増加
 留出油の出荷量は18万バレル減少、輸出量は7万バレル増加
・原油と石油製品を合わせた在庫量は18億4650万バレルで前週より100万バレルの減少
・オクラホマ州クッシング在庫は91万バレル減少した2640万バレル、クッシングのタンク容量は約7600万バレルで貯蔵率34.7%と3年ぶりの低水準が続く
・OPECプラスはJMMC(共同閣僚監視委員会)を4日22時から、閣僚会合を同23時から開催し12月の原油生産量を決定する

EIA週間統計の総評

 日本時間11月3日23時半にEIAから週間在庫統計が発表された。原油在庫は329万バレルの増加、製油所の稼働率は前週比で1.2%上昇した86.3%となり、原油消費量は前週比で2万バレル減少した1502万バレルとなった。原油相場は原油在庫の増加で利食い売りが出て下落で引けた。石油製品ではガソリン在庫が148万バレル減少、留出油在庫は216万バレルの増加、WTI指標原油であるオクラホマ州クッシングの原油在庫は91万バレル減少した2640万バレルとなり2018年秋以来の低水準が続いている。
 原油生産は前週比で20万バレル増加した日量1150万バレル、原油輸入量は前週比で8万バレル減少した日量617万バレル、輸出量は日量13万バレル増加した日量292万バレルで輸出入全体としては325万バレルの輸入超過となっている。原油の供給不足に対応するため戦略備蓄(SPR)が23万バレル放出されている。原油と全ての石油製品を合わせた在庫は18億4650万バレルと前週比で100万バレルの減少だった。

原油と石油製品の在庫(表1)

 表1は過去4週間分の結果を示している。原油の在庫は426万バレル増加した4億3410万バレル、ガソリン在庫は199万バレル減少した2億1430万バレル、留出油在庫は43万バレル減少した1億万2710バレル、オクラホマ州クッシングの原油在庫は389万バレル減少した2730万バレルだった。

API統計EIA統計今週EIA統計前週EIA統計2週前EIA統計3週前
原油(万バレル)360増329増426増43減608増
ガソリン(万バレル)60減148減199減536減195減
留出油(万バレル)60増216増43減391減2減
クッシング在庫(万バレル)91減399減232減196減
表1 原油・石油製品在庫 (出展元 EIA)

 図1は原油在庫の過去2年分の推移、図2はガソリン在庫の過去2年分の推移、図3は留出油在庫の過去2年分の推移となる。それぞれの図は今年の在庫推移(青線)と過去5年間の在庫レンジ(灰色)とを比較している。原油在庫とガソリン在庫、留出油在庫全てで過去5年間の在庫レンジの中央値より在庫が少なくなっている。特にガソリン在庫は過去5年の在庫レンジより少ない状況となっている。

図1 原油在庫推移(出展元 EIA)
図2 ガソリン在庫推移(出展元 EIA)
図3 留出油在庫推移(出展元 EIA)
原油生産と輸出入、戦略備蓄(日量)(表2と表3)

 表2は原油の生産量と輸出入についてまとめている。原油生産量は日量1150万バレルで前週比で20万バレルの増加。原油輸入量は前週比で8万バレル減少した日量617万バレル、輸出量は前週比で13万バレル増加した292万バレルで325万バレルの輸入超過となった。Adjustmentは需要と供給それぞれの不確実性(計算のずれなど)のつじつまを合わせて相殺するために需給の計算に加えられる。今週の統計のAdjustmentは先週から22万バレル減少した51万バレルが在庫を増加させる形で加わっている。

原油生産と輸出入今週前週2週前3週前4週平均前年
同時期
原油生産(万バレル/日)115011301130114010991050
戦略備蓄増加(万バレル/日)-23-15-24-11-8-2
原油輸入(万バレル/日)617625582599610502
原油輸出(万バレル/日)292278306251288226
Adjustment(万バレル/日)5173629355-87
表2 原油生産と戦略備蓄、輸出入 (出展元 EIA)
*Adjustmentの-はマイナス補正を意味している

