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レポート
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2022/01/13

レポート:EIA週間原油統計(2022年1月13日)

ダイジェスト

・原油在庫は455万バレル減少
 原油生産量は日量1170万バレルで前週から10万バレルの減少
 輸出入では輸入量が606万バレル、輸出量が195万バレルで411万バレルの輸入超過
 製油所稼働率は88.4%で1.4%低下、原油処理量は29万バレルの減少
 Adjustmentによる在庫調整は今週は減少側で調整量は93万バレル
・ガソリン在庫は796万バレル増加
(生産量+輸入量)>(出荷量+輸出量)で、在庫増加が続く
 ガソリン生産量は7万バレルの増加、輸入量は1万バレル減少
 ガソリン出荷量は27万バレルの減少、輸出量は5万バレル増加
・留出油在庫は253万バレル増加
 (生産量+輸入量)>(出荷量+輸出量)で、生産量の減少で在庫増加幅が縮小
 留出油の生産量は18万バレル減少、輸入量は横ばい
 留出油の出荷量は1万バレル増加、輸出量は8万バレル増加
・原油と石油製品を合わせた在庫量は17億8370万バレルで前週より480万バレルの増加
・オクラホマ州クッシング在庫は246万バレル減少した3480万バレル、クッシングのタンク容量は約7600万バレルで貯蔵率は45.8%
・石油製品の出荷量は116万バレルの増加となり好調さの目安である日量2000万バレルを回復

EIA週間統計の総評

 日本時間1月12日24時半にEIAから週間在庫統計が発表された。原油在庫は455万バレルの減少となった。製油所の稼働率は前週比で1.4%低下した88.4%となり、原油消費量は前週比で29万バレル減少した1557万バレルとなった。原油相場は米国経済が好調なことと原油需給がタイトとなる見通しを材料に上昇した。今週のEIA在庫は石油製品在庫の大幅増加があったが、原油在庫の減少が相場の支援材料となった。石油製品ではガソリン在庫が796万バレルの大幅増加、留出油在庫は253万バレルの増加となった。WTI指標原油であるオクラホマ州クッシングの原油在庫は246万バレル減少した3480万バレルとなった。
 原油生産は日量1170万バレルと前週から10万バレルの減少、原油輸入量は前週比で18万バレル増加した日量606万バレル、輸出量は日量59万バレル減少した日量195万バレルとなり輸出入全体としては411万バレルの輸入超過となっている。ガソリン高に対応するため戦略備蓄(SPR)が放出されているが今週は4万バレルと少なかった。原油と全ての石油製品を合わせた在庫は17億8370万バレルと前週比で480万バレルの減少となった。

原油と石油製品の在庫(表1)

 表1は過去4週間分の結果を示している。原油の在庫は455万バレル減少した4億1330万バレル、ガソリン在庫は796万バレルと大幅増加した2億4070万バレル、留出油在庫が253万バレル増加した1億万2940バレル、オクラホマ州クッシングの原油在庫は246万バレル減少した3480万バレルだった。

API統計EIA統計今週EIA統計前週EIA統計2週前EIA統計3週前
原油(万バレル)110減455減214減375減471減
ガソリン(万バレル)1090増796増1012増145減553増
留出油(万バレル)300増253増441増172減39増
クッシング在庫(万バレル)246減257増105増146増
表1 原油・石油製品在庫 (出展元 EIA)

 図1は原油在庫の過去2年分の推移、図2はガソリン在庫の過去2年分の推移、図3は留出油在庫の過去2年分の推移となる。それぞれの図は今年の在庫推移(青線)と過去5年間の在庫レンジ(灰色)とを比較している。原油在庫、ガソリン在庫、留出油在庫全てで過去5年間の在庫レンジの下限近くとなっており、特に原油在庫は過去5年の在庫レンジを明らかに下回っている。

図1 原油在庫推移(出展元 EIA)
図2 ガソリン在庫推移(出展元 EIA)
図3 留出油在庫推移(出展元 EIA)
原油生産と輸出入、戦略備蓄(日量)(表2と表3)

 表2は原油の生産量と輸出入についてまとめている。原油生産量は日量1170万バレルで前週から10万バレルの減少。原油輸入量は前週比で18万バレル増加した日量606万バレル、輸出量は前週比で59万バレル減少した195万バレルで411万バレルの輸入超過となった。Adjustmentは需要と供給それぞれの不確実性(計算のずれなど)のつじつまを合わせて相殺するために需給の計算に加えられる。今週の統計のAdjustmentは先週から117万バレル減少した93万バレルとなり在庫を減少させる形で加わっている。

