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レポート
column

2021/12/29

レポート:小麦相場の展望(2021年12月29日)


ダイジェスト

・28日の小麦相場は中国向けの需要の減少懸念から連日の下落となった
・2021年を通してアメリカ国内の干ばつ要因で上昇が続いている
・世界的にはカナダやアメリカ、ロシアでの干ばつはあるが、ウクライナやオーストラリア、欧州は豊作で小麦生産は増加
・世界需要の高まりが在庫を減少させており長期的な上昇要因となっている

概要

 今日は大豆とコーンの相場に大きな影響を与えている小麦の現状について報告する。

直近の小麦相場の動き

 前日の小麦相場は中国が自国の小麦生産を安定させることと輸入小麦への依存を減らす方針を発表したことを材料に下落となった。小麦相場の下落で大豆相場やコーン相場も追随し値を一時下げている。

主要生産国の動向

アメリカ

 春小麦の主要産地であるアメリカ西部(ミネソタ州からモンタナ州まで)では2021年/2022年シーズン(9月までが1シーズン)も干ばつが発生した。特にモンタナ州とノース・ダコタ州の西部では収穫が少なくなった。アメリカでは3年連続で干ばつによる不作に見舞われている。この他現在生育中の冬小麦の産地でも干ばつとなっており、2021年/2022年シーズンの生産量は前シーズンの4975万トンから約500万トン減少した4479万トンとなる見通し。輸出量は前シーズンの2699万トンから2286万トンまで約400万トン減少する見通し。

カナダ

 2021年/2022年シーズンの生産量は記録的だった夏の高温乾燥による打撃で、平年の生産量を3割以上も下回る大幅な減産となっている。収穫量は前シーズンの3518万トンから約1300万トン少ない2170万トンまで減少している。収穫できたものも品質が低下しており、主要輸出国であるカナダの輸出量は今年の小麦輸出は前シーズンの2640万トンから1000万トン以上少ない1570万トンにとどまると予想されている。

ロシア

 主要輸出国の一角を占めるロシアでは黒海沿岸の穀倉地帯での干ばつにより収穫量が減少した。2021年/2022年シーズンの生産量は前シーズンの8535万トンから約1000万トン減少した7550万トンにとどまっている。輸出への影響は前シーズンの3850万トンから3600万トンまでの約250万トンの減少にとどまる見通し。

オーストラリア

 オーストラリアでは良好な降雨により2年連続で豊作となった。今年2021年/2022年シーズンの収穫量は3400万トンと過去最高となると予想されている。輸出量も前シーズンの2385万トンから2550万トンへ増加となる見通し。

アルゼンチン

 アルゼンチンでは2020年/2021年シーズンの生産量は1765万トンでその前のシーズンより250万トン以上減少する不作であった。今シーズンは大豆やコーンが乾燥に苦しんでいるのも関わらず、2021年/2022年シーズンの小麦の生育は順調と報告されており予想収穫量は2000万トンとなっている。輸出量は前シーズンの1140万トンから1350万トンへ増加する見通し。

ウクライナ

 ウクライナでは隣接するロシアとは対照的に豊作となっており、2021年/2022年シーズンの生産量は3300万トンで前シーズンの2542万トンから大幅増加となる見通し。輸出量も前シーズンの1685万トンから2400万トンまで大幅に増加する見通しとなった。

欧州連合

 ヨーロッパはおおむね良好な天候に恵まれて2021年/2022年シーズンの生産量は前シーズンの1億2693万トンから約1200万トン増加した1億3870万トンとなる見通し。輸出量も前シーズンの2974万トンから約700万トンと大幅増加した3700万トンとなる見通し。

総評と今後の見通し

 主要小麦生産国の状況は以上の通りとなっている。世界全体では2021年/2022年シーズンの小麦の予想生産量は7億7789万トンと前シーズンの7億7590万トンをやや上回る見通し。干ばつによる不作で生産量が減少する国があったが、豊作の国が穴埋めした形となる。
 需要面では2021年/2022年シーズンの世界需要は7億8935万トンと前シーズンの7億8225万トンを1%近く上回る見込み。ただし、2021年/2022年シーズンの期末在庫予想は2億7818万トンと前シーズンの2億8964万トンを3%以上となる約1000万トン以上下回る見通しとなっている。
 以上のデータからは小麦の生産は局地的な干ばつなどがあっても全体として伸びているが、需要がそれ以上に伸びていることがわかる。現状の小麦相場の高騰はアメリカ国内の生産減の要因もあるが、世界の旺盛な需要を背景とした輸出需要がけん引しており、今後も需要増による価格上昇が続くと考えられる。

 


※このコラムで紹介している相場の動きの見方や見通しなどは執筆者の主観に基づくものであり、利益の増加や損失の減少を保証するものではありません。

 

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