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レポート
column

2022/01/05

レポート:OPECプラス増産維持(2022年1月5日)


ダイジェスト

・OPECプラスは2月の増産量を日量40万バレルと決定
・OPECプラスの11月の減産順守率は117%、内OPEC加盟国122%、非OPEC加盟国106%
・OPECプラス内部では増産目標達成できない国が出始めており、9月末まで増産が続行できるかは不透明
・リビアでは民兵の油田占拠とメンテナンスで原油生産が3分の2にあたる日量70万バレルまで減少
・加盟国が増産を達成できないこととリビアの減産はOPECプラスの強気な需給見通しを補強
・次回の会合は2月2日に開催され3月の生産量を決定する予定

OPECプラスは原油の増産維持を決定

 OPECプラスは1月4日21時からJMMC(共同閣僚監視委員会)、その後に続いて1月の会合を開催した。会合では2月の増産量が議論されたが、紛糾することなく市場の大方の見通し通りに日量40万バレルの増産で決定した。2021年の7月に減産幅の段階的削減が合意されて、毎月日量40万バレルのペースで増産が行われている。2021年の8月以来6か月で日量240万バレルの増産が行われているが、この増産は9月末まで行われて、残りの340万バレルの減産枠を段階的に廃止していく予定となっている。

需要予測

 会合に先立って開催されたJTC(共同技術委員会)ではOPECプラスの内部データが示され、1月は日量80万バレルの供給過多、2月は日量130万バレルの供給過多の見通しと報じられている。供給が需要を上回るのは間違いないが、前回12月の時点での予測による1月の日量200万バレルの供給過多、2月の日量300万バレルの供給過多の見通しに比べれば、需給見通しが改善していると主張している。
これは新型コロナウイルス・オミクロン株の毒性がデルタ株に比べて小さいとしているためとなる。オミクロン株の感染は広がっているが、重篤化が避けられていると考えられることからアメリカはロックダウンを行わないなど影響が比較的小さくなっていることが要因と考えられている。加えて、後述するがOPECプラス加盟国の内、生産量の制約で上限まで生産できない国があり、実効増産幅が予定の日量40万バレルを下回っていることが挙げられる。また現在の原油備蓄量はコロナ前の5年平均を8500万バレル下回っていることも理由に挙げられている。

減産順守率

 OPECプラスはOPEC加盟国とそれ以外の産油国から構成されている。生産枠はそれぞれの国に割り振られている。2021年12月のデータではOPECプラス全体のの減産順守率は117%で11月より1%上昇した。一方で、OPEC加盟国の減産順守率は122%、非OPEC加盟国の順守率は107%だった。IEAのデータによるとOPECプラスは11月に日量65万バレル、12月に73万バレルの増産を達成できていない。日量73万バレルは2か月分の増産枠に匹敵しており、原油生産の限界が見えてきている。OPEC側ではサウジアラビア、イラク、UAEは更なる増産が可能だが、アンゴラやナイジェリア、そしてクウェートでさえ増産割り当ての達成に苦慮している状況になっている。非OPEC側最大の産油国であるロシアもまた11月の生産量に対して12月の生産量はほとんど横ばい(推計によっては11月を下回る)となっており、これ以上の増産は難しいと考えられている。石油アナリストの分析によると1月に増産可能な量は日量40万バレルに対して13万バレル、2月には同25万バレルとおよそ半分と見積もられている。

今後の見通し

 リビアの国営石油会社は東部の石油パイプラインのメンテナンスが終わるまで日量20万バレルの減産を発表した。これは2週間前にリビア最大の油田であるシャララ(Sharara)油田を民兵が占拠し日量35万バレルの原油生産が停止したことに次ぐトラブルとなる。2021年のリビアの原油生産量は平均で120万バレルで推移していたが、これらのトラブルのため過去1年で最少となる日量70万バレルまで減少する見込み。
 リビアの原油生産の減少とOPECプラス加盟国内部に生産目標を達成できない国があることは、OPECプラスによる原油需給改善の見通しを補強することになる。需給の悪化に基づきしばらくの間の原油相場は現在の水準を維持すると考えられる。


※このコラムで紹介している相場の動きの見方や見通しなどは執筆者の主観に基づくものであり、利益の増加や損失の減少を保証するものではありません。

 

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