原油生産と輸出入今週前週2週前3週前4週平均前年
同時期
原油生産(万バレル/日)117011801180116011721100
戦略備蓄増加(万バレル/日)-4-19-19-36-190
原油輸入(万バレル/日)606588675619622623
原油輸出(万バレル/日)195255292287257301
Adjustment(万バレル/日)-9323-63-13-36-4
表2 原油生産と戦略備蓄、輸出入 (出展元 EIA)
*Adjustmentの-はマイナス補正を意味している

 アメリカの原油輸入国上位10か国の国別内訳と前週からの輸入量の増減は表3の通り。今週はメキシコとコロンビア、イラク、ブラジルからの原油輸入量が増加した一方で、カナダ、ロシア、サウジアラビアなどからの輸入量が減少した。

輸入国輸入量(万バレル/日)前週輸入量(万バレル/日)増減(万バレル)
カナダ334380-46
メキシコ5822+36
サウジアラビア2941-12
コロンビア246+18
イラク3122+9
エクアドル59+2
ブラジル1912+7
ロシア015-15
ナイジェリア05-5
トリニダード・トバゴ127-5
表3 輸入量国別内訳(出展元 EIA)
石油製品生産量(日量)と製油所稼働率(表4)

 表4は主要石油製品の生産と輸入(供給)についてまとめたものとなる。製油所稼働率は前週から1.4%低下した88.4%となり、製油所への原油投入量は前週比で29万バレル減少した日量1557万バレルとなった。石油製品の生産ではガソリン生産は前週から7万バレル増加した日量857万バレル、ジェット燃料生産は前週から2万バレル減少した日量153万バレル、留出油生産は前週か18万バレル減少した日量478万バレルだった。

製油所稼働率等今週前週2週前3週前4週平均前年度
同時期
原油投入量(万バレル/日)155715861570158115741465
製油所稼働率(%)88.489.889.789.689.482.0
ガソリン生産(万バレル/日)  8578501011994928751
ガソリン輸入(万バレル/日) 585943685738
ジェット燃料生産(万バレル/日)153155149147151123
ジェット燃料輸入(万バレル/日)71111585
留出油生産(万バレル/日)   478496493485488466
留出油輸入(万バレル/日)  212116201934
表4 石油製品生産量(供給) (出展元 EIA)
石油製品供給(日量、需要)(表5)

 表5は主要石油製品の出荷量(需要)と輸出量の内訳一覧となる。ガソリン出荷量は前週から27万バレル減少した日量790万バレル、ジェット燃料の出荷量は前週から14万バレル増加した日量160万バレル、留出油の出荷量は前週から1万バレル増加した日量374万バレルだった。

石油製品
出荷量(日量)
今週前週2週前3週前4週
平均
前年
同時期
ガソリン出荷(万バレル/日)790817972898869753
ガソリン輸出(万バレル/日)524761826059
ジェット燃料出荷(万バレル/日)160146159146153146
ジェット燃料輸出(万バレル/日)814139113
留出油出荷(万バレル/日)374373405382384360
留出油輸出(万バレル/日)898112911710471
表5 石油製品出荷量(需要) (出展元 EIA)
石油製品需給(日量)

 原油の需要側では製油所稼働率が前週から1.4%低下した88.4%となり、原油消費量は前週より29万バレル減少した日量1557万バレルだった。
 主要な石油製品ではガソリン生産量が前週比で7万バレル増加した日量857万バレル、輸入量は1万バレル減少した日量58万バレルだった。ガソリンの出荷量は前週比で27万バレルの減少となった日量790万バレル、輸出量は前週から5万バレル増加した日量52万バレルだった。ガソリン出荷量の減少で在庫は796万バレル増となり在庫増加が続いている。
 次に留出油は生産量が前週から18万バレル減少した日量478万バレル、輸入量は前週から横ばいの日量21万バレルだった。留出油の出荷量は前週から1万バレル増加した日量374万バレル、輸出量は前週から8万バレル増加した日量89万バレルとなった。生産量の減少と輸出量が増加したため、前週より減少幅の縮小した253万バレルの在庫増加となった。
 ジェット燃料生産量は前週から2万バレル減少した153万バレル、出荷量は前週から14万バレル増加した160万バレルとなった。
 石油製品全体の出荷量(需要)は前週比で116万バレル増加した日量2082万バレルとなり、石油製品消費の好調さの目安の一つとなる日量2000万バレルを回復した。今週は原油在庫が455万バレル減少、ガソリン在庫が796万バレル増加、留出油在庫が253万バレルの増加となった。ガソリンや留出油だけでなく、灯油や重油、エタノールなど全ての石油製品在庫に原油在庫を加えた全石油在庫は前週比で480万バレル減少した17億8370万バレルとなった。

