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レポート
column

2022/01/11

レポート:南米の大豆とコーンの作付状況(2022年1月11日)


ダイジェスト

・ブラジル産大豆の収穫が始まる
・ブラジル北部では日照不足の懸念、南部では高温乾燥懸念
・パラナ州では大豆の収穫の33%が、リオ・グランデ・ド・スル州では24%が損失
・リオ・グランデ・ド・スル州では第1期コーンの収穫の59%が損失
・アルゼンチンでも高温乾燥で大豆の作柄が15ポイント、コーンの作柄が18ポイントと大幅に悪化
・アルゼンチン産小麦は記録的な豊作

概要

 今日はブラジルとアルゼンチンの天候および作付状況についてレポートする。

作付状況

ブラジル

 ブラジルの2021/2022年シーズンの大豆の収穫がゆっくりと始まっており、1月初めの段階で収穫率は全体の0.2%となっている。前年同時期は0%、平年は0.3%であり、ほとんど差はない。輸出業者は早期の輸出可能性に期待していたが、まだ収穫は十分に行われていない。マト・グロッソ州では0.6%(前年0%、平年0.75%)の収穫となっており、農家は続く雨天と日照不足が大豆の収量を低下させるのではないかと懸念している。マトグロッソ・ド・スル州では収穫が始まっているが、干ばつが収量に打撃を与えている。ただ、降雨による回復の可能性は残されている。一方、南部のパラナ州では0.1%で平年の0.67%を下回っている。同州では高温乾燥が着さや期を直撃したため、収量が大きく低下する可能性があり、農村経済局は同州の大豆生産量をシーズン初めに2100万トンと見積もっていたが、干ばつにより12月に1840万トン、今月には1300万トンまで引き下げている。リオ・グランデ・ド・スル州でも大豆の収量の24%が失われていると予想されている。
 2021/2022年の1期目のコーンの収穫も始まっているが、中心産地の一つリオ・グランデ・ド・スル州では乾燥により、同州全体の予想生産量の59.2%が損失したと見積もっている。一部の被害の大きい畑では収穫というより刈り取りが始まり、大豆の作付け可能性に期待をかけている。同州では小雨が降っているが、すでにコーンと大豆の損失回復は不可能といわれている。パラナ州では同州の1期目のコーン生産量を411万トンと見積もっていたが、40%以上の損失が出ると見積もられている。
 天候面では南部と中南部で高温乾燥が継続、北部と中北部で雨が継続する見込みで変わっていない。散発的な南部の雨は助けにはならなかった。

アルゼンチン

 アルゼンチンでは週末に雨が降り今週も雨の予報が出ているが、気温が平年より高く降水量が平年より少ない状態が続いている。大豆では81.4%の作付が終了したが、平年の88.4%、前年の87.5%より遅れている。降水量が少ないため特に北部で予定していた全ての大豆の作付が行えない可能性が高まっている。作柄予想は8%が不良、36%が普通、56%が良好で、前週より15ポイント悪化している。
 アルゼンチン穀物取引所は高温乾燥がコーンの受粉時期にダメージを与えることを警告している。今週のコーンの作付率は77.3%だった。作柄予想は良好の割合が40%と前週の58%から18ポイントの大幅低下となっている。逆に不作率は8%から21%へ上昇した。
 一方で2021/2022年の小麦は記録的な豊作となっている。

天候

ブラジル

 図1と2はNOAA(アメリカ海洋大気庁)によるブラジルの降水量予報で、図1は今後1週間(1月10日から1月16日)の、図2は2週間後(1月17日から1月23日)の天気予報で左側が降水量、右側が降水量の平年からのずれを示している。今後1週間は大豆・コーン産地の北部や中北部では引き続き平年の125%に当たる75~100mm程度、一部では135mmを超える雨が降る見込み。一方、中南部の海岸部では25mm~45mmと平年並み、中南部の内陸部と南部では広い範囲で5mm~25mmで平年の50%程度の降水量となる見通し。図2の示す2週間後は北部では55mm~105mmと平年の125%から150%の雨が降り続く。中部では雨が少なくなりほとんど降らない場所が生じる。南部では45mm~65mmの雨となり平年の150%程度の雨となる見通し。

アルゼンチン

 図3と4はNOAAによるアルゼンチンの降水量予報で、図3は今後1週間(1月10日から1月16日)の、図4は2週間後(1月17日から1月23日)の天気予報で左側が降水量、右側が降水量の平年からのずれを示している。アルゼンチンの大豆とコーンの産地であるパンパ地方では西側と南側を中心に15~35mmと平年並みの降水量となる見込み。東側や北側では平年の50~85%の雨となる見込み。図4の示す2週間後では、パンパの西側や南側、北側で平年並の25~45mmの雨と平年の125%程度の雨が降る見通し。一方で、東側では15~25mmと平年並みとなる見通し。

今後の見通し

 ブラジルでは北部ではこの先2週間雨が降り続き、大豆の日照不足が懸念されている。中北部では北側では今後1週間雨が降るが、翌週はほとんど雨が降らない見込みで収穫が進みそうだ。中南部では2週間の間ほとんど雨が降らない見込みで高温乾燥による被害が拡大している。南部では乾燥の後、平年以上の雨が降る予報となっているが、すでに大豆・コーン共に手遅れで収穫改善にはほとんど寄与しない見通し。
 アルゼンチンでは高温と乾燥により、大豆とコーンの作柄が15ポイント以上低下した。乾燥により予定していた作付が行えない可能性が浮上している。今後やや雨が増えるが、特に降水量の不足している東部では作物の20~40%に被害が出る可能性が指摘されている。一方で、小麦は年末までに十分な雨があったため記録的な豊作となっている。
 穀物市場では前週に南米の降雨や小麦の豊作を材料に下落する場面があったが、乾燥による収穫減が支援材料となっている。天気予報の続報に注意したい。なお11日にブラジルのConab(食料供給公社)が穀物報告を、12日にUSDAが12月の需給報告を発表する。


※このコラムで紹介している相場の動きの見方や見通しなどは執筆者の主観に基づくものであり、利益の増加や損失の減少を保証するものではありません。

 

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