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レポート
column

2022/01/04

レポート:南米の大豆とコーンの作付状況(2022年1月4日)


ダイジェスト

・ブラジル北部や中北部の作柄は良好だが、一部では雨の降りすぎで品質低下やカビや立ち腐れが発生
・ブラジル南部や中南部では高温乾燥となり大豆とコーンともに生育が遅延、作柄が低下
・アメリカのStoneX社の発表するブラジルの大豆予想生産量は1億3400万トンと前回より1010万トン引き下げ、コーンの予想生産量は1億1750万トンと前回より260万トンの引き下げ
・アルゼンチンではコーン、大豆ともに高温乾燥の被害が出ている
・直近の予報ではパンパ地域のうち北側や東側での降雨は期待できない見通し
・ブエノス・アイレス穀物取引所の発表したアルゼンチン産のコーンの生産量は5200万トン、大豆は4800万トンと前月より100万トンの引き下げ。
・ブラジル南部とパラナ川を挟んで向かい合うパラグアイでは、大豆とコーンの栽培地域である南西部で高温乾燥が続いている

概要

 今日はブラジルとアルゼンチンの天候および作付状況についてレポートする。

作付状況

ブラジル

 ブラジルの1期目のコーンの内、好天に恵まれた地域は約40%、乾燥に苦しむ地域も約40%となっている。最も乾燥ししているパラナ州とリオグランデ・ド・スル州では今週降雨があったものの既に手遅れであり、農家は保険金の請求をしていると報じられている。リオグランデ・ド・スル州での損失は40~60%、パラナ州では最大85%の損失が出る模様。受粉期に乾燥が始まったパラナ州の方が、損失が大きくなっている。対照的にミナス・ジェライス州では頻繁な雨でほぼ良好な状態となっており、収量は前年を上回る見込み。間もなく作付けが始まる2期目のコーンについてはマト・グロッソ州では畑の水分は豊富で見通しは良好、パラナ州では乾燥が進んでいるため不透明となっている。アメリカの農業会社StoneXの最新予想生産量は1億1750万トンで前回の1億2010万トンから260万トンの引き下げとなった。
 大豆ではマト・グロッソ州やパラナ州で収穫が始まった。マト・グロッソ州では雨天が続き大豆の成熟が遅れている。農家はカビや品質低下を懸念している。北東部のバイア州では日照不足懸念が出ている他、集中豪雨で洪水が発生したが発生地域では畑が少なく被害はほとんど出ていない。トカンチンス州では一部の種子が水分過多によりさやの中で腐っていると報じられている。一方で、パラナ州では乾燥により一部の地域で約65%の収穫が失われたと報じられた。大豆作付面積の約15%を占めるリオグランデ・ド・スル州でも乾燥のため作付が92%凍結されており、今週もほとんど進展がなかった。多少の降雨があったが、散発的で乾燥を解消するには至らなかった。現地ではすでに10%の収穫が失われたと報じられている。アメリカの農業会社StoneXの最新予想生産量は1億3400万トンで前回の1億4510万トンから1010万トンの引き下げとなったが、1月に降雨があれば拡幅できる可能性がある。
 天候面では南部と中南部では高温乾燥が継続、北部と中北部では雨が継続する見込みで変わっていない。

アルゼンチン

 アルゼンチンのブエノス・アイレス穀物取引所によれば、アルゼンチンのコーンは後半の作付が始まり12ポイント以上と大きく作付率が上昇した。前年の61.2%、平年の70.1%に対して作付率60.2%となった。作柄予想は1%が悪い、23%が普通、76%が良好となっている。土壌水分は7%が不足、93%は良好だった。コーンの予想生産量は5200万トンと前回予想より100万トン引き下げられた。今後は弱含みとなっている。
 大豆の作付は73.3%で前年の77.2%、平年の81.1%でやや遅れている。作柄予想は悪い3%、普通26%、良好71%となっており、土壌水分は20%が不足、80%が良好だった。大豆の予想生産量は4800万トンと前回予想より100万トン引き下げられた。今後は弱含みとなっている。
 アルゼンチンのパンパ地域では西部と南部を中心に雨が降ったが、北部や東部では雨が少なかった。今週末に雨が予想されているものの、大きく改善する見込みはなく、北部と東部では平年より高い気温が続き感想を助長している。

その他

 パラグアイでは南東部の穀倉地帯で高温乾燥となっており、コーン、大豆ともに大きな影響が出ている。同国のコーンの収穫は1月中旬に始まるが、短期的には雨は期待できない見通しとなっている。

天候

ブラジル

 図1と2はNOAA(アメリカ海洋大気庁)によるブラジルの降水量予報で、図1は今後1週間(1月3日から1月9日)の、図2は2週間後(1月9日から1月16日)の天気予報で左側が降水量、右側が降水量の平年からのずれを示している。今後1週間は大豆・コーン産地の北部や中北部では引き続き平年の125%から150%に当たる100mm程度、一部では135mmを超える雨が降り続く見込み。一方、中南部では25mm~45mmと平年並み、南部では広い範囲で5mm~25mmで平年の75%程度の降水量となる見通し。図2の示す2週間後は北部と中南部では55mm~105mmと平年の125%から150%の雨が降り続き、場所によっては135mm以上と200%を超える雨が降る見込み。一方で中南部から南部では5mm~25mmの雨となり平年の50%程度の雨となる見通し。

アルゼンチン

 図3と4はNOAAによるアルゼンチンの降水量予報で、図3は今後1週間(1月3日から1月9日)の、図4は2週間後(1月10日から1月16日)の天気予報で左側が降水量、右側が降水量の平年からのずれを示している。アルゼンチンの大豆とコーンの産地であるパンパ地方では西側と南側を中心に15~35mmと平年並みの降水量となる見込み。東側や北側では平年の50~85%の雨となる見込み。図4の示す2週間後では、パンパの西側や南側で平年並の15~35mmの雨、所により45mmと平年の125%程度の雨が降る見通し。一方で、東側や北側では平年を下回る雨が続く見通し。

今後の見通し

 ブラジルでは中北部から北部にかけては降雨が続き、中南部から南部にかけては高温乾燥となるという対照的な天候となっている。ここへ来て北部では日照不足と降雨過多による収穫減と品質低下懸念が高まっている。バイア州で発生した洪水は大豆とコーンの栽培の少ない地域で被害はほとんど出ない見込み。北部の一部の地域では水分過多により大豆にカビが発生したり種子が腐るとの報告が出ている。南部では受粉期に乾燥が直撃したパラナ州を中心に作柄が悪化しており40%から85%の被害が出ている。アメリカのStoneX社はブラジルの大豆予想生産量を1億3400万トンと前回より1010万トン引き下げ、コーンの予想生産量を1億1750万トンと前回より260万トン引き下げている。
 アルゼンチンでは降雨があったため作付が進展したが、乾燥を解消するには程遠い状況が続いている。ブエノス・アイレス穀物取引所はコーンの予想生産量を5200万トン、大豆の予想生産量4800万トンとし、前月予想から100万トンずつの引き下げとなった。アルゼンチンでは今週はやや雨が多いが、来週には乾燥が戻ってくる見込み。
 穀物市場では前週に南米の降雨を材料に下落する場面があったが、ブラジル、アルゼンチンともに予想生産量が引き下げられたことが、支援材料として注目され始めているので、続報に注意したい。


※このコラムで紹介している相場の動きの見方や見通しなどは執筆者の主観に基づくものであり、利益の増加や損失の減少を保証するものではありません。

 

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