 アメリカの原油輸入国上位10か国の国別内訳と前週からの輸入量の増減は表3の通り。今週はメキシコやコロンビア、エクアドル、ブラジルからの原油輸入が減少した一方で、カナダ、サウジアラビア、イラク、ナイジェリアからの輸入が増加した。

輸入国輸入量(万バレル/日)前週輸入量(万バレル/日)増減(万バレル)
カナダ368347+21
メキシコ4363-20
サウジアラビア3933+6
コロンビア714-7
イラク1815+3
エクアドル922-13
ブラジル1728-11
ロシア20200
ナイジェリア60+6
トリニダード・トバゴ000
表3 輸入量国別内訳(出展元 EIA)
石油製品生産量(日量)と製油所稼働率(表4)

 表4は主要石油製品の生産と輸入(供給)についてまとめたものとなる。製油所稼働率は前週から1.2%上昇した86.3%となったが、製油所への原油投入量は前週比で2万バレル減少した日量1502万バレルとなった。石油製品の生産ではガソリン生産は前週から10万バレル増加した日量1017万バレル、ジェット燃料生産は前週から3万バレル減少した日量129万バレル、留出油生産は前週から25万バレル増加した日量483万バレルだった。

製油所稼働率等今週前週2週前3週前4週平均前年度
同時期
原油投入量(万バレル/日)150215041499150615031355
製油所稼働率(%)86.385.184.786.785.775.3
ガソリン生産(万バレル/日)  101710071006960997907
ガソリン輸入(万バレル/日) 664960545763
ジェット燃料生産(万バレル/日)12913213213113191
ジェット燃料輸入(万バレル/日)24251717214
留出油生産(万バレル/日)   483458441470463427
留出油輸入(万バレル/日)  193220192233
表4 石油製品生産量(供給) (出展元 EIA)
石油製品供給(日量、需要)(表5)

 表5は主要石油製品の出荷量(需要)と輸出量の内訳一覧となる。ガソリン出荷量は前週から18万バレル増加した日量950万バレル、ジェット燃料の出荷量は前週から23万バレル増加した日量168万バレル、留出油の出荷量は前週から18万バレル減少した日量368万バレルだった。

石油製品
出荷量(日量)
今週前週2週前3週前4週
平均
前年
同時期
ガソリン出荷(万バレル/日)950932963918941833
ガソリン輸出(万バレル/日)768153697071
ジェット燃料出荷(万バレル/日)16814514113314791
ジェット燃料輸出(万バレル/日)1071413115
留出油出荷(万バレル/日)368386427393394376
留出油輸出(万バレル/日)102109909699107
表5 石油製品出荷量(需要) (出展元 EIA)
石油製品需給(日量)

 原油の需要側では製油所稼働率が前週から1.2%上昇した86.3%となり、原油消費量は前週より2万バレル減少した日量1502万バレルとなった。
 主要な石油製品ではガソリン生産量が前週比で10万バレル増加した日量1017万バレル、輸入量は17万バレル増加した日量66万バレルだった。ガソリンの出荷量は前週から18万バレル増加した日量950万バレル、輸出量は前週から5万バレル減少した日量76万バレルだった。ガソリンの出荷量の増加を生産量と輸入量の増加が上回ったためガソリン在庫は148万バレル減となり、減少幅が51万バレル縮小した。
 次に留出油は生産量が前週から25万バレル増加した日量483万バレル、輸入量は前週から13万バレル減少した日量19万バレルだった。留出油の出荷量は前週から18万バレル減少した日量368万バレル、輸出量は7万バレル減少した日量102万バレルとなった。生産量の増加と出荷量の減少で在庫が増加に転じて216万バレルの在庫増加となった。
 ジェット燃料生産量は129万バレルで前週から3万バレルの減少、出荷量は168万バレルと前週から23万バレルの増加となった。
 石油製品全体の出荷量(需要)は前週比で16万バレル増加した日量1999万バレルとなったが、好調さ基準の一つであるとなる日量2000万バレルを超えられなかった。今週は原油在庫が329万バレル増加、ガソリン在庫が148万バレル減少、留出油在庫が216万バレルの増加となり、全ての石油製品在庫に原油在庫を加えた全石油在庫は前週比で100万バレル減少した18億4650万バレルとなった。

