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レポート
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2021/12/03

レポート:今週の天然ガス在庫統計と今後の見通し(2021年12月3日)

ダイジェスト

・12月2日に発表された天然ガス在庫は各社予想57Bcf減に対して59Bcf減と在庫減少が予想を上回る強気な内容となったが、気温上昇予報による暖房用需要減少見通しを材料に売られた
・12月2日時点の天然ガス在庫量は3564Bcf(有効容量の83.6%)となっている。在庫量は平年(5年間の平均3650Bcf)に比べて86Bcf少なく、前年(3939Bcf)と比べると375Bcf少ない状態
・11月25日から12月1日までの期間の天然ガス供給量は101.4Bcfで前週比1.1Bcf増加。天然ガス生産量は前週比0.9Bcf増加した96.0cf、カナダからの輸入量は前週比で0.2Bcf増加した5.3Bcf
・11月25日から12月1日までの期間の天然ガス国内需要量は106.3Bcfで前週から0.8Bcfの増加
・国内需要の内訳は発電需要が前週比で1.0Bcf減少した27.7Bcf、住宅・商業用需要が前週比で1.2Bcf増加した30.3Bcf、工業用需要は前週比で0.1Bcf増加した24.1Bcf。冬が本格化して暖房用需要が増加しているため住宅・商業用需要が増加
・LNG輸出用需要は前週比で0.4Bcf増加した12.0Bcf。LNG輸出量は84Bcf
・メキシコ向けパイプライン輸出需要は前週比で0.2Bcf増加した5.4Bcf

週間天然ガス在庫総評

 12月2日にEIAが発表した11月26日時点の週間天然ガス在庫量は前週比で59Bcf減少した3564Bcfとなった。12月2日の天然ガス相場は気温上昇予報による暖房用需要の伸び悩み見通しを材料に売られて、EIAの発表した在庫減少が事前の市場予想を上回った強気な内容だったが材料視されなかった。今週は世界各地の天然ガス価格が上昇し史上最高価格の水準にある。欧州の天然ガス価格の指標となるTTFハブ価格は4週連続の上昇となり、前週の29.46ドルから1.21ドル上昇した1MMBtu当たり週平均30.67ドルとなった。一方、東アジアではカーゴのスワップ価格が前週から横ばいだったものの1MMBtu当たり週平均36.47ドルと2020年1月以来の高値となった。

図1 天然ガス在庫量(青線)と5年平均(黒線)、変動幅(灰色)との比較(出展元 EIA)

 図1は天然ガス在庫量を過去5年の平均・変動幅と比較している。現在の全米の在庫量は3564Bcfで平年(5年間の平均3650Bcf、図1黒線)に比べて86Bcf少なく、前年(3939Bcf)に比べて375Bcf少なくなっている。表1はアメリカの地域別の在庫内訳となる。今週は太平洋岸以外の地域で在庫が減少している。現時点の在庫は天然ガス貯蔵施設の設計容量(4693Bcf)の75.9%、有効容量(4261Bcf)の83.6%となっている。

表1 地域別天然ガス在庫変動(出展元 EIA)

天然ガス供給  

 表2は11月25日から12月1日までの間の天然ガス供給量の内訳となる。天然ガスの生産は前週から0.9Bcf増加した96.0Bcfだった。カナダからの輸入は5.3Bcfで前週から0.2Bcfの増加となった。2週間前のカナダ西部の洪水による被害から復旧している。以上から天然ガスの総供給量は101.4Bcfと前週の100.3Bcfから1.1Bcf増加している。

表2 天然ガス供給内訳(出展元 EIA)

天然ガス需要

 表3は11月25日から12月1日の間の天然ガス需要量の内訳となる。全米の天然ガス需要量は106.3Bcfと前週比で0.8Bcfの増加となった。
 アメリカの国内需要82.1Bcfと前週から0.4Bcfの増加となった。内訳は発電需要が前週から1.0Bcf減少した27.7Bcf、工業需要が前週から0.1Bcf増加した24.1Bcf、住宅・商業用需要が前週か1.2Bcf増加した30.3Bcfだった。平年より気温が高いとはいえ真冬となったことで、暖房用需要が増加したため今週も住宅・商業用需要が増加している。
 輸出需要ではメキシコ向けパイプライン輸出が前週から0.2Bcf増加した5.4Bcfとなった。LNG輸出向け需要は12.0Bcfと前週から0.4Bcf増加し、今週のLNGの輸出量は84Bcfだった。