石油製品価格(表6と表7)

 表6はニューヨーク港渡しの石油製品のスポット卸売価格となる。ガソリンの卸売価格は前週から約7セントの上昇、ディーゼル燃料の卸売価格は前週から約17セントの上昇だった。原油価格は約3.7ドルの上昇だった。

スポット卸売価格
(ニューヨーク港渡し)
1/712/3112/2412/1712/10前年同時期 
レギュラーガソリン価格
(ドル/ガロン)
2.3462.274非公開2.2082.225非公開
ディーゼル燃料
(ドル/ガロン)
2.4962.327非公開2.2202.258非公開
原油
(ドル/バレル)
79.0075.33非公開70.9371.71非公開
表6 石油製品受渡価格 (出展元 EIA)

 表7は全米の石油製品の小売価格の全国平均を週ごとに集計した結果となる。今週のガソリン小売価格は約1セントの上昇、ディーゼル燃料の小売価格は約4セントの上昇だった。

小売価格1/10 1/3 12/27 12/20 12/13 前年同時期 
レギュラーガソリン価格
(ドル/ガロン)
3.2953.2813.2753.2953.3152.317
中間グレードガソリン価格
(ドル/ガロン)
3.7523.7463.7433.7633.7762.702
プレミアムガソリン価格
(ドル/ガロン)
4.0204.0124.0084.0244.0392.959
ディーゼル燃料価格
(ドル/ガロン)
3.6573.6133.6153.6263.6492.670
表7 石油製品全国価格 (出展元 EIA)

今後の見通し

 アメリカの原油生産量は前週から10万バレル減少した日量1170万バレルだった。需要面では製油所稼働率が前週から1.4%低下した88.4%となり、原油消費量は29万バレル減少した日量1557万バレルだった。原油輸入量は前週比で日量18万バレル増加した日量606万バレル、輸出量が59万バレル減少した日量195万バレルとなり、411万バレルの輸入超過となっている。Adjustmentによる調整量が大きくなり原油在庫は55万バレルの減少と在庫減少幅が拡大した。
 ガソリンは生産量が7万バレル増加、ガソリン輸入量は1万バレルの減少となった。ガソリン出荷量は27万バレルの減少、ガソリン輸出量は5万バレルの増加となった。ガソリン在庫は796万バレル増の大幅増加が続いている。留出油は生産量が18万バレルの減少、輸入量は横ばいだった。一方出荷量は1万バレルの増加、輸出量が8万バレルの増加となった。生産量の減少と輸出量が増加したため留出油在庫は253万バレルと在庫増加幅が縮小した。燃料価格では卸売価格はクリスマス前との比較でガソリン価格が約7セント、ディーゼル燃料価格が約17セントの上昇となった。小売価格はガソリン価格が約1セント、ディーゼル燃料が約4セントの上昇だった。
 全ての石油製品の出荷量は日量116万バレル増加した2082万バレルとなり、石油製品消費の好調さの目安である日量2000万バレルを回復した。ガソリンやディーゼル燃料に加えてエタノールや液化プロパンなど全ての石油製品と原油を合わせた在庫は480万バレル減少した17億8370万バレルとなった。
 アメリカでは今週、再任のため上院銀行委員会で行われたパウエルFRB議長の議会証言で、段階的な金融引き締め方針の修正が示唆されたことで、早期利上げ観測が後退し株価とともに原油価格も上昇してあっさり80ドル台を回復している。新型コロナウイルスのオミクロン株の感染拡大は広がっているものの警戒感は後退して他、原油需給が今後更にタイトになるとの見方を材料に上昇が続いており、今週中にも85ドルを回復するのではないかと考えている。


※このコラムで紹介している相場の動きの見方や見通しなどは執筆者の主観に基づくものであり、利益の増加や損失の減少を保証するものではありません。

 

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