石油製品価格(表6と表7)

 表6はニューヨーク港渡しの石油製品のスポット卸売価格となる。今週の燃料の卸価格はガソリンが前週から約4セントの下落、ディーゼル燃料は約7セントの下落となった。原油価格は前週比で約0.8ドルの下落だった。

スポット卸売価格
(ニューヨーク港渡し)
10/2910/2210/1510/810/1前年同時期 
レギュラーガソリン価格
(ドル/ガロン)
2.5372.5712.5742.4402.3461.078
ディーゼル燃料
(ドル/ガロン)
2.4872.5582.5882.4832.3811.089
原油
(ドル/バレル)
83.5084.5382.3979.5576.0135.64
表6 石油製品受渡価格 (出展元 EIA)

 表7は全米の石油製品の小売価格の全国平均を週ごとに集計した結果となる。今週のガソリン小売価格が約1から2セントの上昇、ディーゼル燃料の小売価格は約1セントの上昇だった。燃料小売価格の上昇は今週も続いている。

小売価格11/1 10/25 10/18 10/11 10/4 前年同時期 
レギュラーガソリン価格
(ドル/ガロン)
3.3903.3833.3223.2673.1902.112
中間グレードガソリン価格
(ドル/ガロン)
3.8223.8093.7513.6973.6352.533
プレミアムガソリン価格
(ドル/ガロン)
4.0844.0714.0073.9523.8862.786
ディーゼル燃料価格
(ドル/ガロン)
3.7273.7133.6713.5863.4772.372
表7 石油製品全国価格 (出展元 EIA)

今後の見通し

 アメリカの原油生産量は前週比で20万バレル増加した日量1150万バレルだった。需要面では製油所稼働率が前週から1.2%上昇した86.3%となったが、原油消費量は逆に2万バレル減少した日量1502万バレルだった。原油輸入量は前週比で日量8万バレル減少した日量617万バレル、輸出量が13万バレル増加した日量292万バレルで、日量325万バレルの輸入超過となっている。輸入量の減少と輸出量の増加、生産量の増加により原油在庫は329万バレルの増加となった。
 ガソリンは生産量が10万バレルの増加、ガソリン輸入量は17万バレルの増加、ガソリン出荷量は22万バレルの増加、ガソリン輸出量は5万バレルの減少となった。ガソリンの出荷量は増加したが、生産量と輸入量の増加が上回ったため、ガソリン在庫は148万バレルの減少と前週と比べて減少幅が縮小した。留出油は生産量が25万バレルの増加、輸入量が13万バレルの減少、出荷量が18万バレルの減少、輸出量は7万バレルの減少となった。留出油の生産量と輸入量の増加、出荷量と輸出量の減少で在庫が増加に転じて216万バレルの在庫増加となった。燃料価格はガソリン卸売価格が約4セントの下落、ディーゼル燃料卸売価格が約7セントの下落だった。一方で小売価格はガソリンが約1から2セント、ディーゼル燃料は約1セントの上昇となり、今週も引き続き上昇が続いている。
 全ての石油製品の出荷量は日量16万バレル増加した1999万バレル、全ての石油製品と原油を合わせた在庫は100万バレル減少した18億4650万バレルとなった。
 前日のWTI原油の先物相場は今週のEIAの週間統計の発表後に売られて一時80ドルの大台を割り込んだ。買い戻されたが、4日は10時過ぎから再度80ドルを割り込むなど1バレル80ドルを挟んだ値動きとなっている。OPECプラスは今日、11月4日23時から閣僚会合を開き12月の生産量を協議する。市場の大方の予想では月40万バレルの増産が維持される見通しだが、40万バレルを超える増産の可能性もあるので、速報に注意したい。


※このコラムで紹介している相場の動きの見方や見通しなどは執筆者の主観に基づくものであり、利益の増加や損失の減少を保証するものではありません。

 

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