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レポート
column

2021/11/08

レポート:南米の大豆とコーンの作付状況(2021年11月8日)


ダイジェスト

・ブラジルでは大豆の作付が順調に進む
・ブラジルの大豆の収穫は来年1月5日から始まる見通し
・ブラジル産大豆の農作業は例年より早く終わる見通しで、大豆の後に植えられるコーンの作付見通しも良好となっている
・アルゼンチンでは前週から今週にかけて降雨があるが、来週には乾燥が戻る見通し
・アルゼンチンの農家はまとまった降雨まで作付を控えているとの報道
・アルゼンチンでは1月までラニーニャにより乾燥するとの予報

概要

 今日はブラジルとアルゼンチンの天候と作付状況についてレポートする。

作付状況

ブラジル

 ブラジルでは過去2番目の速さで大豆の作付が進んでいる。AgRual社によると今シーズン(2021/2022年シーズン)の大豆の作付率は52%となり、前年の42%、平年の40%を大きく上回っている。ブラジルでは中部から北部にかけて雨が降ったが、南部ではやや雨が少なかった。マトグロッソ州では83%の作付が終了した。これは平年の59%に比べて24ポイント早い。ただし、州北部の一部の地域では降雨が少ないことが報告されている。一方でパラナ州では63%の作付が終了したが、平年の65%に対してやや遅いが前回のレポートに比べて大きく進んでいる。パラナ州の遅れは10月に過剰な雨が降ったことに加えて一部の畑で種が雨で流されたことによっている。一方で南部のリオグランデ・ド・スル州では降雨量が少なく乾燥が進んでいる。作付率は5%となっているが平年並みの値となっている。ゴイアス州では南部を中心に作付けに適した天候となる見通し。マトグロッソ・ド・スル州では北部では作付が進んでいるが、南部では多過ぎる雨が続いており、やや作付けが遅れている。

アルゼンチン

 アルゼンチンでは西部と南部の一部で雨が降ったものの、作付を行うには水分が不足している。ブエノス・アイレス穀物取引所によれば前週初めの時点の大豆の作付率は5%でこの数字自体は平年並みであるものの、今後の進展は降雨次第となっている。
 一方でコーンの作付は28%となっている。作付率は平年では36%、ラニーニャが発生していた前年でも29%となっており、前年よりも作付が遅れている。現状の作柄予想は27%が普通、73%が良好となっている。土壌水分は24%が不足、76%が良好な状態となっており降雨でやや改善した。

天候

ブラジル

 図1と2はNOAA(アメリカ海洋大気庁)によるブラジルの降水量予報で、図1は今後1週間(11月7日から11月13日)の、図2は2週間後(11月14日から11月20日)の天気予報で左側が降水量、右側が降水量の平年からのずれを示している。今後1週間は北部を中心に55mmから100mmと平年の150%近い雨が降る見通し、一方南部では多いところでは45mm程度にとどまり、平年の50%程度の雨となる見通し。図2の示す2週間後にはブラジルの広い範囲で少ないところで25mm、多いところで100mm以上の雨が降る見込み。広い範囲で平年の125%から150%の雨となる見通し。

アルゼンチン

 図3と4はNOAAによるアルゼンチンの降水量予報で、図3は今後1週間(11月7日から11月13日)の、図4は2週間後(11月14日から11月20日)の天気予報で左側が降水量、右側が降水量の平年からのずれを示している。今後1週間、アルゼンチンの大豆とコーンの産地であるパンパでは西側を中心に35~55mmと平年の150%程度の雨となる見込み。一方で中部や西部では平年並みの降水に留まる。図4の示す2週間後にはパンパの広い範囲で平年並みとなる25mm前後の雨が降る見通し。

今後の見通し

 ブラジルの農業コンサルタント会社のAgRural社によれば、ブラジルの大豆の作付は今週も順調となっている。一部の地域で過剰な雨による作付直し、南部での乾燥による作付遅れ等があるものの、全体としては例年より早いペースで農作業が進展する見通し。予想では来年の1月5日に大豆の収穫が始まり、前シーズンと比べて早期に収穫が完了する見通しとなっている。これにより大豆の後に植えられるサフリナコーン(2期作目のコーン)の作付が遅れて乾季の被害を受ける可能性が低くなっており、現時点でのサフリナコーンの生育と作柄はポジティブな見通しとなっている。
 一方、アルゼンチンのブエノス・アイレス穀物取引所によれば大豆の作付、コーンの作付ともに平年並みのペースとなっているが、少雨による乾燥で農家が降雨まで作付を見合わせていると報じられている。前週から今週にかけてはまとまった量の雨が降る見通しとなっているが、翌週以降は乾燥が戻ってくる天気予報となっており、予断を許さない状況となっている。アルゼンチンの長期の天気予報によれば、現在発生しているラニーニャにより11月から1月にかけて乾燥した天候となる見通しとなっている。アルゼンチンではコーンは2期に分けて植えられる。このうち、9月と10月に作付されたコーンは順調と言えるが、乾燥により12月以降に植えられるコーンの作付に影響が出る可能性があるので、天候情報へ注目していきたい。


※このコラムで紹介している相場の動きの見方や見通しなどは執筆者の主観に基づくものであり、利益の増加や損失の減少を保証するものではありません。

 

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