表3 天然ガス需要セクタ別内訳(出展元 EIA)

採掘用リグ稼働数

10月26日時点11月2日時点11月9日時点11月16日時点11月23日時点
原油用444基450基454基461基467基
天然ガス用100基100基102基102基102基
表2 ベーカー・ヒューズ社発表の原油・天然ガス採掘用リグ数の前週からの変化

 表4はベーカー・ヒューズ社が毎週金曜日に発表している原油・天然ガス採掘用リグ数となる。11月26日発表のレポート(11月23日時点)によると稼働リグ数は、原油採掘用リグ稼働数が前週から6基増加した467基、天然ガス採掘用リグ稼働数は前週から横ばいの102基でリグの総数は前週比で6基増加した569基となり、2020年4月以来の高水準となっている。

今後の見通し

LNG輸出

 図2はNGI社が提供している天然ガスパイプライン流量でLNG輸出量の推定値となる。天然ガスの流量は11月25日から29日の間が特に好調で12Bcf台となり26日には過去最高を記録した。それ以外の日もおおむね11Bcfを超えており輸出は順調に推移している。EIAによると今週23隻のLNGタンカーが輸出基地へ寄港し84BcfのLNGが輸出された。

図2 LNG基地向けパイプライン流量(出展元 NGI)
国内需要

  図3はNOAAが今日発表した8日後から14日後(12月10日から12月16日)の気温予報となる。太平洋岸では平年以下の気温の地域が広がるが、大半の地域は平年以上の気温となると予想されている。図4は11月30日NOAA発表の最新の1か月予報でカナダ国境沿いで平年並みの気温となる他は平年以上の気温となる見通し。

まとめ

 12月3日に発表された天然ガスの週間在庫レポートによると11月26日時点の天然ガス在庫の増加幅は59Bcf減となり各社の事前予想57Bcf減を上回るやや強気な結果となった。ただ、12月2日のの天然ガス相場は気温上昇予報による暖房用需要の伸び悩み見通しから売られており、在庫減少は材料視されなかった。
 11月25日から12月1日までの天然ガス需要は106.3Bcfで前週から0.8Bcf増加した。国内向け需要は前週比0.4Bcf増加した82.1Bcf、国内需要の内訳は発電所向けの需要が前週比で1.0Bcf減少した27.7Bcf、住宅・商業用需要は前週比で1.2Bcf増加した30.3Bcf、工業用需要は前週から0.1Bcf増加した24.1Bcfだった。平年より気温が高いとはいえ真冬に入って暖房用需要が増加したため住宅・商業用需要が増加している。LNG基地向けの需要は0.4Bcf増加した12.0Bcfとなったが、LNGの総輸出量は84Bcfで順調な輸出が続いている。一方で天然ガスの供給量は101.4Bcfと前週より1.1Bcfの増加となった。内訳は天然ガス生産が前週から0.9Bcf増加した96.0Bcf、カナダからの供給が前週から0.2Bcf増加した5.3Bcfとなった。
 天然ガスの国際価格は再度上昇に転じているが、アメリカ市場に大きな影響は見られていない。アメリカ国内の天気予報が気温上昇に転じ48州の大部分で平年より高い気温となると予報されたことで、11月26日に約5.500ドルだった天然ガス価格は4日間で1.4ドル以上下落した約4.100ドルで引けている。今後も気温上昇予報が続く見込みで、9月1日以来およそ3か月ぶりに4.000ドルを割り込むと考えている。

※このコラムで紹介している相場の動きの見方や見通しなどは執筆者の主観に基づくものであり、利益の増加や損失の減少を保証するものではありません。

 

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