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レポート
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2022/01/03

レポート:今週の天然ガス在庫統計と今後の見通し(2022年1月3日)

ダイジェスト

・12月30日に発表された天然ガス在庫は各社予想115Bcf減に対して136Bcf減と在庫減少が予想大幅に上回る強気な内容となったが、下げの勢いが強く相場に影響はなかった
・12月24日時点の天然ガス在庫量は3226Bcf(有効容量の75.7%)、在庫量は平年(5年間の平均3207Bcf)に比べて19Bcf多く、前年(3476Bcf)と比べると250Bcf少ない状態
・在庫取り崩しは平年同時期(121Bcf)、前年同時期(120Bcf)と比べて10%以上多い
・新年前で官公庁が休みのため需給レポートはお休み
・30日に電話会談が行われウクライナをめぐる欧米とロシアの間の緊張が緩んだことなどから欧州の天然ガス価格は下落

週間天然ガス在庫総評

 12月30日にEIAが発表した12月24日時点の週間天然ガス在庫量は前週比で136Bcf減少した3226Bcfとなった。12月30日の天然ガス相場は欧州の天然ガス価格の下落を材料に下落した。EIAの発表した在庫の減少幅が事前の市場予想115Bcfを大幅に上回る強気な内容だったが、影響はほとんどなかった。なお、観光庁が新年前の休暇のため今週の需給レポートはお休み。
 アメリカ以外の国際天然ガス価格は欧州の天然ガス価格の指標となるTTFハブ価格がロシア・アメリカ間の緊張緩和が進んだことや欧州の気温予報が穏やかになったことで大きく崩れた。クリスマス前の21日に1MMBtu当たり59.46ドルの最高値を付けたが、31日には24.46ドルと約60%の下落となり大きく崩れている。

図1 TTF先物2月限価格(日足、出展元 CME)
図2 天然ガス在庫量(青線)と5年平均(黒線)、変動幅(灰色)との比較(出展元 EIA)

 図2は天然ガス在庫量を過去5年の平均・変動幅と比較している。現在の全米の在庫量は3226Bcfで平年(5年間の平均3207Bcf、図1黒線)に比べて19Bcf多く、前年(3476Bcf)に比べて250Bcf少なくなっている。在庫取り崩しは平年同時期(121Bcf)、前年同時期(120Bcf)と比べて10%以上多かった。表1はアメリカの地域別の在庫内訳となる。今週はすべての地域で在庫が減少した。特に東部と中西部で消費が多かったことに加えて、南部での消費量が前週比で36Bcfと急増した。現時点の在庫は天然ガス貯蔵施設の設計容量(4693Bcf)の68.7%、有効容量(4261Bcf)の75.7%となっている。

表1 地域別天然ガス在庫変動(出展元 EIA)

採掘用リグ稼働数

11月30日時点12月7日時点12月14日時点12月21日時点 12月28日時点
原油用467基471基475基480基 480基
天然ガス用102基105基104基106基 106基
表2 ベーカー・ヒューズ社発表の原油・天然ガス採掘用リグ数の前週からの変化

 表2はベーカー・ヒューズ社が毎週金曜日に発表している原油・天然ガス採掘用リグ数となる。12月31日発表のレポート(12月28日時点)によると稼働リグ数は、原油採掘用リグ稼働数が480基、天然ガス採掘用リグ稼働数は106基とどちらも前週から横ばいだった。

今後の見通し

LNG輸出

 図3はNGI社が提供している天然ガスパイプライン流量でLNG輸出量の推定値となる。天然ガスの流量は2021年内はほぼ12Bcf台で推移した。30日に12Bcfを割り込んでいるが、これは新年の影響だと思われる。新年最初のデータは未更新。

図3 LNG基地向けパイプライン流量(出展元 NGI)
国内需要

  図4はNOAAが今日発表した8日後から14日後(1月10日から1月16日)の気温予報となる。大西洋岸と五大湖周辺で平年以下の気温の地域が広がる一方で、太平洋岸からアメリカ中西部西側まで平年以上の気温となる見通し。図5は12月31日NOAA発表の最新の1か月予報でメキシコ湾岸では平年以上の気温となるが、大西洋岸を中心に平年以上の気温となり、カナダ国境沿いに太平洋岸から五大湖周辺までは平年以下の気温となる見通し。

まとめ

 12月30日に発表された天然ガスの週間在庫レポートによると12月24日時点の天然ガス在庫の増加幅は136Bcf減となり各社の事前予想の115Bcf減を約2割上回る強気な結果となったが、それ自体は大きな影響はなかった。天然ガス相場は欧州の天然ガス価格の下落を材料に売られて下落した。現在の全米の在庫量は3226Bcfで平年(5年間の平均3207Bcf、図1黒線)に比べて19Bcf多く、前年(3476Bcf)に比べて250Bcf少なくなった。平年同時期で121Bcf減、前年同時期で120Bcf減の在庫取り崩しだったが、今週の在庫取り崩しは136Bcf減と1割以上多かった。地域別内訳をみるとアメリカ東部、中西部、南部で消費が多く、特に南部は30Bcf以上の急増だった。
 欧州の天然ガス価格は21日に最高値を付けたが、その後の10日間で約60%の大幅下落となり、懸念材料となった。加えてアメリカでは天気予報が年初までは気温低下との予報だったが、今日の天気予報では太平洋岸を中心に穏やかになるとの予報となったこと、天然ガス生産の増加が懸念材料となっている。先を読むことが難しくなっており、特に天気予報での相場急変があり得るので注意したい。


※このコラムで紹介している相場の動きの見方や見通しなどは執筆者の主観に基づくものであり、利益の増加や損失の減少を保証するものではありません。

 

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